5月24日 おはよう日本
青春時代の思い出が詰まった制服。
日本全国の学生服を忠実に再現した人形がいま人気を集めている。
この人形は姫路市の会社が大手玩具メーカーと組んで企画販売している。
世代を超えて人気のあるリカちゃん人形に
本物と同じデザインの制服を着せている。
人形は主にPTAなど学校関係者からの注文で作られる。
これまで30校から注文を受けおよそ7万体が販売された。
購入者のほとんどが卒業生である。
(企画した会社 社長)
「青春時代の象徴である制服っていうものを形で残しておきたいという方がほとんどです。
当時の思い出を懐かしむことができるというような声をたくさんいただいています。」
姫路市にある中高一貫の女子高。
この春入学した新1年生から
68年続いた制服のデザインを変更した。
PTAが卒業生絵に人形制作の注文を募ったところ3,000人から要望が集まった。
人形を購入した石田さん(57)。
40年前に卒業した。
石田さんには誰よりも早く人形を見せたい人がいた。
5年前に肺を患い82歳で亡くなった石田さんの父親である。
学生時代 病気がちだった娘を毎朝学校へ送ってくれていた。
(石田さんの妹)
「パパからしてもいい時間だったんだろうね。」
(石田さん)
「割と車の中でしゃべったりとかすることもあったし
いい時間だね。
いい時間を過ごせたと思う。
感謝しかないよね。
でも感謝を伝えられずに亡くなっているから。」
「私の高校時代とか中学時代のことを思い出して
“朝早くから学校行ってたなあ”とか
そういう感じで
いろんなこと思い出してくれてるんじゃないかなと思います。
人形を天国からじっくり眺めてもらって
またゆっくりと感謝を伝えていきたい。」
自分への励みにしたいと人形を購入する人もいる。
5年前の卒業生 有希さん(24)である。
有希さんは去年大学を卒業し信用金庫で働いている。
お金を動かす責任の重さにプレッシャーを感じることが多いという。
(有希さん)
「お金を扱う仕事なのでミスは許されないし
常に気を張り詰めていないといけない。
ミスをしてはいけないって思うからこそ気持ち的にしんどくなるのかな。」
高校時代 陸上部で長距離選手だった有希さん。
つらい練習にもくじけず走り続けた経験が彼女の誇りである。
(有希さん)
「気持ちの面で鍛えられたっていうのは部活が一番大きかったかなっていうふうに思うので
あの時頑張れたし
この子が思い出すきっかけになると思います。
気持ちの面で余裕ができるんじゃないかな。」
人形に重ねるかつての自分。
制服とともに過ごした大切な日々は
今につながっていく。