見てきました
サントリー美術館
会期は2013年4月17日から2013年6月16日。
「もののあはれ」
平安文学などでよく聞く言葉。
なんとな~くなら意味は理解しているつもりだったけど。
いざ文章にしようと考えると難しい。。。
その概念を改めて取り上げたのが本居宣長と言われています。
「もののあはれ」一般に人の感情が物事に触れて動くのはすべて「あはれ」である。
だから人の感情が深く動く事を、すべて「物のあはれ」というのである…
と。
なんか深~い(気がする)
感動したり、心が動かされたり。
そういった事象すべてが「もののあはれ」なんですね。
今回、展示期間が9回に分かれています。
私が行ったのは4期目。(5/8~5/13)
展示期間がすごく短い作品も多数ですので、見たいものがあったら事前に調べてから行くことをオススメします。
また展示の構成は第一章から第八章まで。
「多い!!」って思いましたが、実際は1つの章に数点しか展示のない章もあります。
「寝覚物語絵巻」
国宝です。
菅原孝標の女の作と伝えられる「夜半の寝覚」を題材とした絵巻。
「夜半の寝覚」は、姉の夫や冷泉帝に愛された寝覚の上の生涯です。
まず、紙が美しい。
雲母をひかれた紙が素晴らしいです。
絵も金や銀の箔で彩られ艶やか。
「紫文要領 橋本」
重要文化財です。
「紫文要領」は国学者・本居宣長の著書。
この中で「もののあはれ」について提唱しています。
すっごくきれいな字で書かれているわけでもないし、いい紙を使っているとかでもないのですが、この展示にはなくちゃならないものですね。
「源氏物語図 浮船」
最近、源氏物語絵巻を見る機会が多いのですが、浮船が一番多い気がする。
匂宮が浮舟を連れて宇治川を渡る場面が描かれています。
この情景、そろそろ見飽きた。。。と思いつつも浮船でこれが描かれなかったら私には分からないんだろうな。。
土佐光起筆「清少納言図」
以前にも描きましたが、私は紫式部より清少納言派(笑)
これは「香炉峰の雪」の話になり清少納言が御簾をあげるところが描かれています。
清少納言図では一番有名なものかな。
このエピソードは清少納言と中宮定子の和やかな様子が伝わってきて好き。
「西行物語絵巻 白描本」
西行の人生を描いた作品です。
西行は23歳のときに出家し諸国行脚をしながら仏道と和歌に半生を費やしました。
展示されていた場面は出家するシーン。
元々は北面の武士だった西行。
友人の死をきっかけに出家します。
その際、妻を捨て、家の縁側で娘をけり落とすのです。。
まさにそのシーンが描かれていました。
なんだかかわいそうだよ。。
桜の和歌のイメージが強かっただけにちょっとショック。
「八橋蒔絵硯箱」
表は伊勢物語の八橋図、蓋裏と内部は柳。
西行の歌がモチーフのとても美しい蒔絵。
細部まで丁寧でうっとり見ていられる作品。
展示途中には月齢(月の満ち欠け)の呼び名を記したパネルがありました。
月を明かりで照らしていて、映像を見ているような展示になっていました。
丁寧でまた凝っていて伝えようという心意気が伝わってきます。
「秋草鶉図屏風」
秋草=すすきなのですが、まだ緑色のすすきです。
一面のすすき野原の中に鶉の親子が描かれています。
子どもの鶉が頼りなげな感じがかわいらしい。
秋というよりまだこれから成長していくような強さを、夏イメージのする作品です。
「宇治川蛍蒔絵文台・硯箱」
思わず気持ち悪い、といいたくなってしまう作品。。
真っ黒な蛍が赤い灯をともして大量に飛んでいる図です。
うん、、、
鏑木清方「桜もみぢ」
女性が2人描かれています。
姐さんかぶりで腰を下ろす女性と駕籠に乗った女性。
どちらの女性からも憂いを感じます。
同じ美人画でも松園の描く女性はまっすぐで強いイメージがあるのですが、清方は儚げで弱く見えます。
男性視線と女性視線の違いかなぁ。
どちらも好きですが。
とても癒される展示でした。
ただ、テーマがちょっと広かったかも。。
「あはれ」を感じる心を大切にして日々生きていけたらなぁって思います。
ブログランキングよかったらお願いします
