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歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

アトムレンズ?!

2012-08-28 22:05:17 | いろいろあります
そもそも、今年になってWebページを色々と見ていた時に、気になった事があります。レンズから放射線が出ていると云う事と、話の渦中にあるレンズが、我が家にも3個あるスーパータクマー55mmF1.8と云う事です。

色々と調べていくうちに、古くはライツのズミクロンが始まりで、国内のレンズ・メーカが次々に採用したと云う事が判ってきました。空気さえも写ると云う表現から、レンズ性能は相当に良いのですよ。との事も聞く事が出来ました。

問題の放射性物質は何か、と云う訳ですが、調べてみて酸化トリウムであると云う事が判ります。トリウム…。色んなところで昔に聞いた希土類金属の一種です。

トリウムを混ぜると、金属は強くなります。特にタングステンと混ぜると、耐久性が上がります。このため、真っ先に思いつくのがトリウムタングステン・フィラメントで、これを採用した真空管が211です。オーディオ・マニア垂涎の真空管ですね。電球色に輝く真空管は、今では少なくなりました。

また、溶接で用いる電極棒も、つい最近までトリウムタングステン電極棒と云うのがありました。溶接の仕上がりが良くなるのですよ。と云う事も聞いた事があります。こんな話をしていると、溶接を行った部分が触れなくなってしまいますので、実際に、測ってみようと云う事になりました。

とはいっても、測る機械がありませんでしたので、色々と探るうちに、秋月電子通商から簡易キットが販売されていると云う事を聞き、早速取り寄せて作って測定を行いました。マニュアルには、あくまでも放射線の有無に関する判定で、目安として使用してくださいと書いてあります。出ている・いないの判定には使えそうですので、所有レンズの後玉付近にくっつけて測定を行いました。

スーパータクマー55mmF1.8(0.6μSv/h)、スーパータクマー50mmF1.4(1.2μSv/h)、SMCタクマー35mmF2(1.6μSv/h)の3つとCanonFL50mmF1.8(0.3μSv/h)が、どうやら出ているみたいです。日によって出たり出なかったりするので、複雑な気分ですが、何も近づけないと数値はゼロのままですから、何か出ているのかもしれません。表示された値は少し小さな感じはしますが、放射線は出ていると思われます。

放射線量が一番大きなSMCタクマー35mmF2ですが、これの後玉部分を体にくっつけて1年間放置すると、14mSvの被爆量となりますが、おそらく、そのような事はしないので、特に問題はないのでしょう。後玉部分からセンサ部分が数センチ離れただけで、表示がほとんど0になってしまいますので、日常的にレンズが近くにあっても、さほど問題にならないのかもしれません。

問題は、レンズを分解するなと云う事かも知れません。あまり手荒に分解すると、レンズが鏡胴と擦れ、粉になったガラスを吸い込んでしまう事で、内部被爆をしてしまうと云う事ではないかと思います。アトムレンズはマスクをして分解し、清掃後は手を良く洗うのが良い方法かもしれません。

このトリウムレンズは、今では黄変しています。程度こそ様々ですが昼でも夕方の様に写ります。リバーサル・フィルムではシアンなどの有色フィルタを用いて補正する必要がありますが、ネガ・フィルムやディジタルカメラでは、撮影後、プリント時に補正を行う事で無事に色が出せます。今ではセピア色を出して、ノスタルジックな雰囲気を味わう写真も見かけますので、一概にダメレンズと評価するよりも、活用手段を見つけて、末永く愛玩する事も必要ではないかと思った次第です。

仕事をしているときには、写真がなかなか撮れないので、週末に撮影した時に掲載したいと思います。
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