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コロナ禍のイタリア 浸透するマフィアの脅威

2020-06-09 07:00:00 | 報道/ニュース

5月18日 NHKBS1「国際報道2020」


イタリアでは2か月以上続いてきた外出制限の措置が5月18日に大幅に緩和され
レストランを含めほとんどの商店の営業再開が認められた。
首都ローマの観光地にあるレストラン。
客同士の距離を空けるなど予防策を講じて営業再開にこぎつけた。
観光客が戻っていないためか
まだ客足は鈍いようである。
実はコンテ首相はこれまで
レストランなどの営業再開は6月に行なうとしてきたが
再開を前倒しした。
その背景には経済への深刻な影響がある。
イタリアではこの2か月で
貧困層が新たに100万人増えたという分析もある。
こうしたなかで犯罪組織のマフィアがこの危機を利用して
経済に浸透しようとしているという懸念が強まっている。

5月12日に行なわれた大規模な摘発。
南部シチリアに拠点を置くマフィアのメンバーら91人を
違法な資産の運用や
資金洗浄などの疑いで逮捕した。
差し押さえた資産は日本円で17億円余。
司法当局はいま全国でマフィアへの取り締まりを硬化している。
マフィアは潤沢な資金をもとに違法な融資を行なっていたとみられる。
当局は提供した映像からは
金を取り立てるメンバーたちの生々しいやり取りが明らかになっている。
「全部換金してきました。
 ほとんど50ユーロ札です。」
「全部でいくらだ?」
「2万7,000ユーロです。」
「これだけしかないのか」
「3月分がゼロだったんです。」
議会の反マフィア委員会のトップは
2008年の金融危機の苦い教訓から
企業に対する政府の迅速な支援が重要だと強調する。
(反マフィア下院委員会 モッラ委員長)
「多くの中小企業や利益を上げられる企業ですら資金繰りの問題に直面し
 間違った相手に融資を頼まざるを得なかった。」
2008年当時
マフィアは違法な融資の金利を
時には年間500%に設定。
苦境に陥る企業の弱みにつけ込み
日本円で年間1兆7,000億円余にのぼる利益を得たとの分析もある。
しかし今回の危機でも
支援の遅れは明らかである。
南部ナポリではこの日
NGOの呼びかけで大規模な食糧支援が行われていた。
寄付で集まったのは
パスタやトマト缶
食用油など。
ピザ屋からはナポリ名物のピザも焼きたてで提供された。
政府の支援がなく困窮する600近くの世帯に
市民が協力して食料を手渡した。
(支援を受けた男性)
「うちは給付金の対象に入れません。
 10人家族なのでとても感謝しています。」
飲食店も政府の支援は届いていないという。
ピザ店では客を入れて営業ができず
売り上げが激減。
経営者は
政府が企業への融資の保証を行なうと約束したことから
銀行に融資を申請したものの断られたという。
(ピザ店 経営者)
「政府は支援策を発表したが法令がまだなく
 銀行が融資できない。
 政府は口だけだ。」
イタリアのシンクタンクは
こうした経営難に直面する飲食店を狙って
マフィアは融資を行なうと指摘。
その脅威はイタリアにとどまらないと警告する。
(ユリスぺス ファーラ代表)
「マフィアはイタリアで生まれ
 より条件が良く重要な経済拠点で活動しています。
 マフィアは需要がありお金があるところに存在するのです。



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