マッシーパパの遠吠え

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TBSドラマ「日米開戦と東条英機」 その東条は首相の器でなかった!?

2008-12-28 10:55:08 | Weblog

去る24日(水曜日)に放送されたTVS特別番組の第一部「あの戦争は何だったのか」の視聴率は13.6%。 第二部・ドラマ「日米開戦と東条英機」は12.1%だったという。マッシーパパも見たが、主人公・東条英機のたけしをはじめ、阿部寛、高橋克典、西田敏行そして、市川団十郎など、豪華なキャストの割に意外な気もしないでない。おそらく、平日のしかもイブの夜という放送時間にも問題があったのかも。

ま~、それはともかく、このドラマの内容を巡って、右と左からいろいろとクレームが出ているようだ。右系は言うまでもなく、東条英機擁護論で、「カミソリ」といわれた東条のよさが描かれていないという。しかも、腹の出たたけしが顔をヒクヒクさせてガニマタで歩くのさえ気に入らないとか。そして、東条よりも日中戦争を泥沼化した近衛文麿の責任を問うべきとし、劇中で語る近衛の親族の身内びいきと罪を東条一人にかぶせる話に怒る。さらには、真に開戦に導いたのは徳富蘇峰や新聞界の国民誘導だと弁明もする。又、あるものは石油を絶たれて、やむなく、開戦に追い込まれたのを以って、東条が泣きながら天皇に奏上する場面に感激したりもする。

一方、左からは、ドラマのどこにも、戦中に行った東条の蛮行が描かれず、むしろ、家庭的な面を強調しすぎという。つまり、憲兵を使って政敵を葬ったり、意に沿わない記者を戦地に飛ばしたことをさしているようだ。確かに、劇中でも、一番の腹心だった、もう一人の主人公・非戦論者の安部寛演ずる石井中佐が最後に、主戦論と非戦論のハザマで悩んでいた東条に建言するくだり。「閣下がおやめになることこそ、戦争を避けられるのでは・・」に激怒、「能力に劣る自分が努力と忍耐で今の地位を築いたのが、お前みたいなエリートにわかるか」といって、彼を戦地に飛ばすのを見ても、東条の悪行が容易に推測できる。

ともあれ、東条が「カミソリ」なのか、石原莞爾が彼の部下となりその器の小ささから、「東条上等兵」と呼んだ逸話が実像なのかこのドラマで確かめることができるのも、マッシーパパの楽しみの一つだった。

ま~、その結論は後に回すとして、このドラマの圧巻の、開戦か否かを連日にわたって議論する「政府大本営連絡会議」の場面。この手の実況放送的手法は迫力があって、いとよろし。でも、よ~く、見れば、何かが変。議論をし尽くすはずがリーダー不在で延々だらだら。陸軍、海軍、外務省、大蔵省の省益のぶつかり合い、そのどこにも、国益、国民目線が見られないことである。

即ち、①主戦論者の東条が、天皇より組閣の大命を受けるや否や、慎重派に転ずる無理・矛盾。それが、最後まで尾を引き、大事な決断を逃すハメに。

②日米彼我の差、軍艦で10:7、総合軍事力10:1も米国は自由の国で国民はバラバラ、日本は一致団結しているから、負けるワケがないといいながら、政府、陸軍、海軍の関係はバラバラの矛盾。

③陸軍も海軍もホントは戦っても勝てないことを知りながら、言い出すと、2.26事件のテロがあるだけに恐れて口に出せない臆病揃いのリーダーたち。

④東条も石井も戦争を回避する一番のキーが「海軍の戦争忌避」にあると読んだが、当の海軍が、鉄とアルミの配分で陸軍の譲渡により一転、「開戦論」に傾く節操のなさ。

⑤戦争をしなくてすんだかもわからない、日米交渉で、米国側の要求、「中国からの撤退」に、その期限をめぐり、100年、50年を口にするおろかさ。彼ら軍人にとって、「戦争の大儀」しか眼中にない視野の狭さ。

⑥そして、何よりも、錦の御旗のように口に出す、「統帥権」。この絶対不可侵の大権を統帥されるべき立場の軍が持つのがそもそも大間違い。だからこそ、天皇の御下問、「戦争に勝てるのか?」に、答えられぬままに、戦争に突っ走ったのである。徳富蘇峰が言ったように、「戦争というのはどんな動機があろうとも、負ければ悪だ」であるから、その責任は当然、誰よりも重いものであるはずだ・・等々。

ところで、TVがこの企画を今、このときに試みたのも、昨今、繰り返される政権交代、省庁の縄張り争いなど、現代と共通点があったからこそ。そして、日本というシステムが持つ危うさが、今の時代にもあるというメッセージを伝えたかったのである(http://www.tbs.co.jp/anosensou2008/introduction.html)。

だからこそ、エンディングに、徳富蘇峰を再登場させ、「東条は学なく、識なく、量なく、胆なし。ただ、君国に忠に、軍人たる義務に切に、しかして自ら努めて一身をその所信に投没せんことを期したることは予又これを認む」、要するに彼は首相の器にあらずと言わせしめているのである。

これって、今問題の誰かさんと瓜二つ、ひょっとして、この「100年に一度の国難」に立ち向かうには、あの人も、「首相の器」にあらずではないの?・・。

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