196万PV達成!漫画史研究家・本間正幸監修【少年画報大全】(少年画報社・現在三刷)更新復活

【20世紀冒険活劇の少年世界】メトロポリス漫画総合研究所(since1997)から、昭和の映画、出版美術、音楽を!

追悼!辰巳ヨシヒロ先生。読売新聞マンガ50 年・劇画魂とは

2015-03-10 12:21:43 | 2001年夏「少年画報大全」(少年画報社)監修者への道
続いて2009年6月4日の記事の再録です。


6月2日から読売新聞朝刊でマンガ50年・劇画魂の連載記事が掲載されている。

6月2日(火)は劇画魂〓として(忘れられた男欧米が絶賛)
と題して劇画漂流を季刊紙である(まんだらけ)に12年間にわたり連載し、昨年末に青林工藝舎から出版した辰巳ヨシヒロ先生について。
辰巳ヨシヒロ先生は、今年の手塚治虫文化賞の受賞者である。

劇画漂流が何故まんだらけ出版ではなく青林工藝舎から出たのか?
その謎は、連載の仕掛け人である浅川満寛氏がまんだらけ編集部から、青林工藝舎へ移籍しているからだろう。
今回の画像は、私が所蔵する辰巳ヨシヒロ先生初期の単行本銃弾の街角である。扉に57-1の文字が見える。八興から日の丸まんが文庫としてB6上製128頁定価130円で発売された。
表紙は、辰巳先生ではなく、久呂田まさみ先生の絵である。

浅川氏と私は、2000年からの知り合いとなる。
浅川氏とは、いくつかのエピソードがあるのだが、それは又の機会に・・・
6月3日(水)劇画魂〓はさいとう・たかを先生。
(プロ根性 邪道を王道に)〓〓共に石田汗太記者。
6月4日(木)劇画魂〓は梶原一騎先生。(高度成長期の男の美学)
少年サンデー少年マガジン大同窓会のパーティー会場で御逢い出来た中城健先生と梶原一騎先生とのエピソードが紹介されている。
中城先生との対面やパーティーの様子については、3月18日の私のブログ少年サンデー少年マガジン50thにて紹介してあるので、興味のある方は御覧下さいね。
中城健先生は、昨年亡くなられた関谷ひさし先生のアシスタントをしていたことがあり、私が関谷ひさし先生を御訪ねした時、少年画報大全での中城健先生のインタビュー記事を見た関谷先生から
中城健は、元気かい?
と気遣われていたことが思い出される。

記事執筆は小梶勝男氏。

毎日新聞、読売新聞の記者が共に劇画についての記事を書いていることを考えると、4月18日の劇画誕生50年を祝う会の参加者は、正に少数精鋭だったといえるだろう。
漫画史にとって、劇画の登場は非常に重要な出来事なのに、最近の研究者は、エロ劇画は研究しても、純粋な劇画にはあまり興味を示さないから不思議である。私は、漫画史研究において、劇画の歴史には非常に興味あるが、エロについては、大勢いるエロ大好きの研究者達にまかせることにしたいと思う。
私は、エロや萌え系マンガを読んだり研究するよりも、生身の人間の綺麗でセクシーな女性と話しをする方が好きである。
エロマンガ系については、心からエロマンガを愛するオタクや研究者達には、あらゆる意味でとても敵わないのだ。

【漫画の匠】
http://www.manganotakumi.com
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追悼!辰巳ヨシヒロ先生。第13回手塚治虫文化賞と歴代作品

2015-03-10 12:14:33 | 手塚治虫の漫画とアニメ・特撮の世界と音楽
辰巳ヨシヒロ先生が亡くなられた。
テレビ朝日の「徹子の部屋」を真似て、私の過去のブログ記事から、辰巳ヨシヒロ先生に関するものを再録したいと思う。
2009年6月6日の記事になります。

