ガラクタな部屋

音楽を古いガラクタ製品で聴いています

Pioneer Exclusive M4a

2022-05-28 | メインアンプ

Pioneer Exclusive M4a
知人よりメンテナンス依頼されました。このM4aは音が出る現状品を中古で購入した物ということですが何しろA級で50Wという暖房機みたいなアンプなので部品が消耗しているのは間違いなく、特に終段のサンケンのトランジスタ(2SA747,2SC1116)が消耗して使えるのか・・チェックしないと分かりません。強制空冷とはいえA級50Wにしてはサイズが小さい気がします。

表側 汚れがあります。重量が27.3kgもあるので気を付けて運ばないといけません。この時代は各社A級アンプやA級B級切り替えで来る製品を出していました。スイッチング歪が無いということですが私はA級とB級の音の違いは分かりませんでした。

リア側 出力端子はプラスチック部分が割れているのが多いですがこれは特に問題は無さそうです。

スピーカー端子 出力が50Wと少ないので大型に交換する必要もなさそうです。

ヒューズは定格の8Aが入っていました。たまにここに大電流のヒューズが入っていたりしますね。音が出るというのでSWを入れて消費電力を見ると規定値が320Wですが420Wぐらいあり少し消費電力が多そうです。

裏側 ファンのカバーが見えます。

空冷用ファン これ取らないと木製ケースが外せません。

空冷用ファン 60V50Hzで6W 埃があるので清掃しておきます。

上部カバーを取ったところ。 トランスが大きいですがヒートシンクは小さい気がします。

下部カバーを取ったところ ヒートシンクの真下にファンがある構造ではないようです。このアンプは下から空気を吸って上に排出する方式です。

フロントパネルを取ったところ。

サイドのカバーを外します。

パワーブロックを外します。

サンケン 2SA747,2SC1116 A級アンプの宿命なのかやはり少し消耗しており個々のバラつきがあります(こういう4パラPPは経年劣化によるばらつきが出るのが問題です。)アイドリング電流が多いようなので少し減らすとばらつきは減少しました。このTRは初期のままで交換はされていないようです。

ヒートシンクからTRを外したところ 元の色から熱で変色しているのがよくわかります。放熱用グリースは熱でパキパキでした。

ドライブ基板 こちらのドライバTRも消耗していましたがそれほど問題なさそうなのでそのまま使用します。基盤は全てガラスエポキシを使用しており基板の銅箔(板?)も厚いので半田ごては熱量の大きい物が必要です。

電源基板 他の基板もそうですが熱による電解コンデンサーの劣化が心配なので全部交換します。交換するコンデンサーは105℃タイプを使用します。

プロテクト基板

メーター基板

リレー 出力50Wと少ないのでリレーが1個です。富士通 FRL 263 0024/04AL

接点に汚れはありますがアークによる損傷は無さそうなので清掃して使用します。

基板などを取ったところ。 ケーブルが多すぎる感じでもっとスマートにコネクタ配線できなかったのかなー。コネクタも緩いのが多かったので一個一個調整しました。全体的に各部品を見るとそれほど使用頻度は多くなかったような感じです。

扇風機で冷やしながら調整中。アイドリング多めだったので20%ぐらい減らしました。ピークメーターはおまけではなく結構正確です。

消費電力は313W

カバーのネジが入りにくかったのでタップを立てておきます。

空冷ファンを取り付けます。

ここから圧送しているわけですが四角い穴が開いているのでここから空気が漏れます。

ブチルゴムがあったので張り付けておきました。 アンプを置くと空気取り入れ口との距離が狭いので、できればアンプの脇に何か板を置いて少し高くして空気を入れる隙間を広く取った方が良い感じです。

交換部品 コンデンサーは上側は膨らんでいなくても下側が膨らんでいました。熱の影響か漏れ電流が多いのがありました。

L.R=100Hz 方形波

L.R=10KHz 方形波

完成 残留雑音 L.R=0.1mV   周波数特性 L,R= 5-80KHz -1db メンテナンスする前はいくらか発振気味というか不安定な動作をしていましたがそれが全く無くなりました。 入力感度やメーターは左右良くそろっています。ファンの動作音はそれほど気にならないです。

試聴中 アンプが重くてシステムに入れて試聴は無理なので作業場での試聴となりました。DENON DCD-755II+FET差動プリ+Exclusive M4a+ONKYO D-052TXで試聴 力強い音という印象です。

 

 

 

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