196万PV達成!漫画史研究家・本間正幸監修【少年画報大全】(少年画報社・現在三刷)更新復活

【20世紀冒険活劇の少年世界】メトロポリス漫画総合研究所(since1997)から、昭和の映画、出版美術、音楽を!

遂に訪問者累計21 万人達成! 漫画史研究家に今、出来る事とは?

2013-05-10 00:55:14 | 「不思議な国のプッチャー」「オオ!市民諸君」追悼!横井福次郎先生
在野にいる一介の漫画コレクターに過ぎなかった私が、1997年にマンガ喫茶メトロポリスを開業し、2001年に【少年画報大全】を監修した頃より、出版界でもマンガ評論家の存在は時代遅れとなり、漫画史研究家による実証的なアーカイブ構築の必要性が徐徐に識者の間でも求められるようになってきたのではないだろうか?

Googleで漫画史研究家を検索すると、ここ数年目立った活動記録の見当たらない私、本間正幸の名が今までの実績と共に出てくるのだから、その期待値の高さには驚くばかりであり光栄にも感じている。
在野にいる数少ない漫画史研究家である私がブログを始めたのが2009年3月。

エロや批判、批評、論争を好む漫画評論家と似て非なる志、矜持の下、昭和時代の少年少女マンガ史の実証的な資料に基づく研究にこだわり続けた地味な漫画史研究家のブログでも、継続は力となり、gooブログの訪問者の累計が2013年4月28日(日)で21万人、閲覧数の累計が2013年4月28日(日)で73万に達した。

ブログからTwitter、facebookと言った、ソーシャルネットワークの急速な発達により、一億総評論家時代が到来。
実証的な研究成果を発表する数少ない漫画史研究家の矜持と、現物の資料には当たらず、引用、孫引き、あげくは変節に明け暮れる上から目線の漫画評論家たちの矜持、品性及び人間性の違いが謀らずも白日の下に晒されることが日常茶飯事となった。
ネット上、素人とプロの実力差が殆んど区別のつかない有象無象の漫画評論家たちの痛いブログよりも、実際の資料の添付がある素人の純粋な漫画好きのブログの方が圧倒的にアクセス数が多くなるようだ。
漫画評論家たちの過去の無責任な発言や、トラブルによる変節ぶりさえ一目瞭然、全ての検索が容易となった。
最新のソーシャルメディアを利用しながら、その特性を充分理解し得なかった今日の漫画評論家たちの権威、影響力の凋落は、無責任な日々の発言や、安易な仕事の積み重ねが招いた因果応報であり自業自得。
身内贔屓で公平さを欠く発言の数々は、その著書の多くが殆んど売れず、数年で絶版の憂き目にあっていることでも一目瞭然。
新たなマンガ出版の需要喚起には、殆んど役立ってはいないのが現実だ。

私は、2001年夏の【少年画報大全】監修時から、昭和時代の少年少女漫画史を飾る名作群のアーカイブ化をいち早く提唱し続けた。

2013年となり、映画のアーカイブに続き、漫画のアーカイブも電子書籍化によってやっと進んでいくような気がする。

日本の漫画史を語る上で、最重要と思われる作品の復刻は近年徐徐に進んでいる。
これからは、少女マンガ史のアーカイブ化も必要だと皆、気付くことだろう。
幸いにも私が昭和時代の少女漫画の重要性にも気付き、本格的に保存収集を開始したのが2000年前後。
古書市場において、戦後の少女漫画を収集するコレクターはまだ少なく、古書価格も手頃だったので、私の好きな手塚治虫、上田としこ、倉金章介、わたなべまさこ、ちばてつや、水野英子、今村洋子、望月あきら、東浦美津夫、花村えい子、巴里夫などの単行本や雑誌の附録なども皆、買い放題だった。(*´∀`)♪
但し、楳図かずおや、松本零士など少年漫画で実績を残した大御所漫画家のファンは多かったため、既に高額で取引されていた。
私の漫画史研究のメインの目的は、戦後の少年漫画史研究であり、河島光広先生の【ビリーパック】、桑田次郎先生の【まぼろし探偵】、武内つなよし先生の【赤胴鈴之助】を擁する、名実共に月刊少年雑誌時代の王者・少年画報とその前身となる冒険活劇文庫が創刊された時代背景とその時代性を社会学的に検証することにある。
更に同時代の映画や音楽、アニメーションやラジオ、テレビ番組、街頭紙芝居、絵物語も研究対象に含まれるのだから守備範囲は広い。
そんな中、幸いにも極端にコレクターの少なかった少女漫画の原本収集は、余力で出来た。

