奈良へ旅行に行ってきた。
奈良へ行くのは(高校の修学旅行を含めて)今回で三回目。
これまで奈良は、京都に行くついでに寄るという感じだったが、今回は奈良にだけ行きたかった。
奈良に行くぞ〜とばかり、事前にいそいそと奈良の行きたい場所を調べていたが、行ってみれば時間が足りず、行きたかった所の半分くらいしか行くことができなかった。
でも終わってみれば色々と思い出に残る良い旅だった。
一番の思い出は、多くの地元の方や同じ旅行者の方とたくさんお話ができたことで、一緒に行った家人に「なぜ初めて会った人と、昔からの知り合いのように喋れるのか?」と呆れられるほどだった。
いやいや、自分でもそう思う。
前はこんなに話すことはできなかったが、なぜか今回は違った。
最初はムスッとした怖い顔した方も、話し始めるとまったく違っていたり、最初からずっと昔からの知り合いのようにおしゃべりできる人がいたり、もっともっと話していたいのを無理に断ち切って、次の目的地へ向かうということが何度もあった。
ところで話しながら不思議な感覚になることがあった。
性別年齢に関係なく、この人もあの人も全部繋がっているという感覚。
そして目に見えている人たちが、ずっと昔から知っているかのように思えた。
私たち人間も、動植物も、自然も、大きな何かで繋がっているのだということは、頭の中でわかっていたが、こうして実際に感じたことは初めてだった。
さて肝心の観光だが、奈良では日本最古の道と言われる「山辺の道」を歩いて観光してみたかった。
ところが実際に行ってみるのと、地図で見るのとは大違い。
あまりの遠さとあまりの暑さに、歩き出してわずか200メートルほどで引き返して来た。
「こういう時は無理をせず、文明の力を使った方がいいよね〜」と言いわけしながら、冷房の効いた電車で時短。途中下車しながら観光してきた。
そして遂に、山辺の道のゴールに決めていた大神神社到着。
ここでも遠く離れたところにいた警備の方が突然駆け寄って来られて、大神神社の歩き方などをご親切にレクチャーして下さった。
大神神社とその周辺神社のことは、ほとんど調べていかなかったので、これは本当にありがたかった。
さて大神神社に参拝して、ふと見ると生卵と日本酒が幾つもお供えしてあって、日本酒はともかく、生卵なんて珍しいお供えだと思ったら、ここは蛇の神様だったと思い出した。
そのことを家人に話していたら、昨夜見た夢の映像が突然脳裏に浮かび、すっかり忘れていたが、それが蛇の夢だったことを思い出した。
夢の中で、胴体の直径が50センチくらいある大きな白い蛇が、目の前で動いていた。うねうねうねうね、、、
蛇さんの顔は見えなかったが、白い蛇の太い胴体が動く映像だけはっきりと思い出した。
実は私の最も苦手なものが蛇で、遠くから見ても鳥肌が立つほど怖い。
それが夢の中ではすぐ間近で見ているのだが、まったく怖くなかった。
実際に夢の中でも「この蛇は気持ち悪くも、怖くもないなぁ」と思っていた。
なんでも結びつけて思い込んではいけないと思いながらも、前日の蛇の夢は、吉夢のようでちょっと嬉しかった。
ところで連日30度の奈良から帰ってきたが、今日の気温は12度で雨も降っているのでとても寒い。暖房をずっとつけている。
そういえば、汗を拭いながら地元の方と話をした時のこと。
「暑いですね、この時期はいつもこれくらいなんですか?」と聞いたら「そうですねぇ、こんなもんです」とおっしゃった。
「そうですか、出てくる時は13度で、薄着だと寒いくらいだったから、余計に暑く感じます」と言うと、「えー13度ですか!それは羨ましい」とおっしゃっていた。
寒いのが羨ましい?とちょっと意外な気がしたが、暑さが続くとそう思うのかもしれない。
でも帰って来た今は暑いのが羨ましい。
13度が羨ましいとおっしゃっていたあの方にそう伝えに行きたい。
そして、町中で漂っていた懐かしい香りのする奈良へ、もう一度行ってみたいと思う。