ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

入鹿池(再)

2018-02-15 17:27:49 | 愛知県
2018年2月10日 入鹿池(再)
 
入鹿池(再)は愛知県犬山市堤下の木曾川水系五条川上流部にある灌漑・防災目的のアースフィルダムです。
徳川幕府成立以降木曽川流域の治水とともに新田開発が進められ、その水源として尾張藩初代藩主徳川義直の命により1633年(寛永10年)に築造されたのが入鹿池です。
しかし、幕末の1868年(慶応4年、明治元年)に『入鹿切れ』と呼ばれる大規模な決壊事故が発生し、犠牲者700人を超える大惨事となり、この復旧には1879年(明治12年)まで時間を要しました。
1991年(平成2年)に竣工した入鹿池再開発防災ダム事業により従来の灌漑に加えて農地防災機能が付加されダムの目的はFAとなりました。
2005年(平成17年)には愛知用水からの補給が開始され、灌漑機能は格段に向上しました。
入鹿池(再)は総貯水容量、湛水面積ともに香川県の満濃池を凌ぐ日本最大の農業用ため池で、池の管理は入鹿用水土地改良区が行い、犬山市・小牧市・大口町・扶桑町の628ヘクタールの農耕地に灌漑用水を供給しています。
また日本を代表する溜池として2010年(平成22年)に『ため池100選』に、2015年(平成27年)にはICID(国際かんがい排水委員会)により『世界かんがい施設遺産』に選定されました。
 
入鹿池南側を通る県道16号線から
堤体に『いるか池』の文字が見えます。
堤頂長は724メートルに及び、ここから見える堤体はほんの一部です。
ダム下には放流設備や愛知用水からの揚水設備などが並びますが、訪問時は工事中のため立ち入りできませんでした。
 
延々と続く堤体。
 
池を管理する入鹿用水土地改良区事務所
隣接する明治村に合わせて明治風の建物になっています。
 
右岸の横越流式洪水吐
鋼製起伏ゲートがあり貯水位を1メートル調整できます。
 
溜池としては日本最大規模を誇る入鹿池
ワカサギ釣りのメッカでシーズンの休日ということで多くの釣り船が湖面に出ています。
 
取水塔も明治風の建物。
 
上流面
堤頂長は740メートルを超えます。
 
天端は車道になっており、釣り客向けの貸船屋や食堂が並びます。
天端に店舗が並ぶアースフィルダムは全国でもここだけでしょう。
 
まるで墓石のように各種記念碑が並んでいます。
 
世界かんがい施設遺産の記念碑。
 
古い取水塔のバルブが展示されています。
 
日本を代表する灌漑用ダムとしてじっくり見学したいところですが、ちょうどワカサギ釣りシーズン真っただ中、駐車場の確保にも困りあわただしい見学となりました。

入鹿池(元)
ため池コード
愛知県犬山市
木曽川水系五條川
28.9メートル
692メートル
15200千㎥/15200千㎥
入鹿用水土地改良区
1633年
----------------
1242 入鹿池(再)(1239)
ため池コード
木曽川水系五條川
FA
25.7メートル
724メートル
18479千㎥/18479千㎥
入鹿用水土地改良区
1991年 


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (美作ダム倶楽部)
2021-12-15 13:28:09
こんにちは。
先日、今年最後のダム活動でこの入鹿池にも行ってきました。
日曜日だったのでスゴイ釣り客で、車を止めるのにも困りました。
結局、貸し船屋に駐車料金を払い止めさせてもらいましたが。。。

また記事を数か所アップするのでリンクさせて頂きます。
Unknown (match1128)
2021-12-16 03:23:53
美作ダム倶楽部様、コメントありがとうございます。
入鹿池を選ぶとは渋い選択ですね。
溜池好きならここと満濃池は外せませんね。
ブログアップされるの楽しみにしております。

コメントを投稿