PCR検査をクリア(陰性)して、やっと大腸ポリープを取ることができた。
今回は大腸カメラの検査室ではなくて、手術室に連れて行かれた時にはどうなることかと思ったが、鎮静剤を使ってもらったところ、すっかり眠ってしまい、気がついたら手術が終わっていた。
もちろん痛みはまったく無かった。
そして、この前やった検査よりもずっと楽だと思ったのは手術だけではない。
検査前からの食事制限も楽だった。
先日の検査の時は、途中でお腹が空いて仕方がなかったが、今回は前回よりも長い絶食期間だったにもかかわらず、あまり空腹を感じずに終わった。
実は前回の検査で食事を抜いたのをきっかけに、また一日に二食の生活を試していた。
またというのは、何年か前にも挑戦したことがあるのだけど、その時は胃が痛くなってやめてしまったことがある。
ところが夫が家にいるようになり、夫と一緒に三食しっかり摂るようにしていたら、なんと血液の数値が悪くなってしまった。
医師曰く「栄養の摂りすぎですな」とのこと。
六十代になり代謝が悪くなっているのに、若い頃と変わらない食事をしていたら栄養の摂りすぎになるのは当たり前だったかもしれない。(でも夫の数値が変わらないのはなぜだろう??)
それもあって、いい機会なので二食にしてみたところ、今回は胃痛も起こらず、二食だと時間にゆとりができるし、夕食が楽しみになって良いことばかりだった。
さて前日からの食事制限は検査の時と変わらないが、今回は手術した当日も丸一日絶食することになった。
水分を取るのはOKだが食事はNGで、その代わり栄養剤と止血剤の入った点滴を翌朝までつけている。
点滴をしたらあとはすることがないので、持っていった厚めの本を一冊読み切ることができたのは良かった。
家にいたらなんやかやあって、本一冊を最初から最後までノンストップで読み切るなんてことはできなかった。
読み疲れてベッドに横たわったまま、病室の天井を眺めていたら、病院で亡くなった両親と義母のことを思い出した。
みんなこうやって天井を眺めていたんだなあ。
天井を見つめながら、どれほど普段の生活に戻りたいと思ったことだろう。
ここにいる多くの患者さんのほとんどが、そう思って天井を見ているのかもしれない。
夜中に遠くの病室から「おーい、おーい」と誰かを呼ぶ男性の声が聞こえていた。
看護師さんがなかなか来ないようで、ずっと呼び続けている声が悲しい。
ホテルに一人で泊まるのはオバケが怖いが、病院の個室は気分が沈んでいくのが怖かった。
さて翌朝は、待ちに待った朝食の時間。
看護師さんに「朝ごはん出るんですよね?楽しみー!」と言ったら「おいしいかどうかわかりませんけどね」と言われていた。
メニューは、塩鮭とこんにゃくとにんじんの煮物、それから味噌汁とご飯と牛乳。
ごく普通の病院食だが、これがものすごく美味しかった。
空腹感はあまり無かったものの、やっぱりお腹は空いていたので、味覚が研ぎ澄まされて、食べ物本来のおいしさがわかったのかもしれない。
たまには絶食もいいかも、、と思った入院生活だった。