今の若い世代に戦争体験はありません。日常生活で核兵器の脅威をとくに感じることも少ないのです。
だからこそ、過去を学び、被爆者の声にしっかりと耳を傾けることが必要になるのです。
そんな中、ヒロシマではいま「ピースカルチャービレッジ」という団体に所属する 10代、20代の若い世代が、修学旅行生向けの平和教育プログラムとオンラインによる平和学習に力を入れています。
若い世代ならではの平和を考える視点をもち、学習を進めます。
「あなたにとっての平和とは?」というテーマで、スタッフが参加者と共に学び合い、平和を考えます。
共に学び合うという意味で、その若いスタッフは「ピースバデイ」と呼ばれています。
5年間で延べ約180人がバディをつとめ、2024年からは長崎でも始まっています。
ふつう、修学旅行では1クラスに一人のガイドがつきますが、8人から10人に一人のガイドがつけますので、グループ活動が可能になります。
いまの子どもたちの「社会の捉え方」としては、自分にとって社会を遠いものと考えているという特徴があります。
その理由はおそらく、地域で活動したりする機会が昭和時代に比べ格段に少なくなったこと、「子どもは勉強だけしていればいい」という大人の考え方が主流になったためと考えられます。
ところが、上記の平和学習を経験した修学旅行生は、「わたしに自分の国や社会を変える力がある」と考える生徒の割合が、大きく増えたという報告があります。
若い子が積極的に自分の居場所を見つけ、自分がどんな使命を胸にして生きていきたいのか、どのように社会に貢献していきたいのかを考えます。
その過程にこそ、一人ひとりの「平和」が存在し、信念に基づく行動がそのまま平和活動になるのだと思います。
平和を考えるとき、すぐ対比の対象になるのが「戦争」というのが従来の平和学習だとすれば、これからの平和学習は、若い子が自分に対して問いかける「自分との対話」であり、自分らしく一歩踏み出すことが平和学習になるのでしょう。
同様の活動が始まった。
オンラインスクールは、21年かの前と後で18名から56名へ跳ね上
修学旅行生へのガイドは1クラ
ら始めた取り組みだ。半年間のカがっている。「平和」を自分の事
スー人が主流だが、PCVでは8リキュラムで、自分の好きなものとして考えてくれた証しだろう。