9月4日 NHK「おはよう日本」
成田真由美選手(49)。
パラリンピック初出場は1996年のアトランタ大会。
以来5大会に出場し
獲得した金メダル15個。
“水の女王”ともいわれるレジェンドが上を目指し続ける原動力は。
東京パラリンピックの代表内定がかかる世界選手権を2週間後に控えた8月。
中学生の時の脊髄炎が原因で下半身に障害がある成田選手。
この日泳いだのは3,000m以上。
約2時間 自らを追い込む。
圧倒的な練習量で進化を続け
去年47歳にして200m自由形では日本記録を更新した。
(NHK 三上リポーター)
「戻ってきたかと思うとまたすぐ戻っちゃう。
成田さんは足が使えないということがあるので
腕だけで泳いでいくことが本当にすごいことだと見ていて思う。」
(成田真由美選手)
「疲れない練習はない。
楽な練習はない。
腕だけ腕のみ腕しか。
3拍子揃っちゃった。」
成田選手を突き動かしているひとつの思いがある。
心のバリアフリーを浸透させたい。
20代前半で競泳を始めた成田選手。
練習場所を探していたが
車いすを使っていると伝えると多くのクラブから電話口で入会を断られた。
7か所目にようやく受け入れてくれたのが現在のクラブ。
成田選手の練習を見て何をどこまでできるか確認したうえで入会を認めてくれた。
このクラブで24年目の成田選手。
築き上げてきた信頼の証があるという。
それがクラブの中にある段差である。
成田選手は1段の段差なら乗り越えることが出来るため
あえて工事はせず
そのままにしてある。
成田選手ができることは任せ特別なサポートしない。
成田選手はクラブの姿勢に信頼を感じている。
(成田真由美選手)
「24年経つのにスロープにならないところが私にとっての心地のいいバリアフリー。
なんでもかんでもスロープを作ればいいかというと
それはそれでいいけど
自分ができることを尊重してくれているじゃない。
そういうことなんだよね
心のバリアフリーって。」
競技人生の集大成と位置づける東京大会。
自分の泳ぎを多くの人が見て何かを感じ取ってもらいたい。
成田選手はその思いを胸に泳ぎ続ける。
(成田真由美選手)
「たくさんの方が応援して注目してくれていることは素敵なこと。
自分が東京パラに出ていくことによって
見てもらって
社会が変わる部分もあると思ったので
そうやって何かメッセージを送れたらいいのかなと思う。」