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ハワイ 観光客減で見直される地域経済

2021-05-04 07:56:16 | 報道/ニュース

2021年4月12日 NHKBS1「国際報道2021」


一昨年 1千万人以上が訪れたハワイ。
アメリカ国内を中心に観光客は戻り始めているものの
以前の半分程度にとどまっている。
人気のシュノーケリングスポット
ハナウマ湾。
感染対策のため
去年約9か月間にわたり観光客の立ち入りが禁止された結果
思わぬ変化があった。
水の透明度が大きく改善したのである。
(研究者 セベリーノさん)
「閉鎖中に透明度が約64%向上しました。
 興味深いことに
 より大きな魚が湾に来るようになりました。」
ビーチへの立ち入りは去年12月に再開されたが
ホノルル市は改善した水質を守るため新たな取り組みを始めた。
入場を予約制にし入場者数を制限した。
(観光客)
「ここは生きものの住みかで
 人間は訪れているだけ。
 そこを忘れてはいけません。」
(ホノルル市 担当者 ヒロハタさん)
「以前は1日に2,500~4,000人来ていましたが
 今は1,050人に制限しました。
 湾の資源を守りたいのです。」
環境保全のためにハワイ州の議会も動き出している。
新しい税の導入である。
「グリーンフィー」と呼ばれるこの税金。
海岸の清掃などの費用に充てるため
観光客から1人あたり20ドルを集めるというものである。
年間1億ドルの税収を見込んでいる。
(法案提出者の1人 民主党 デラクルーズ上院議員)
「年間1,000万人
 毎日3万人もの人がハワイに来ることで
 国立公園やビーチに影響がありました。
 観光客は少なくなっても
 同じ歳入がある仕組みにしたいのです。」
さらにハワイでは観光業の不振をきっかけに
これまで先送りされてきた問題の解決にも取り組み始めている。
豊かな自然を生かして持続可能な社会づくりを進めている。
その中で特に力を入れているのが農業に対する支援である。
背景にあるのが
わずか15%と低い食料自給率の問題である。
ハワイでは食料のほとんどを島の外から調達していて
非常時にどう備えるかが課題となっていた。
そこでいま農業の生産力を上げようと就農支援が進められている。
ホノルル市などが進める就農支援プログラムの農場。
参加者は1年間で野菜の栽培から農地の管理まで
農業に関するノウハウを集中的に学べる。
就農にあたっては農地を借りることができるとあって
去年は半年で500人近くが参加した。
ボンさんもその1人である。
いまはレタスや大根 ナスなどを栽培している。
出荷先は地元のスーパーとレストランなどである。
(就農支援プログラム参加者 ボンさん)
「ここでは土壌 害虫 水の管理と農業の基礎からビジネス面まで学びました。
 農業は生産するだけでなく
 市場を見つけて販売しないといけませんから。」
ホノルル市はこうした支援を強化していきたいと考えている。
(ホノルル市 幹部 アッセルベイさん)
「失業している人や若者は
 何かできることはないか見つけようとしています。
 そうした人たちの雇用創出の機会につなげたいのです。」
これまで観光に頼ってきたハワイ。
コロナ禍の今
経済と環境が共存する持続可能な社会づくりに向けて舵を切り始めている。

 

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