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アメリカ 都市の成長のカギは “新たな価値生む”企業

2018-04-09 07:00:00 | 報道/ニュース

3月15日 おはよう日本


アメリカの都市ごとのGDPの成長率を見ると
IT企業が集積するシリコンバレーやシアトルなど西海岸は伸びているが
近年 成長が目立ってきたのが南部の都市である。
アトランタではこれまでにない新しい価値を生みだすビジネスが次々と生まれ
都市の成長につながっている。

最新のコンピューターグラフィックスを駆使し全米大ヒットとなっている映画「ブラックパンサー」。
実はアトランタで制作された。
アトランタではいま街のいたる所で映画やドラマの撮影が行われている。
その数 年間300本以上。
制作費の最大30%を税額控除するという破格の優遇措置が多くの企業を引き付けている。
(商工会議所 幹部)
「アトランタは映画の製作現場としてナンバーワンです。
 ロサンゼルスやイギリスより選ばれるようになりました。」
さらにアトランタはIT企業の誘致にも熱心である。
とくに急速に増えているのが金融とITを融合させたフィンテック企業である。
融資の審査を自動化する新たなビジネスで業績を伸ばしている企業。
ビッグデータを活用した独自の審査で融資の限度額を計算。
わずか10分という早さである。
アトランタではこの10年ほどでフィンテック企業は約90社に増えた。
ニューヨークやカリフォルニアに次ぐ規模になっている。
(フィンテック企業 社長)
「アメリカの電子支払い取引の80%がアトランタの会社で行っています。」
なぜアトランタにIT企業が集積するのか。
それは大学をまき込んだIT人材の育成にある。
全米でトップクラスのジョージア工科大学。
ここでは大学内にIT系ベンチャー企業がオフィスを置いている。
その数 現在約50社。
大学内で起業しITの専門知識や資金調達の方法などを専門家から学ぶことができる。
(ITベンチャー企業 創業者)
「同じ考えややる気に満ちた人材がいて
 ビジネスや課題を話し合うことができます。」

一方で先端的な企業を生み出せない都市は成長に限界があることもわかってきた。
かつて自動車メーカーのゼネラルモーターズの工場があったウィスコンシン州ジェーンズビル。
閉鎖から10年。
かつての工場はそのままで
工場だけで1,200人が職を奪われたという経済危機の衝撃を今に伝えている。
地元の経済を復活させようと
市ではGMに変わる企業はないか地道に誘致を進めてきた。
こうした結果 雇用は回復。
失業率は全米平均4,1%を下回る2,7%。
(ジェーンズビル市 マーク・フレイタグ シティマネージャー)
「当初は誘致をお願いしても見向きもされませんでした。
 今では新しい企業が進出しはじめ
 GMの損失を吸収することができ
 街は急速に前進しています。」
しかし町にやって来たのはプラスチック容器の製造工場や配送センターなどだった。
町の現在の平均的な時給は約1,500円。
かつてGMの工場で働いていた従業員の賃金の半分程度である。
地元の高校には生活が苦しい家庭の生徒に日用品を寄付する部屋があった。
服や靴 食料などが棚いっぱいに並べられていて
今でも200人ほどの生徒が利用していると言う。
(デリ・イーストマン教諭)
「ほとんどの仕事は最低賃金だったり最低賃金より少し高いくらいです。
 データはよく見えても10年前に賃金と今の賃金は大きな差があります。」
夫が以前GMの向上に勤めていたタミー・ウィテカーさん。
3人の子どもがいるウィテカーさん。
工場の閉鎖後家族の状況は一変した。
(タミー・ウィテカーさん)
「生活費の支払いが厳しくなりました。
 フルタイムの仕事が見つけられず3つのアルバイトをかけ持ちしていました。」
企業誘致は進み経済は回復しているが
ウィテカーさんの生活は元には戻っていない。
(タミー・ウィテカーさん)
「給料は減っているけど生活費は上がっています。
 常にそれと戦っているのです。」



 

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