デッド・エンド

つまようじを商品棚のスナック菓子に挿入した少年がユーチューブに動画投稿しながら逃亡している。すでに2度少年院に入っていることや、自分は少年法で守られているんだといったことをを音声で入れているけど、彼がここまで来るのに何があったのか興味が湧いた。

橋本駅だと思われる駅で、携帯だと思われるツールで駅のホームから街並みを撮りながら、彼は「これからどうしましょうかね」といろいろ独白している。そこに無造作に映されている風景には、手前に2本の線路が終わっている電車の車止めがあって、その向こうに、近景にマンションが何棟か建つ東京郊外の街並みがあった。

意識的にそうした風景を撮ったのかどうかはわからないけど、「逃げる」と言いながら自分の居場所を教えている彼の心象風景はぴったりそれだったのだろう。自分の人生が行き詰っている、普通の人たちが生活しているところへ入っていけないといったことだ。

彼が17歳から2度も入った少年院での更生って何をどうやっていたんだろうかって思った。