2月27日 Bizプラス
究極のエコカーともいわれる燃料電池車。
再来年に売り出そうとメーカーの動きが活発になっている。
燃料電池の技術展示会では各社の車が展示され試乗会も行われた。
燃料に使うのは水素。
空気中の酸素と反応させて発電しモーターの力で走る。
水素を1回補給すれば約600キロの走行が可能と言う。
排気管から出るのは水だけで有害な排気ガスは全く出さない。
普及に向けての課題は現時点で1台1,000万円以上と言われる高い価格である。
そこで各社が進めているのが海外メーカーとの提携である。
1月 トヨタ自動車はBMWとの燃料電池車を共同開発すると発表。
日産自動車もダイムラー(独)フォード(米)との提携を発表した。
開発の分担や部品の共通化を進めたりしてコストを下げる狙いである。
燃料電池車の普及に向けたもう1つの大きな課題は水素を供給するインフラの整備。
国内で水素を供給する施設は現在わずか16か所で
2015年までに100か所に増やすのが業界の目標である。
岩谷産業は水素を貯蔵し供給できるシステムを
現在の半分の価格で販売したいとしている。
(岩谷産業水素エネルギー部 松岡美治シニアマネージャー)
「向こう10年で採算性が取れる所は見えてきている。」
より手軽に水素を供給する仕組みの開発も進んでいる。
国の補助を受けてホンダなどが開発した水素供給施設は
埼玉県庁で実証実験を行なっている。
(埼玉県産業労働部 根本宏之主査)
「ガソリンと比べて匂いもしないし
5分かからず満充填できるので使い勝手は大変良い。」
太陽光パネルで発電しその電力で水道水を分解して水素をつくる。
1日で作る水素で150キロ走る。
将来は家庭向けも視野に入れている。
(ホンダ 岡部昌規主任研究員)
「小型の水素インフラが普及すると燃料電池車の利便性がより一層高まる。」
普及に向けて加速し始めた燃料電池車。
メーカー各社の開発競争が勢いを増している。