意味ある偶然

ふとしたことから急接近した女性がいる。別に恋愛したとかいう話しではない。でも、彼女とは10年近く顔見知りだったけど、会えば挨拶する程度で、それ以上に距離が縮まらない感じの人だった。もちろんぼくの対応も悪かったんだと思うけど、彼女もなかなか壁の高い人だったのは事実だ。

でも、2人の間には共通の知り合いが少なからずいて、長い時間のうちに少し言葉を交わす機会も増えてきた。そして、彼女がある日、ぼくをあるグループの飲み会に誘ってくれた。忙しかったけど、たぶん彼女とのこのちょっと重苦しい距離を変えるにはこれが始めで最後の機会かなって感じたので、無理して行くことにした。人みしりや対人恐怖がゼロのぼくが、その飲み会に行く日に朝から下痢をした。神経性のものだと思った。

で、飲み会で盛り上がったこともあって、帰りは参加していたご主人ともお話しができた。10年ってあまりに長い時間だと思うけど、それだけのダラダラした時間があって初めて可能な人間理解もあるのかもしれないし、10年掛ける出会い方もあるんだと納得した。意外と2人の間には共通点があったことも面白かった。ある場所で偶然に知り合っていたこと、ずっと距離が変わらなかったこと、そして急にお互いの自己開示を少しできたことがぼくにとって大きな意味を持つような気がしてならない。