私が子供の頃暮らした家は台所が土間になっていて、
そこに大きなかまどがあり、
薪でご飯を炊いていました。
夕方、お釜で炊いたご飯をおばあちゃんが御ひつに移す時、
私と妹はよくその側にくっついてワクワクしていたものでした。
なぜなら、おばあちゃんは釜にくっついた熱々のおこげをフーフーと言いながら丸めて、
それに味噌を付けて、お握りを作ってくれたからです。
晩御飯前の楽しくて、美味しいひと時でした。
あの頃は誰も「ご飯前に他のものを食べたらいけません。」なんて、
無粋なことは言わなかったな。
物はなんにもなかったけれど、
のんびりした、いい時代だったなと、
懐かしいです。