それにはいい面もありますが、弊害もあります。幼い子どもの頃から、自分だけが突出しないように、集団から外れないようにという集団力学が働きがちです。
個人が自己主張をすると「わがまま」と見なされ、同調圧力がはたらく傾向があります。
こうした学校教育の弊害として、子どもが自分がどういう人間か、何をしたいのかを考え、自分の軸を確立していくことを難しくします。
その結果として、日本の経営者や組織のリーダーは管理者としての傾向が強く、たとえば日本の社会の未来をどう考えるのかというようなビジョンを語れる人が少ないのです。
人の管理は一定程度できますが、成長の可能性のある新しい分野へ、業務を移行させることには苦手な人が多いのです。
では、今どのようなリーダーが求められるのでしょうか。
それは、その人が組織にいることで、「化学反応」が起き、メンバー同士の前向きな議論が行われ、目標に向かっての協力を促進できる人です。
その人がいることで、メンバーをエンパワーするのです。
つまり、カリスマ的なリーダーではなく、積極的な調整役のリーダーと言っていいかもしれません。
上からトップダウンするでもなく、下から支えたりするのではなく、真ん中にいて、メンバーの可能性を開花させ、組織の共通目標に向かわせる人です。
そのためには、まず、双方向のコミュニケーションが重要です。
上からの一方通行の指示方伝達をするのではく、部下を尊重し、物が言える組織にすることが大切です。
また、チーム全体で結果が作り出せる状態を整えるには、リーダーが結果への強いこだわりを言葉と行動で示すことです。