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台湾 ウミガメの島 プラゴミをゼロに

2021-07-21 07:04:36 | 報道/ニュース

2021年6月21日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


台湾本島から船で西に30分のところに小琉球という島がある。
ここで近年ひんぱんに見られるようになったのがアオウミガメである。
アオウミガメは絶滅危惧種に指定され
世界中で保護されている。
このウミガメが間近に見えることもあって
この島を訪れる人は年々増えているが
同時にウミガメの暮らす環境を守ろうという活動が活発になっている。

小琉球の漁港の岸壁。
すぐ近くにウミガメが浮かんでいる。
(観光客)
「かわいいですね。」
「海に入らなくても見えました。」
台湾南部の屏東県の沖合に浮かぶ離島 小琉球。
周囲12㎞の小さな島だが
サンゴ礁でできた風光明媚な観光地である。
地元の人によると
8年前に沿岸での刺網漁が禁止されてから島に近づくウミガメが増えた。
大学の調査では
最近3年間は年平均400匹以上確認されている。
“ウミガメの島”として評判となり
台湾本島などからの観光客が年々増えてきた。
人口1万2,000人の島に
外から訪れる人は年間100万人以上と推定される。
観光客の増加によってゴミも増えることを懸念した島の人たちは
ウミガメの生息環境を守るため
“プラスチックごみゼロの島”を目指す活動を始めた。
3年前からは台湾当局が支援している。
そのひとつが宿泊施設の取り組みである。
「使い捨ての歯ブラシなどは置いていません。」
民宿を経営する蔡さんは
宿泊の予約を入れる客に歯ブラシやコップなどを持参するようあらかじめ告げている。
美しい自然が目当ての客も意識が高いと見えて
不満を声を聞いたことがないという。
台湾当局によると
使い捨てプラスチック製洗面用具などを提供しない環境保護の宿は
屏東県内に合わせて132軒あるが
半数近い62軒がこの小さなウミガメの島に集中している。
(民泊 経営者 蔡さん)
「使い捨てを減らせば
 海へのゴミも減り
 生態系への影響も少なくなるでしょう。」
他にもプラスチックごみをなくそうという活動が行われている。
店で飲み物を買って持ち替える客に
プラスチック製の使い捨てのコップではなく
ステンレス製のコップを借りるよう推奨している。
料金は無料で
スマートフォンで電話番号と借りるコップの数を登録するだけである。
このコップの取り扱いは島の商店や宿泊施設など約60か所で行われていて
客は借りたのと別の店で何度でも飲み物を買うことができ
コップを返す場所も自由に選べる。
(観光客)
「帰りに船の乗り場で返せて とても便利です。」
取り扱い場所に返却されたコップは
当局からこの事業を請け負っている団体が回収し
人の手と機械で2回洗うが
洗剤は環境への負荷が小さいものを選び
排水は処理施設を通してから海に流している。
洗浄を終えたコップは再び取扱所へ配達される。
現在3,500個が使われているが
観光客が増えるシーズンには
回収・洗浄・配達でてんてこ舞いになるという。
(小琉球 自然人文整体観光協会 陳理事長)
「プラスチックの使い捨て容器を年間27万杯分を減らすことになり
 私たちの活動の励みになります。」
この島には観光客がよく訪れる場所など10か所にウォーターサーバーが設置されていて
借りたコップや水筒などを持っていれば好きなだけ水を汲んで飲むことができる。
遠くから来た客に対するもてなしの心とともに
ペットボトルなどの持ち込みを予防する仕掛けでもある。
(観光客)
「のどが渇いたときペットボトルの水を買う必要がなく
 環境にいいです。」
(小琉球 自然人文整体観光協会 陳理事長)
「この環境を守るために
 できるだけマイカップを持参してください。
 もし持っていなければ店や民宿で借りてもらいたいです。」
陸の上からでもウミガメが簡単にみられる豊かな自然環境。
観光客を受け入れながら守っていくためのユニークな仕組みが試されている。
 



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