MELANCOLICO∠メランコリコ!

ゆめと心理と占いのはなし
Por donde, amor, he de ir?
 Rosalia de Castro

Amy Winehouse

2011-07-28 04:02:52 | 日記
ワインハウスが死んだ。27歳という年はジャニス・ジョップリンやジミー・ヘンドリックスの死んだ年でもある。彼女は16歳で演劇学校を放校になり、その後歌手としての才能に目覚めていった。ブルースっぽい感覚、ソウルっぽい歌い方はビリー・ホリデーの再来と言われ、自分でもその影響を否定しなかった。外見的にはレディ・ガガを彷彿とさせるものがあるけど、ガガがマドンナの健康的な部分を引き継いでいるのに対し、ワインハウスはひたすらビリー・ホリデーの病んだ部分を追いかけていたような気がする。

2008年以降、彼女は何度もコンサートで歌えなくなり、ブーイングでステージを追われたこともあった。すべては薬物摂取がコントロールできなくなった結果だった。youtubeに彼女の「薬物before and after」というビデオがあるけど、少女時代の本当に愛らしい笑顔と、薬物に手を染めた後の彼女のとりつかれたような顔の落差がとても衝撃的だ。

彼女は何度も薬物中毒専門病院に入退院を繰り返した。自分でも辛かったんだろう。でも結局、薬物中毒は逆耐性ができるので、退院後にも薬物を完全に断つという長い戦いが待っていて、彼女はそれに勝てなかった。薬物中毒者の周囲は、中毒期に‘健康的’な仲間が愛想を尽かして去ってしまっているケースが多いので、病院から出てきても、すぐに元の木阿弥になることが多い。ぼくの友人もそうだった。

ワインハウスが薬物に求めたものはなんだったのだろうか。敬虔なユダヤ教徒の両親のもとに生まれたことが影響しているのだろうか。成功して手に入れたお金が彼女を狂わせたのだろうか。直接的には夫から薬を教えられたことがきっかけだったらしいけど、そんな男と結婚したこと自体、彼女の側に何か埋めるべき暗闇があったからだろう。とまれ、天国で平穏な日々が彼女に訪れることを祈りたい。だいぶ前、彼女の歌うWill you still love me tomorrow? を聴いたとき、涙が流れた。ひとこと葬送の言葉があるなら、I love you till I die だ。

http://www.rtve.es/noticias/20110723/amy-winehouse-hallada-muerta-su-domicilio/449722.shtml

最新の画像もっと見る

コメントを投稿