MELANCOLICO∠メランコリコ!

ゆめと心理と占いのはなし
Por donde, amor, he de ir?
 Rosalia de Castro

ヘルパー

2011-09-13 21:02:31 | 日記
ある教会で友人を偲ぶ集まりがあって、そこで、7,8年前に知り合ったペルー人女性と再会した。彼女は夫が日系人で、夫や幼い子供と共に来日して、工場でのきつい労働も経験してきた。日本での出産も経験している。でも、初めて会ったころは「もうペルーに帰りたい」と、いつも泣きそうだった。日本に来てから夫がとても自分勝手になったこと、日本語が話せず、本来の自分らしさを発揮した人づきあいとかができないことで、とても悩んでいたのだ。

でも、それからたしか3年くらいして、久しぶりに会ったら、「ヘルパーになった」とうれしそうに話し出した。ぼくは、ほどんど日本語が話せなかったのに何でヘルパー資格がとれたのか不思議で、「え? どうしてとったの?」って聞いたら、「ヘルパーの資格があることを知って、それから1年間、睡眠時間3時間にして日本語勉強したんだ。みんな寝静まってから漢字、いっぱい覚えたよ」と、かなり流暢な日本語で答えた。「あんなに日本、嫌ってたじゃん」って言うと、「あのときはね。でも、あたしなんかでも、日本は勉強するといろんな可能性がある。それ知ってから日本が好きになった。パートで行ってた施設では、それまで『おい』とか『きみ』とか呼ばれてたのに、今は『○○○さん』だよ」って大声で笑った日のことを、ぼくは今でも鮮烈に覚えている。

今は、さらに上の資格を取ったらしい。そして、何となく自信に満ちて身なりもとても日本人っぽくなっていた。仕事するって、人間が生きるうえで本当に大事なことなんだなって思った次第だ。フロイトの言った人生で大切なこと、「愛することと、働くこと」は、本当に生きることの本質を言い当てているような気がした。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