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インドネシアの少数民族 ユーチューバーの奮闘

2021-07-04 08:38:25 | 報道/ニュース

2021年6月12日 NHK「おはよう日本」


インドネシアの少数民族“バドゥイ”。
数百年にわたって
昔ながらの慣習を守ってきた民族で
その素朴な暮らしぶりが人気を呼び多くの観光客が訪れていた。
しかし新型コロナの感染拡大で観光客は激減。
一部のバドゥイの人々は
観光客から得ていた現金収入を失ってしまった。

インドネシアの首都ジャカルタから南西へ120キロ。
ジャワ島西部バンテン州の山間部。
「やあ みんな!
 サルカ・バドゥイチャンネルへようこそ!」
森の中の畑で動画を撮影しているのは
少数民族バドゥイのサルカさん(25)である。
2年ほど前からユーチューバーとして活動するサルカさん。
自分たちの伝統的な暮らしを広く知ってもらいたいという思いで始めたという。
(ユーチューバー サルカさん)
「私たちの日常生活を紹介しようと動画の投稿を始めました。
 ネット上でも好意的に受け止めてもらえて
 とてもありがたく思っています。」
「これがタロイモですよ。」
妻や娘と一緒に
毎月数本こうした動画を投稿している。
「チャンネル登録してね!って。」
「登録してね~。」
山間部に1万3,000人ほどが暮らすバドゥイ。
数百年にもわたって言い伝えられてきた信仰と
伝統的な慣習に基づいた生活をおくってきた。
昔ながらの慣習を守るため
住宅には今も電気やガスは通っていない。
移動も徒歩のみである。
今では珍しくなった暮らしぶりを聞きつけ近年多くの観光客が訪れたことで
バドゥイの人々の生活は大きく変化した。
村の入り口にはバドゥイの人々が経営する土産物店が並んでいる。
観光客から現金収入を得ることで生活は豊かになり
これまで禁止されてきた電気製品を使う人も出てきた。
なかには
近隣の村にとどく携帯電話の電波を拾い
スマートフォンでSNSや動画を楽しむ人も出ている。
「チャットや動画 ゲームをしています。」
新型コロナの感染拡大で観光客が激減したことで
こうした人々の生活に影響が出た。
いまサルカさんは動画配信をむしろ積極的に使うことで
コロナ禍のバドゥイ社会を支えることができると考えている。
動画では特産の土産物を紹介。
通販サイトなどでの販売促進につなげている。
(サルカさん)
「木の皮を使った
 環境に優しいブレスレットです。
 こうした民芸品は通販サイトなどで購入できますよ。」
動画による宣伝効果で特産品や伝統的な織物の売り上げは倍増している。
視聴登録者数もこの1年で急増。
約7万人に達した。
(サルカさん)
「私が売り上げを増やすことで
 コミュニティーとも協力していけます。」
現代文明の恩恵を受けながら
いかに伝統を守るか。
そのバランスが大事だとサルカさんは言う。
(サルカさん)
「テクノロジーを欲望のためだけに使うのはバドゥイの人々のためになりません。
 しかしそれで経済を発展させられるのなら
 利用するにこしたことはないです。」





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