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貧困から抜け出したい 中国 労働者たちの今

2017-03-27 12:00:00 | 報道/ニュース

3月4日 おはよう日本


中国国内には
年収が日本円で4万円ほどの貧困層が4,300万人余いるとされている。
貧しい人々がさらに苦しい生活を強いられる貧困の固定化が新たな問題となっている。

中国南部の広東省。
工場が集中し多くの労働者が集まる。
ショッピングモールの駐車場で開かれている就職説明会では
その場で面接を受けることができる。
集まっているのは貧しい農村部から来た出稼ぎ労働者である。
「どんな仕事でもいいので
 収入を安定させたいです。」
いま中国にはこうした出稼ぎ労働者が約2億8,000万人いるとされている。
出稼ぎ労働者が夢見る豊かな暮らしを手に入れた人がいる。
楊華さん(37)。
15年前に東北部の黒竜江省からやって来た。
日系の金属加工メーカーで働く楊さん。
運転手として働き始めたが
勤勉さが評価され
工場のナンバー3にまでなった。
収入は大幅に増え
念願の自家用車とマンションを購入。
離れて暮らしていた家族も呼び寄せた。
5歳の息子には自分よりもさらに良い生活をさせたいと
教育に力を入れている。
(楊華さん)
「仕事を頑張ってもっと大きな家に引っ越すのが目標です。」
しかしこうして成功できる労働者は多くない。
貧しさから抜け出すどころか
より貧しい生活を強いられる出稼ぎ労働者が増えている。
胡名国さん(41)。
早くに父親を亡くし
中学校を卒業したのち紡績加工メーカーで働いた。
しかしその6年後にじん肺を発症。
働くことができなくなった。
(胡名国さん)
「きつい仕事をすると呼吸が困難になります。」
マスクをつけるなどの安全対策がとられていなかったため
紡績を削るときに出る粉じんを大量に吸い込んだことが原因ではないかと考えている。
当時の同僚にも同じ症状が出ていて
すでに亡くなった人も多いという。
いま一番の気がかりは離れて暮らす家族である。
胡さんの代わりに働く妻の収入は少なく
中学生の息子を高校へ進学させる余裕はない。
(胡名国さん)
「息子も社会の最底辺での生活を続けることになります。」
「心配をかけたくない」と胡さんは今も息子に病気のことを伝えていない。
(胡名国さん)
「子どもには父親が必要なのに申し訳ない。」
工場からは一時的な保証金しか支払われず
貯金はわずか3万円。
医療費がかさみ底をつきかけている。
世代を超えて貧困が固定化する状況から労働者たちを救おうと
活動している人がいる。
弁護士の段毅さん(57)。
(弁護士 段毅さん)
「ここでは100件ほどの訴訟を扱っています。」
ここ数年労働者からの相談が相次いでいるという。
(労働者)
「会社の方針に反対したら昇進も昇給も無くなりました。
 嫌がらせや圧力ばかりです。」
「労働者側に加担している」と段さんには政府から圧力がかけられている。
外国へ行くことは許されず
弁護士資格の更新もなかなか認められない。
かつて30人いた弁護士仲間は10人にまで減った。
(弁護士 段毅さん) 
「私たちの仕事は社会の底辺で生きる人たちを助けることです。
 どのような圧力を受けても
 その目標は変わりません。」
貧困の連鎖を断ち切りたい。
労働者たちの切なる願いである。




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