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金融危機20年 ①不動産市場で何が・・・ 

2017-12-28 07:00:00 | 報道/ニュース

11月22日 おはよう日本


20年前の平成9年11月
山一証券や北海道拓殖銀行が相次いで破たん。
金融危機が起きた。
バブル崩壊後に生まれた巨額の不良債権が原因だった。
その後日本経済は長きにわたる低迷の時代に突入していく。
金融危機から20年。
大規模な金融緩和もあって株価は上昇。
そしていま不動産の価格は都心部を中心に値上がりしている。
銀座の地価は直近で3,890万(1㎡あたり)まで高騰しバブル期を超えた。
背景にあるのが
デフレ脱却を目指して日銀が続ける大規模な金融緩和である。
大量に供給されるマネーが不動産市場に流れ込んでいる。
不動産向けの新たな融資はこのところ大きく伸びている。
いま不動産市場で何が起きているのか。

11月 都内で開かれた不動産投資セミナー。
会場はサラリーマンや主婦などでいっぱいになった。
いま低金利で銀行から多額の融資を受け
投資目的でマンションを購入する人たちが増えているという。
(参加者)
「チャンスを逃したくない。」
「金利が安いですし
 いま1棟持っているのですが
 1棟じゃちょっと・・・。」
都内に住む30代の会社員の男性。
20室あるマンションを1棟所有している。
手元にまったく資金は無かったが
銀行から年収をはるかに上回る1億5,800万円を切りて購入できたと言う。
(会社員)
「銀行は融資に積極的。
 自分の資金をいっさい使わずに購入できたということはひとつの安心感。」
ローンの返済分を差し引いても年間200万円の利益が出ていると言う男性。
銀行からさらに融資を受けて新たな不動産に投資することを考えている。
(会社員)
「いい物件があればぜひ購入したい。」
活発な不動産投資によって
首都圏では新築マンションの価格がバブル期に匹敵する水準まで高騰している。
不動産投資はいまや国内だけでなく海外にも向かい始めている。
開かれていたのはアメリカの不動産への投資を呼びかけるセミナー。
バーチャルリアリティーを使ってどんな物件なのかイメージを膨らませてもらう。
テキサス州の戸建て住宅。
建物の広さは200㎡超
部屋の数はリビングやダイニングを含め6部屋。
日本円で約3,900万円である。
アメリカの不動産を購入した50代の会社員。
「1億7,000万円
   8,400万円
 1億9,500万円。」
国内に5棟のマンションを所有。
すでに銀行からの借入総額は6億円近くにのぼっている。
さらに今年9月
金融機関から2,200万円を追加で借り入れ
投資目的でアメリカ オハイオ州の物件を購入した。
(会社員)
「利益が出るものでしたら
 次はアメリカでもう1棟ぐらい買いたい。
 できればアメリカ以外の国にも投資したい。」

いま銀行の融資が不動産に向かいやすくなっている構図がある。
銀行にとっては低金利のために企業への貸し出しで利ざやが稼げなくなっている。
国債などの運用においても利回りが低下して収益があげられない。
その一方で不動産向けの融資については
借り手がいるうえで土地や担保をとることができるので
リスクが抑えられるので融資がしやすくなっている。
(アジア開発銀行研究所 吉野直行所長)
「銀行は不動産が担保になってますから
 そこに貸し出しをする。
 そうするとまた不動産の価格が上がってくる。
 こういう状況が起こりつつあると思います。
 これは1980年代後半
 日本が経験したバブルに近い状況に行く可能性を秘めている。」
加熱する不動産市場ですでにひずみが生じている実情も見えてきた。
ローンの返済に苦しむ人たちの相談を受けている団体。
投資目的でアパートやマンションを購入したものの
ローンを返済できないという人が最近急増していると言う。
(全国住宅ローン救済・任意売却支援協会 佐々木延彦代表理事)
「収益(投資目的の)物件の相談が激増しています。
 とにかく事業企画 返済計画が買ってから1年2年で崩れてしまう。」
とくに相談が多いのは地方のマンションやアパートに投資したケースである。
すでに物件は過剰になっていて
入居者が集まらず赤字に陥ってしまうことが多いという。
年収600万円の50代の男性。
これまでに銀行から全額融資を受け
アパート1棟とマンション3部屋を購入。
当初ローンを返済しながらも利益が出ていたと言う。
しかし去年9月 北関東でアパートを購入したところ
入居者が6割程度しか確保できず
見込んでいたほどの収入が得られなかった。
そのため毎月20万円を超える赤字になっている。
残ったローンの総額は1億8,300万円。
返済のために生活費を削り
定期預金も取り崩している。
「結局バブルの再来とは言わないですけど
 貸してくれるから借りるというのもある。
 できれば最後は止めてくれれば今の状況はなかったと思う。」




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