昨日は、第13回手塚治虫文化賞授賞式に参加しました。
贈呈式・記念イベントの式次第は


日時/18:00-20:00(17:30開場)
会場/浜離宮朝日ホール(朝日新聞東京本社内)
主催/朝日新聞社


贈呈式 18:00-18:45
主催者挨拶
朝日新聞社社長 秋山耿太郎
来賓・選考委員紹介
来賓祝辞 手塚 眞氏
選考経過報告 選考委員 永井 豪氏

賞の贈呈

マンガ大賞

(大奥・白泉社) よしながふみ氏

(劇画漂流・青林工藝舎)辰巳ヨシヒロ氏

新生賞

(パノラマ島綺譚・エンターブレイン)丸尾末広氏

短編賞

(聖☆おにいさん・講談社)中村 光氏


画像は、24頁の小冊子と記念のバッチなどの一式。


各受賞者のコメントは、各先生方の人柄が出ていて興味深かった。


10分の休憩後、続くトークショー18:55-20:00は

Part1 (よしながさんとここだけのおしゃべり)

よしながふみ氏(マンガ家)×三浦しをん氏(作家)

Part2 (手塚治虫と劇画)
呉 智英氏(評論家)×中野晴行氏(ライター・編集者)

となるのだが、例年のようにパーティで御馳走が食べれるとお腹を空かせてきた私は、少しガッカリ。
と思っていたら、贈呈式が終わり、パーティが無いことを知ると帰る人達がいた。
更によしながふみ先生と三浦しをん氏の対談が終わると、帰る人が続出したのには思わず苦笑い。
やはり評論家や編集者の話しには、みんなあまり興味が無いのだ。
それを壇上から見ていた毒舌で知られるインテリ呉 智英氏が笑顔で取り繕う姿には笑えた。
世間一般での自らの置かれている立場を知る良い機会となったことだろう。


お客様へお願い
ホール内での録音・撮影(携帯電話を含む)は固くお断りします。


となっていたので、残念ながらその模様はお見せ出来ない。
呉氏に対する中野晴行さんの仕草や話しは面白く、関西人独特のアクの強さも少ないので、関西人が嫌いという関東の人達でも中野さんなら大丈夫だろう。
私の席の後ろに座っていた女性グループは、中野さんの面白さに気付いたようだった。


今年の受賞作の内容については、4月19日(日)の朝日新聞に詳しく出ているので、私は、歴代の受賞作と受賞者(敬称略)を小冊子から紹介してみたい。

第1回(1997年)

マンガ大賞
(ドラえもん・小学館)
藤子・F・不二雄

マンガ優秀賞
(残酷な神が支配する・小学館)
萩尾望都

特別賞
内記稔夫
(現代マンガ図書館の設立と運営に対して)


第2回(1998年)

マンガ大賞
(坊っちゃんの時代・双葉社)
関川夏央 谷口ジロー

マンガ優秀賞
(ナニワ金融道・講談社)
青木雄二

特別賞
石ノ森章太郎
(マンガとマンガ界への長年の貢献に対して)


第3回(1999年)

マンガ大賞
(MONSTER・小学館)
浦沢直樹

マンガ優秀賞
(神童・双葉社)
さそうあきら

特別賞
夏目房之介
(マンガ批評の優れた業績に対して)


第4回(2000年)

マンガ大賞
(西遊妖猿伝・潮出版社)
諸星大二郎

マンガ優秀賞
(ドラゴンヘッド・講談社)
望月峯太郎

特別賞
フレデリック・L・ショット
(日本マンガを海外に広く紹介した功績に対して)


第5回(2001年)

マンガ大賞
(陰陽師・白泉社)
岡野玲子 原作・夢枕獏

マンガ優秀賞
(弥次喜多 in DEEP・エンターブレイン)
しりあがり寿

特別賞
丸山昭
(トキワ荘に集った多くの作家を育てた功績に対して)


第6回(2002年)

マンガ大賞
(バカボンド・講談社、原作・吉川英治、宮本武蔵)
井上雄彦

マンガ優秀賞
(ベルセルク・白泉社)
三浦建太郎


*マンガ優秀賞に代わり、新生賞、短編賞を新設

第7回(2003年)