さて、今年は私の漫画コレクターとしての原点でもある筑摩書房の少年漫画劇場と、桃源社の冒険活劇大ロマンで取り上げられた作品群の再検証もしてみたい。
近年流行りの漫画評論家たちは、手塚治虫や石森章太郎、藤子不二雄などの特定の作者の作品内における細かい表現方法についてのみ語る傾向が強い。
孫引きや記憶からなる漫画表現についての誰も読まない評論を発表するより、映画史研究のように社会学的な広い視野に立ち、当時の実物の資料に基づいて実証的に漫画やアニメ界全般の歴史を検証出来る漫画史研究家としての特性を今こそ十分に発揮していきたいと思う。

漫画史研究の基礎作業となるデータ作りや、原本の収集確認により復刻されるべき名作を選別出来る若き感性を備えた漫画史研究家、その第一人者たるべき人物の長き不在は、漫画界全体の衰退をも招いているようだ。
石子順造さん亡き後、漫画界全体の期待を一身に背負い、名実ともに第一人者としての道を歩み続けていた米澤嘉博さんの急逝。
その後継者たるべき力量を備えた漫画史研究家が不在ならば、先人が遺した研究の成果を踏まえて、昭和時代の少年少女漫画史を私が再検証していこう。


筑摩書房【少年漫画劇場】全12巻

1.冒険活劇/

【少年王者】山川惣治
【大平原児】小松崎茂

2.冒険活劇/

【沙漠の魔王】福島鉄次
【コックリくん】塩田英二郎
【ロボット三等兵】前谷惟光

3.空想科学/

【来るべき世界】手塚治虫

4.空想科学/

【ふしぎな国のプッチャー】横井福次郎
【鉄腕アトム】手塚治虫
【鉄人28号】横山光輝

5.時代劇/

【猿飛佐助】杉浦茂
【あんみつ姫】倉金章介
【カンラカラ兵衛】原一司

6.時代劇/

【赤胴鈴之助】武内つなよし
【さいころコロ助】益子かつみ
【死神剣士】白土三平

7.探偵推理/

【ビリーパック】河島光広
【朱房の小天狗】うしおそうじ
【ケン一探偵長】手塚治虫
【月光仮面】桑田次郎

8.西部劇/

【サボテン君】手塚治虫
【弾丸トミー】杉浦茂
【死神小僧】白土三平

9.スポーツ/

【バット君】井上一雄
【イガグリくん】福井英一

10.スポーツ/

【ダルマくん】田中正雄
【ジャジャ馬くん】関谷ひさし
【もうれつ先生】寺田ヒロオ

11.ユーモア/

【かば大王さま】新関健之助
【ポストくん】馬場のぼる
【ブウタン】馬場のぼる
【ポコタン】馬場のぼる

12.奇想天外/

【冒険狂時代】手塚治虫
【ピストルボーイ】杉浦茂
【キャラメルはしょっぱいこともある】馬場のぼる


井上一雄先生の【バット君】電子書籍化の解説執筆に伴い、原本や初出などのデータを全て再確認したところ、信頼したい書籍であった【現代漫画博物館】のデータベース部分での誤りの多さに唖然とした。

この書籍が編集、発売される際、私のところには一切声がかからなかったので、私は一切関与していないし、記載されている作品のデータベースなど、私が独自に作成した信頼に値する実証的なデータベースがあったので、最初少し斜め読みだけしたまま何年も放置したままだった。

少年漫画劇場をお持ちのみなさんならお気付きのことだと思うが、解題や評論のベースとしているデータに誤りが多い。
35年前に小学生だった頃、既にその事実に気付いていた私は、原本や初出をベースに実証的なデータ作りの必要性を痛感していたので、独自の正確なデータベース作りに成功している。

確認の意味で、現代漫画博物館に記載されている【バット君】や【河童の三平】を見ただけで、その解説やデータの誤りの多さが目についたのだ。
少年漫画劇場出版以降、データの引用や孫引きばかりで原本の入手や掲載誌の初出確認を怠ってきた実証的でない漫画評論家たちのいい加減な仕事ぶり、数十年に渡る進歩のなさをこれからの漫画史研究の発展の礎となるよう私が確認し気付いた分だけでもこれから指摘して訂正したいと思う。
コメント
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