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好奇心育むクラゲ研究所の夏

2018-09-15 07:00:00 | 報道/ニュース

8月23日 おはよう日本


子どもたちの夏の楽しみ 盆踊りに現れたのは頭にクラゲの被り物
クラゲ研究者の久保田信さん(65)である。
日本屈指のリゾート地 白浜。
その海辺に小さな建物がある。
7月 久保田さんが開いたクラゲの研究所である。
白浜周辺の海は日本有数のクラゲの生息地である。
研究所にはそこで見られる30種類以上のクラゲが展示されている。
わずか数ミリほどの小さなクラゲも顕微鏡で誰でも自由に観察できるようにしている。
3月まで京都大学で研究していた久保田さん。
40年以上積み重ねたクラゲの研究を続けたいと
自ら資金を出して起ち上げた。
なかでも久保田さんがライフワークとしてきたのは ベ二クラゲ。
大きさは数ミリほどしかないが驚くような能力を持っている。
ベ二クラゲは年老いたり傷ついたりすると
次第に縮んで小さなかたまりになってしまう。
しかし数日たつとかたまりが成長をはじめ
やがてもとの若い体に戻る。
いわゆる“若返り”が出来るのである。
(久保田信さん)
「ベ二クラゲの秘密を知ることが人類の夢につながっていると思う。
 そんな夢のある動物がいることをぜひ知ってもらいたい。
 多くの人に1人でも。」
オープンしてから2週間。
珍しい研究所のうわさを聞いて地元の小学生が集まっていた。
その中に熱心に質問を繰り返す子どもがいた。
小学6年生の樫木大征くん(11)。
久保田さんも驚くほどの知識の持ち主である。
小さい時から本が大好きな大征くん。
クラゲについても3年生の時に読んだもので興味を持つようになり
以来ずっと本や図鑑で知識を得てきた。
しかし実際に海に出かけてクラゲを見たことはほとんどなかった。
この日 久保田さんは実際のクラゲを観察する楽しさを教えようと
大征くんをとっておきの場所に連れて行った。
そこにはたくさんのクラゲが漂っていた。
これだけの数のクラゲを見るのは
大征くんにとっても初めてのことだった。
(久保田信さん)
「現場に行ってじっと見てたら
 どうしてかなって思うことがいっぱいあるやない。
 もっと知りたいとか
 それがいちばん大事。
 それが科学の根本やから。」
それから大征くんは熱心に海に通い続けた。
久保田さんが教えてくれた場所で
毎日クラゲの数や海の状態などを記録していった。
(大征くん)
「大物もおればさ でかいやつ
 おらんときもある。」
観察を始めてから2週間。
大征くんは久保田さんが驚くものを持ってきた。
クラゲについてまとめた自由研究である。
そこには久保田さんに教わったベ二クラゲのスケッチや
自分で観察したクラゲの記録が詳しく書かれていた。
(久保田信さん)
「良くまとまってる これは。」
さらに大征くんには観察を続けるなかで気付いたこともあった。
(大征くん)
「お盆過ぎにクラゲがいっぱい増えると言ってたやん。
 全然増えんかったで。
 逆に減ってたで。」
(久保田伸さん)
「それはどうしてやと思う?」
(大征くん)
「先生がとったん?」
(久保田伸さん)
「いや とらん とらん!」 
(久保田伸さん) 
「現場に調べに行くのおもしろいでしょ。
 いつも疑問が出てくるからね。」
この夏 クラゲをこよなく愛する久保田さんが作った小さな研究所。
自然に対する好奇心が受け継がれていく。
 

 

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