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ナチスが略奪した名画の行方

2014-02-24 09:00:03 | 報道/ニュース
2月17日 ワールドWAVEモーニング

ときは第二次世界大戦。
ナチスドイツはヨーロッパに侵攻。
略奪したものの中には世界的な名画も数多く含まれていた。
対する連合国軍は特別部隊を編成。
これら美術品の奪還を目指した。
最新映画「ミケランジェロ・プロジェクト」は実在した特別部隊の活躍を描いている。
今月開かれたベルリン国際映画祭でも大きな注目を集めた。
(「ミケランジェロ・プロジェクト」監督・主演 ジョージ・クルーニーさん)
「まさに現在進行形の話で多くの美術品が発見される日を待っている。」
ナチスにより行方不明となった数々の名画。
今その存在が明らかになりつつある。
ナチスドイツが略奪した美術品を返還しようというテーマにしたこの映画。
この特別部隊に参加した人たちは美術館の学芸員など美術に造詣のある男女約350人だった。
戦闘の前線で命がけで身術品を取り返す作業にあたっていた。
彼らの活動が無ければ今日失われてしまっていたネイがも多かったのではないかと思われる。
なぜナチスが侵攻した国々でこうした数々の名画を奪ったか。
かつて画家を目指していたヒトラーが世界最高の美術館を建てようという野望を抱き
それにより命令を受けたナチスの幹部たちが組織だって略奪にあたっていたからである。
一方 印象派の作品などはヒトラーの好みではなく
ナチスの精神に反する退廃した芸術だとみなされて没収し売却というような扱いを受けていた。
観光名所として知られるドイツ南部の美しいノイシュバンシュタイン城や岩塩を採掘するため地下深くの坑道が
奪った美術品の隠し場所として使われていたことは驚きである。
略奪品の返還に取り組んでいるアメリカの財団によると
当時 連合国軍の特別部隊が保護することができた美術品や文化財は約500万点にのぼると言われている。
一方で今も数十万点にのぼる美術品の行方がわからなくなったままである。
その中にはフィンセント・ファン・ゴッホ、クロード・モネ、ラファエロ・サンツィオなどの名作も含まれる。
こうしたなかドイツで最近になってナチスに略奪されたとみなされる多数の絵画が見つかった。
戦後70年近くも経って類を見ないほどの大量の絵画が確認されたことは
世界の美術関係の専門家にとっても驚きだった。

去年11月 ドイツの捜査当局はミュンヘンにあるアパートの一室から1400点以上の絵画が見つかったと発表した。
ギュスターヴ・クールベ、オットー・ディックス、アンリ・マティス、マックス・リーバーマンなど有名な画家の作品も多数含まれていた。
このうち約7割はナチスによってユダヤ人や美術館などから略奪された絵画であるとみられている。
なかにはマルク・シャガールが1920年代に描いたとみられる未発表の作品もある。
シャガールの絵に特徴的な幻想的な世界を描いた作品で世界の美術家にとっても機構な発見となった。
(絵画鑑定したマイケ・ホフマン博士)
「発見された数々の絵画はいずれも一級品だ。
 保存状態も良いので学術的にとてつもなく大きな価値がある。」
画を保管していたのはナチスに協力し集められた絵を海外に売っていたが省の息子だった。
この81歳の男性はこれまでも生活に困ると絵を売却してきたということだが
ドイツ当局による脱税事件の捜査の過程で初めて大量に画を保管していたことが明らかになったのである。
今回の発見を機に第二次世界大戦中に絵を奪われたユダヤ人の遺族などから早期返還を求める声が強まっている。
大戦中ナチスの弾圧を受けたユダヤ人の多くが財産を奪われ強制収容所などで殺害された。
絵画など貴重な芸術品も数多く没収されている。
ドイツで暮らしていたユダヤ人の画商 A・フレヒトハイム氏も
ナチスの迫害から逃れるためイギリスにわたりドイツに戻れないまま59歳で死亡した。
所有していた多くの絵画は奪われ行方がわからなくなった。
フレヒトハイムさんの遺族は今回発見された絵画の中に
フレヒトハイムさんが大切にしていた絵画が含まれているのではないかと期待を寄せている。
(遺族)
「行方不明となった絵画を見ることなく家族は亡くなりとても残念です。
 発見された中にフレヒトハイムの絵があるとわかれば変換されるでしょう。」
こうした遺族の訴えを受けてドイツ政府は絵画の正当な所有者を見つけ出し
一刻も早く変換しようと急遽専門家を集めたワーキングチームを設置した。
専門家は今回発見された絵画の鑑定をすすめ
ナチスによって略奪されたと疑われる作品について順次インターネット上で公開している。
これまでにマティスやロートレックなどの作品など約460点が掲載された。
(ドイツ ショイブレ財務相)
「ナチスの略奪行為はヨーロッパ史上最大のものだ。
 ミュンヘンで見つかった絵画は現在厳重に保管している。
 透明性を確保しながら元の持ち主を早く見つけたい。」

1998年にドイツを含む40か国以上が参加した国際会議が開かれ
本来の所有者や遺族に返還することを目指すワシントン原則が採択された。
これによりナチスに奪われた美術品を特定し記録文書を公開するなどして
攻勢で公平な解決を目指すということで各国は一致している。
第二次世界大戦中にナチスが略奪した絵画が2月6日 
アメリカから約70年ぶりにポーランド政府に返還された。
首都ワルシャワの国立美術館から奪われた18世紀のJ・C・ゼーカッツの作品である。
戦後行方がわからなくなっていたが2006年にニューヨークでオークションに出されたことをきっかけに奪われた絵画と特定。
ようやく返還に至った。
(ニューヨーク駐在 ポーランド総領事)
「ポーランドは長年にわたり占領国から不当な扱いを受けてきました。
 この美しい絵画のように奪われたものを取り戻すことはとても重要で
 失われた正義が果たされることだと強く感じます。」
ナチスドイツはポーランドをはじめベルギーやフランスなどヨーロッパ各地に侵攻。
美術館やユダヤ人が所有していた美術品を詳細に調べ上げ次々に奪っていった。
略奪された美術品は戦後も国境を越えて取引されてきた。
月日が経つにつれ当時の記録は失われ人々の記憶もあいまいになっていく。
略奪された絵画の中には画家や作品の名前などが改ざんされたものもあり追跡は困難を極めている状況である。
戦後70年が経とうとするなか返還に向けた動きをどこまで加速できるのか。
失われた美術品が待ち続ける人の元に戻るまで歴史の清算は終わらない。



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