facebookでこの一年よく使った言葉をビジュアルに分かりやすく表示させる無料アプリがはやっているみたいだけど、こうした診断アプリ利用はいわばいきなり住みこみ家政婦さんを一週間ほど家庭内に入れるようなもので、とうぜん個人情報やデータはほぼ抜かれてもしかたないと覚悟すべきだ。もちろん善意にあふれ使命感の強い家政婦さんもいるわけで、困難な時期を助けられることの方が多いのだろうけど、みんながみんなそうだとは限らないというリスクはわきまえないとならない。
ぼくのfacebookに診断アプリが登場するようになってもう1、2年は経つのではないかと思うけど、面白くない?って訊かれれば反論できない構成になっていて、疑問を持たないで利用する人の気持ちがわからないではない。でも、今回のようにこの一年に自分でよく使った言葉を集計させるようなアプリ使用は、早い話、facebookのサーバーにある個人領域への入場を他人に許しちゃうわけで、こんなに危ない話はない。
人によってはfacebookを始めること自体が究極の個人情報暴露だから、こんな診断アプリの是非を言っても意味ないっていう人も多い。facebookを始めると、もう名前も忘れている人のプロフィール写真が突如モニターに現われたりして、この時点でfacebookというアプリが只者ではないという恐怖を感じて止めてしまった人も少なくないはずだ。ネット上の便利さは、自分の情報を開示することと表裏一体なのだ。
facebookとそれを利用するアプリ提供業者の責任や義務の関係がどうなっているのかわからないけど、この診断アプリというのは危なすぎるような気がする。診断アプリを利用する際に、こうした個人情報の抜き取りや利用に関して触れている約款が見られるようになっているというけど、きっと生命保険の約款と同じで、すごく分かりにくく載せてあるのだろう。
ひとつ気付いたことに、自分のfacebookでの範囲だけど、この診断アプリの利用者にはリア充していない人が多い。とくに摂食障害の傾向が強い人たちが多いように感じた。一見楽しそうなことにはすぐにノッてしまい、一見面倒なことはすぐに引いてしまうことが多い人たちだ。ぼくもリア充してないし、摂食障害的な傾向は少なからずみられるので、他人事ではなく、今はむしろ自分を戒めるような気分なんだけど、批判的なことは極力控えるのが暗黙のルールとなっている善意の人たちのfacebookでは、逆に「悪意のたくらみ」を持った他者の侵入がみえなくなるので気をつけたい。
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