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うなぎ高騰 その背景は

2011-07-19 09:28:05 | 報道/ニュース


  7月16日 週刊ニュース深読み


  今年はうなぎの仕入れ価格の高騰で、
  専門店の中にも値上げせざるをえないところがでてきている。

  国産のうなぎを扱っているある店では、
  仕入れ価格が2倍になったためうな丼・うな重を200円から300円値上げした。
  専門店を中心にうなぎを卸している東京都内の卸売業者では
  例年この時期は4トン程度の入荷があるが、今年は約1割減っている。
  国産うなぎそのものの量が減ったことに加えて、
  外国産のうなぎが高騰したため手に入れるのが難しい。

  うなぎ不足の理由は養殖に使う稚魚が不漁になっているためである。
  先月の仕入れ価格は1キロあたり平均3742円、
  去年の同じ時期は2850円だった。
  およそ900円も値上がりしている。
  国産ものの品薄によって、安さが売りだった外国産うなぎの値段も急上昇。
  国内で養殖されたうなぎより高くなることもある。
   卸売業者
   「完全に、特に台湾の売り手市場で言われるがままに買っているみたいな。
    こういった事態は過去にない。初めて。」
  仕入れ値が上昇してもすぐには取引価格に上乗せできない。  
   卸売業者
   「利益率で言えば大幅に落ちている。」

  うなぎの稚魚は6センチ程度でシラスウナギとよばれている。
  養殖に使ううなぎも海や川でシラスウナギを育てている。
  お店にだせるまで半年から2年ほどかかる。
  農林水産省がまとめた国内でとれたうなぎ稚魚の量の推移をみてみると、
  昭和40年ごろまでは多い年少ない年があるがおおむね年間100トンを上回っている。
  その後稚魚の量は激減する。
  最近では50年前に比べておよそ20分の1にまで減っている。
  生環境の変化などともいわれているが、はっきりしたことはまだわかっていない。

  多くの魚は卵から稚魚の状態の育つまで1ヶ月から2ヶ月程度だが、
  うなぎは半年以上かかる。
  ごく最近までどこで卵を産むのかということもわかっていなかった。
  東京大学 塚本勝巳教授は、
  沖縄近海で稚魚が見つかったという研究を元に産卵場所を追跡調査し、
  おととしようやく生まれたばかりの天然のうなぎの卵を
  日本から南におよそ2200キロ離れたマリアナ諸島の西の海域で世界で初めて発見した。
   塚本教授
   「一番謎の魚と思われていたが、卵が採れたことで謎のベールが剥がされてきたなと思う。」

  今回の発見でうなぎの卵の生態や産卵の条件の解明が進むことが期待されている。

  うなぎの完全養殖の実用化を目指す研究で、
  うなぎを卵から育てて成長した親にふたたび卵を産ませる取り組みをしている。
  天然の稚魚の量に左右されなくなり、うなぎの安定供給につながると期待されている。
   塚本教授
   「(完全養殖の実用化は)3年以内に出来ることもあるだろうし
    10ねんたってもできないかもしれない。
    だけど確実に技術は上がっているからいつかできるようになると思う。 」


  

  

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