HOBNOBlog

ロンドンから徒然に

すべての空に静かな朝を すべての星に静かな夢を

2007-08-09 | 日常
 先日観た映画で、このブログでも触れた『ヒロシマナガサキ』の英語のタイトルが『WHITE LIGHT / BLACK RAIN』です。この後ろの部分の“空から黒い雨が降ってくる”というイメージが、ものすごく恐ろしい現象として子供心に刻まれたのを覚えています。もしもまた原爆が落とされるようなことがあったら、もうその時は人類そのものが破滅の時なんだと。だからこそ同時に切実な思いで平和を希求したことも覚えています。

 時が経つに連れ、東西冷戦の緊張感も解け、このまま進めば核廃絶に向けての動きも出るだろうと楽観していたら、いつの間にか時代は逆行して、たくさんの核保有国が生まれました。以前の米ソの対立図式がごく単純に思えるくらいに、各国間あるいは宗教の対立関係も捩れたものになり、本当にいつ核戦争が起こっても不思議ではない緊張を孕む時代になってしまいました。

 そんな中で長崎が被爆から62年目の日を迎えました。
 長崎で被爆した人のうち、この1年間だけで3,069人もの方が亡くなり、これまでの累計の志望者が14万3,124人になりました。

 唯一の被爆国である日本がやるべきことは、核兵器廃絶に向けて世界のリーダーとなることではないでしょうか。
 それなのに、肝心の安倍首相は9条を含めた憲法改“正“”に固執しているし、その他の要人でも、核武装の“議論はあってもいい”という、いざとなれば詭弁で逃げられるような言葉面で、核兵器保有の願望が垣間見える発言の中川昭一自民党政調会長だとか、地元出身なのにさすがに式典に出席できなかった「しようがない」発言の久間氏前防衛相だとか、むしろ平和願望への流れに逆らっているようにさえ思います。

 さて、では僕等に何ができるのか?
 以前長崎を旅して、原爆資料館を訪ねた後、HOBNOBの相方の西川と話し合い、『すべての空に静かな朝を すべての星に静かな夢を』という歌を作りました。珍しく詩も曲も直情的に表現しました。今となっては、もっと違ったアプローチもできたのかなと思っていますが。これからも(残念ながら)無くなることはないテーマなので、試行錯誤で人の心に届く歌を作りたいと思います。

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