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論語の普及か、地球規模の下心か

2020-09-20 05:05:31 | 編集手帳

8月31日 読売新聞「編集手帳」


<論語で一生を貫いてみせる>。
日本の資本主義の父、
渋沢栄一は30代でそう誓いをたてたという。
(『現代語訳 論語と算盤』ちくま新書)

91歳で他界するまでに起こした会社は数知れない。
<四十、五十は洟垂(はなた)れ小僧、
 六十、七十は働き盛り、
 九十になって迎えが来たら、
 百まで待てと追い返せ>と語ったと伝えられる。
<十五にして学に志し>で始まる孔子の教えに似ていなくもない。

とはいえ「論語読みの論語知らず」という警鐘も昔からある。
気を付けたいところだが、
そう言われかねない評判がよりによって世界に論語の普及を図る中国の事業を包んでいる。

この15年で160か国の大学などに作られた「孔子学院」である。
日本でも15の大学に設けられている。
中国政府が講師派遣など運営を後押しし、
講座のような形で中国文化に触れる学生をどんどん増やしてきた。

ただこのところ、
地球規模の親中派育成という下心が露骨に見えてきたらしい。
政治宣伝や影響力拡大の拠点になるとの警戒が強まり、
欧米で閉鎖が相次いでいる。
論語には敬意をもたれない国作りのことはさて、
何て書いてあったろう。

 


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