サントリー美術館
会期は2013年4月17日から2013年6月16日。
「もののあはれ」
平安文学などでよく聞く言葉。
なんとな~くなら意味は理解しているつもりだったけど。
いざ文章にしようと考えると難しい。。。
その概念を改めて取り上げたのが本居宣長と言われています。
「もののあはれ」一般に人の感情が物事に触れて動くのはすべて「あはれ」である。
だから人の感情が深く動く事を、すべて「物のあはれ」というのである…
と。
なんか深~い(気がする)
感動したり、心が動かされたり。
そういった事象すべてが「もののあはれ」なんですね。
今回、展示期間が9回に分かれています。
私が行ったのは4期目。(5/8~5/13)
展示期間がすごく短い作品も多数ですので、見たいものがあったら事前に調べてから行くことをオススメします。
また展示の構成は第一章から第八章まで。
「多い!!」って思いましたが、実際は1つの章に数点しか展示のない章もあります。
「寝覚物語絵巻」
国宝です。
菅原孝標の女の作と伝えられる「夜半の寝覚」を題材とした絵巻。
「夜半の寝覚」は、姉の夫や冷泉帝に愛された寝覚の上の生涯です。
まず、紙が美しい。
雲母をひかれた紙が素晴らしいです。
絵も金や銀の箔で彩られ艶やか。
「紫文要領 橋本」
重要文化財です。
「紫文要領」は国学者・本居宣長の著書。
この中で「もののあはれ」について提唱しています。
すっごくきれいな字で書かれているわけでもないし、いい紙を使っているとかでもないのですが、この展示にはなくちゃならないものですね。
「源氏物語図 浮船」
最近、源氏物語絵巻を見る機会が多いのですが、浮船が一番多い気がする。
匂宮が浮舟を連れて宇治川を渡る場面が描かれています。
この情景、そろそろ見飽きた。。。と思いつつも浮船でこれが描かれなかったら私には分からないんだろうな。。
土佐光起筆「清少納言図」
以前にも描きましたが、私は紫式部より清少納言派(笑)
これは「香炉峰の雪」の話になり清少納言が御簾をあげるところが描かれています。
清少納言図では一番有名なものかな。
このエピソードは清少納言と中宮定子の和やかな様子が伝わってきて好き。
「西行物語絵巻 白描本」
西行の人生を描いた作品です。
西行は23歳のときに出家し諸国行脚をしながら仏道と和歌に半生を費やしました。
展示されていた場面は出家するシーン。
元々は北面の武士だった西行。
友人の死をきっかけに出家します。
その際、妻を捨て、家の縁側で娘をけり落とすのです。。
まさにそのシーンが描かれていました。
なんだかかわいそうだよ。。
桜の和歌のイメージが強かっただけにちょっとショック。
「八橋蒔絵硯箱」
表は伊勢物語の八橋図、蓋裏と内部は柳。
西行の歌がモチーフのとても美しい蒔絵。
細部まで丁寧でうっとり見ていられる作品。
展示途中には月齢(月の満ち欠け)の呼び名を記したパネルがありました。
月を明かりで照らしていて、映像を見ているような展示になっていました。
丁寧でまた凝っていて伝えようという心意気が伝わってきます。
「秋草鶉図屏風」
秋草=すすきなのですが、まだ緑色のすすきです。
一面のすすき野原の中に鶉の親子が描かれています。
子どもの鶉が頼りなげな感じがかわいらしい。
秋というよりまだこれから成長していくような強さを、夏イメージのする作品です。
「宇治川蛍蒔絵文台・硯箱」
思わず気持ち悪い、といいたくなってしまう作品。。
真っ黒な蛍が赤い灯をともして大量に飛んでいる図です。
うん、、、
鏑木清方「桜もみぢ」
女性が2人描かれています。
姐さんかぶりで腰を下ろす女性と駕籠に乗った女性。
どちらの女性からも憂いを感じます。
同じ美人画でも松園の描く女性はまっすぐで強いイメージがあるのですが、清方は儚げで弱く見えます。
男性視線と女性視線の違いかなぁ。
どちらも好きですが。
とても癒される展示でした。
ただ、テーマがちょっと広かったかも。。
「あはれ」を感じる心を大切にして日々生きていけたらなぁって思います。
ブログランキングよかったらお願いします