マンガ大賞
(黄色い本 ジャック・チボーという名の友人・講談社)
高野文子

新生賞
作・ほったゆみ 画・小畑 健
(ヒカルの碁・集英社)で囲碁という新たな題材に挑み、大きな反響を呼んだことに対して

短編賞
いしいひさいち
(現代思想の遭難者たち・講談社)(ののちゃん・朝日新聞朝刊連載)など一連の作品に対して

特別賞
水木しげる
(独創的な画業と長年の活躍に対して)


第8回(2004年)

マンガ大賞
(ヘルタースケルター・祥伝社)
岡崎京子

新生賞
もりもと崇
(難波どら異本・少年画報社)で、江戸時代の遊女の世界と現代感覚を融合させた表現に対してか

短編賞
秋月りす
(OL進化論・講談社)など一連の作品に対して

特別賞
みなもと太郎
(歴史マンガの心境地開拓とマンガ文化への貢献に対して)


第9回(2005年)

マンガ大賞
(PLUTO(プルートゥ)・小学館)浦沢直樹・手塚治虫作 長崎尚志プロデュース 手塚眞監修 手塚プロダクション協力

新生賞
こうの史代
(夕凪の街 桜の国・双葉社)で、原爆の悲劇を戦後の日常の中に静かに描き出した清新な表現に対して

短編賞
西原理恵子
(上京ものがたり・小学館)、(毎日かあさん・毎日新聞連載)に対して

特別賞
川崎市市民ミュージアム
(江戸から現代までのマンガ作品・資料の収集および企画展示などに対して)


第10回(2006年)

マンガ大賞
(失踪日記・イースト・プレス)
吾妻ひでお

新生賞
ひぐちアサ
(おおきく振りかぶって・講談社)で野球マンガに新たな表現の可能性を示したことに対して

短編賞
伊藤理佐
(女いっぴき猫ふたり・双葉社)、(おいピータン!!・講談社)、(おんなの窓・週刊文春連載)など一連の作品に対して

特別賞
小野耕世
(長年の海外コミックの日本への紹介と評論活動に対して)


第11回(2007年)

マンガ大賞
(テレプシコーラ・メディアファクトリー)
山岸涼子

新生賞
(神聖喜劇・幻冬舎、原作:大西巨人)
漫画:のぞえのぶひさ 企画・脚色:岩田和博
(軍隊生活を描いた重厚な原作を、精緻な作画により異色のマンガとして完成させた業績に対して)

短編賞
(大阪ハムレット・双葉社)
森下裕美
(庶民を主人公にした心温まる人情ドラマの創作に対して)


第12回(2008年)

マンガ大賞
(もやしもん・講談社)
石川雅之

新生賞
島田虎之介
(トロイメライ・青林工藝舎)で、レトロモダンな画調の上に多彩な挿話を一つの物語へ構成した清新な表現に対して

短編賞
(グーグーだって猫である・角川書店)
大島弓子
(愛猫との日常を通じて生と死の深奥なテーマを描き出した成果に対して)

特別賞
大阪府立国際児童文学館
(貴重な資料となるマンガや児童書の収集と、こども文化の総合的研究などの四半世紀に及ぶ活動に対して)


私は、第3回から第10回、そして今回3年振りに第13回授賞式に参加しました。(去年、一昨年は添乗員の仕事で一週間北海道へ添乗していました。)
いつも気になるのは特別賞受賞者です。

特別賞は、純粋な漫画家の先生方以外でも受賞出来るので、歴代の受賞者・受賞施設を見てみると、努力が報われた人、なんでこの人がという人、なぜ米澤嘉博さんが受賞出来なかったのか?など様々な問題を含んだ賞だといえます。
受賞を機に更に精進を続けている丸山昭さんのような立派な人がいれば、特別賞受賞後、悪代官のごとく君臨し、悪事を重ねているため評判の悪い人まで様々です。
特別賞を受賞した人達全てが、名実共に手塚治虫文化賞の名に恥じない人達であって欲しいものですね!


手塚治虫文化賞
Tezuka Osamu Cultural Prize

日本のマンガ文化の発展、向上に大きな役割を果たした手塚治虫氏の業績を記念し、手塚氏の志を継いでマンガ文化の健全な発展に寄与することを目的に、朝日新聞社が1997年に創設しました。

【漫画の匠】
http://www.manganotakumi.com
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