植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

お宝放出のチャンス到来かも

2022年07月03日 | 篆刻
先日、書道家岩永栖邨さんと思しき方の篆刻印を入手いたしました。
1950年生まれなのでまだ存命でしょうが、もしかしたら亡くなって遺品整理したのか、断捨離したのかもしれません。栖邨さんは、日展特選も2度受賞しているかな書の書道家さんで、書道団体や書道香瓔会の主催者でもあり、日本でも屈指のかな書家さんであろうと思います。

その印は、24個で半分以上は刻印しており、残りはすり潰したものと未刻印でありました。ヤフオクで印材などを求めてチェックしますが、やはり本物の書家さんが使った印や自刻印は、優れて美しく篆刻家を目指すワタシにとって目の保養だけでなく、技法の習得にも大変役に立つのであります。
全部で落札価格はなんと5775円で.、一個当たり240円ととても安く入手できたのです。

別号を「雙吉斎」とされていて、本名は「哲」さんでしょうか。二文字の雅号印(真ん中右)などは、枠を極限まで落とし「古印」の趣が素晴らしいです。また、下中央の「甕印」も風情があります。以前自分で同じような甕の形で印を彫りましたが、こうはいきません。印材は色々取り交ぜてありましたが、ワタシが欲しかったお目当ては、上にある黒っぽい印材であります。黒緑色の中にいくつも朱色が流れており、これは「鶏血石」と確信したのです。偉い書家さんは大体鶏血石を1,2個持っている、というのがワタシの経験からの法則であります。赤い血の占める割合は少ないですが、それでも自然石の形そのもので、これだけの大きさならば軽く1万円以上は致します。これ一つで落札額の倍の価値はあろうというものです。

先日、とても気に入った水滴の紹介を致しました。これです。
「龍文堂」製造というブランドの骨董品で、以前からとても欲しかったのですが、ヤフオクでもなかなかの高値になり断念していたのです。それが偶々4125円という安値で入手できました。嘘?本物か?と思いましたが、届いたものは実に見事な細工で時代物でした。ネットではだいたい15千円ぐらいが相場なのです。
ついでに「気を良くして勢いで」二つ落札しちゃいました(笑)。
左が「大明実徳」と銘が打たれている水滴1210円、右が「宗雲」銘の梅の花をあしらった小さな急須型の水滴で2300円。安いものです。値打ちなど関係ないレベルの買い物ですね。

それにしても、最近のヤフオクも異常な事態が起きているような気がします。ワタシの関心は、篆刻に関わるものだけで他は分かりませんが、何気ないものやいままでワタシにも手が届くレベルの出品物が妙に高値で落札されるのです。

先日はこれが驚きでした。西冷印社の印箱であります。中に印泥が入っておりますが、これがなんと121千円で落札!!。入札件数68件なので相当ヒートアップしたのでしょう。評価点が数千点以上の入札者が上位を占めていました。

ワタシも似たような物を二つ所蔵しておりますが、左が16千円、右のは7千円位でした。中身の印泥や印合の価値も加味されるとしても、流石にこれは高すぎです。
 田黄石なども、軒並み5万円から10万円以上出さないと落札出来ません。値打ちものとみんなが認める品物はばんばん応札され、価格が跳ね上がるのです。最近ではもう、入札もせず指をくわえて眺めるだけであります。つまり、ワタシなどは、幸運に恵まれ、がらくたを子細にチェックして地味にいいものを見つけ、偶然安く落札出来ることでもないと、値打ちものを入手できないのです。

簡単な説明文と10枚以内の写真だけで、真贋不明の品物に10万円以上も投じる人の気が知れないのですが、恐らくワタシら平民と違って、動かすお金の単位が二けた位違う人種が世の中に沢山いるのでしょう。

そして、今の円安と物価高騰であります。中国人などの外国人投資家や美術商などが、日本のオークションに参入し、買い漁っているのではないかと思うのです。もしそうだとするなら、安い時に「値ごろな品物や掘り出し物」を数多落札してきたワタシにとって、一挙放出一攫千金の大チャンスが到来しているのかもしれません。

とはいえ、いまだにヤフオクに出品したことが無いワタシであります。みすみす儲けるチャンスを見逃すのか、頑張って出品の手順や操作を覚えるか、運命の分かれ道であります(笑)

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