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ロンドンから徒然に

暴動

2011-08-14 | 日常
 たかだか1~2週間の不在でそう変化があるはずもないのに、今回日本から戻ってきたロンドンの街の景色には少し違和感が……

 着いた日は平日で遅くまで開いているはずの食料品店が閉まっており(おかげで翌朝のためのミルクを買い損ね)、よく見ると周りのお店もシャッターを下ろして……そればかりか、明らかに投石で壊されたショーウィンドウも。



 そう、もう既に日本でも何度か報道されたと思いますが、イギリス中に広がった暴動の結果なんですね。
 うちの近くはチェルシーと呼ばれる、どちらかというと「上品な」地区なんですが、それでもこの状態。暴動の中心になった地域のひどさが思いやられました。

 ご存じのようにきっかけは警官による黒人男性射殺事件。人種問題を巡る抗議運動とも思えた動きも、中身を見れば単なる略奪・暴動。こうして確固とした意思もなく流れに乗じて欲望を満たすだけの輩がいつも純粋な行動(今回の初期の動きが果たしてそうだったのかも疑問ですが)を貶めているように思います。いずれにしろ、テロ同様、暴力という手段自体絶対に許せません。

 政府は早速毅然とした態度を示すべく鎮圧に乗り出しました。街中に張り巡らされたCCTVの映像をもとに容疑者を逮捕したり、その暴動参加者を公共住宅から退去させたり、顔を隠すフードを脱がせる権限を警察官に与えたり……

 ただひとつ気になるのがネットの規制。今回の暴動の各地への伝播にソーシャル・メディアが影響力を持ったことから、政府はこれらのサービスを一時中断させることなども検討しているとのことなんです。

 確かに最近ではこれらのソーシャル・メディアの持つ威力は世界各地で証明されている通り。正の力も負の力も、その大きさは他に比べるものがないくらいでしょう。
 ただ、例えばtwitterでデマが広がった場合、同じくそれを打ち消すtwitterの伝搬などで自浄作用が働くケースが殆どです。

 こういう機会に乗じて政府がメディアを規制するというのも何だか恐いですよね。どうしてこの暴動の際に、それを抑えようとする自主的なメッセージも発信されなかったんだろうと残念に思います。

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