RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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絵画の時間 -24のエピソード

2014-09-12 21:30:00 | 美術
見てきました

ブリヂストン美術館

会期は2014年8月2日から2014年9月23日。

今回は絵画の時間。
絵画作品に見える時間に注目し、24のエピソードを紹介するという展示です。
ブリジストン美術家のコレクション展ですので、何度も見たことあるものばかりなのですが……
数点、さらっと取り上げます。

レンブラント・ファン・レイン「聖書あるいは物語に取材した夜の情景」などいつものように光と影の強い作品。
オノレ・ドーミエ「山中のドン・キホーテ」
馬の表情までなんとなく暗く見えてきます。
空はほのかに明るい。
ドン・キホーテはドーミエが晩年熱心に描いたテーマでした。
ジョージ・スミス「婦人像」
本を読む女性を描いた作品。
衣服の絹の艶やかさまで伝わってきます。

カミーユ・コロー「ヴィル・ダヴレー」
言わずもがな。
私の大好きな作品です。

ウジェーヌ・ブーダン「トルーヴィル近郊の浜」
ブーダンはいったいどのくらいこういった浜辺を描いた作品を残したのでしょうか。
ここ最近見ることが多くて……
こちらも水平線が構図のポイント。
浜辺にはおしゃれをした男女がいっぱいです。

エドゥアール・マネ「自画像」
左足に重点を置き立っている自画像。
今回の展示"絵画の時間"ですので。。
時間に重点をおいて見てみると、この作品が書かれたのはマネが46-47歳ごろ。
この作品はジャケットのボタンの向きなどから鏡に映った姿を描いたものとされています。
最大のポイントは足。
マネは左足が壊疽にかかり、晩年切断をします。
この時期はその痛みが始まったころ。
左足に重点をおいて立つことなどできないのです。
マネは51歳でなくなりました。

アルフレッド・シスレー「レディーズ・コーヴ、ウェールズ」
厚いマティエールで岩に砕ける波が描かれています。

ピエール=オーギュスト・ルノワール「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」
ブリヂストン美術館の看板娘。
何度も見てるし、「絵画の時間」とどう関係あるのか、、、と思いつつも書く。笑
椅子に座ってこちらを見るかわいらしい少女。
当時、経済的に困窮していたルノワール。
彼を援助していたのが少女の父で実業家のジョルジュ・シャルパンティエ。
ルノワールはジョルジュ家の肖像を7点描いていますが、これがさきがけとなります。
一連の肖像画の受注により、ルノワールの生活はだいぶ楽になったのだとか。
さて、描かれている少女ですが、最初の結婚は16歳のとき。
(最初ってことは何度かしているんですね。。。)
その際に両親からこの作品をプレゼントされ、亡くなるまで手元に置き続けました。

クロード・モネ「黄昏、ヴェネツィア」
描かれているのはサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂。
水面には黄昏時の燃えるような空と建物のシルエットが反射しています。
滞在していたホテル・ブリタニアのテラスからの景色。
モネがヴェネツィアを訪れたのは67歳のとき。
健康状態と視力の減退に悩まされていたため、当初の目的は静養でしたが、水の都の光に魅せられ制作に没頭しました。
そこで「甘美な時間」を過ごしたとの言葉を残したモネ。
再訪を誓ったモネですが、その望みは叶いませんでした。

アルベール・マルケ「道行く人、ラ・フレット」
青灰色のセーヌに霞がかった対岸の木々。
水面には木々の陰が映りこんでいます。
堤防には歩く小さな人物。
タイトルからは人物がメインのように感じられますが、景色のほうが大きく目がいってしまいます。
そこから逆にこの人物はどんな人なんだろう、なぜ一人で歩いているのか、など気になってしまいました。

ラウル・デュフィ「オーケストラ」
デュフィらしい線の踊る作品。
この作品には"ピエール・ニコロへ"と書かれています。
ピエール・ニコロはデュフィの多発性関節炎の治療にあたったドクター。
そして友人兼パトロンとしてもデュフィを支えた人物でした。

小出楢重「帽子をかぶった自画像」
帽子をかぶりスーツを着、手には絵筆を持った自画像。
室内も洋風のもので飾られています。
このとき37歳。
全身を描いた唯一の自画像です。

安井曾太郎「安倍能成君像」
安倍能成は、哲学者・教育者、また夏目漱石の弟子としても知られる人物。
描かれた当時は学習院院長でした。
モデルの安倍のほうが5歳年長でしたが、住まいが近かったこともあり気心の知れたお気に入りのモデルだったようです。
これはそんな安倍を描いた3作品目。
安倍の「古稀」のお祝いとして、教え子である第一高等学校の有志より贈られたもの。
満69歳を迎えた安倍が、夏休みを利用して湯河原の安井のアトリエを訪れ、約1週間モデルを務めました。
その後、モデルなしで加筆修正が加えられ、翌年の春頃完成。
安倍の手元に届いた頃は初夏でした。
そしてこの作品は完成作としては安井が描いた最後の肖像画となりました。

以上になります。
なんども見ている作品だらけ。
でもいいものは何度見てもいいんだなぁ。
まるこ



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