ペンタックスQ用に力を込めて設計した標準レンズで、一番最初に発表されたレンズでもあります。では、キットレンズになったかというとそうではなくて、標準ズームレンズと望遠ズームレンズがキットレンズの役割を担いました。力を込めて設計したと思わせるレンズで、これ1本あれば大抵の撮影が解像感良く行えます。
何しろペンタックスQが小さな撮像素子を使っていますので、当初のお手本になった110サイズのフィルムよりも撮像素子が小さくて、昔のレンズがしっかりと望遠レンズになってしまいます。このため新たに設計を行ったレンズと言えるのですが、8.5㎜の焦点距離でF1.9の明るさを持っていますのでレンズ設計は苦難の連続であったと思います。
レンズ自体が超広角レンズですので、当然ながらこのスタンダード・プライムも樽型の歪曲収差を持っているという事になります。これはどうしても避けられない問題で、ペンタックスQ専用レンズですから、補正機能をカメラ側に持たせたという事になります。確かに装着するレンズが専用レンズですし、今ではレンズ情報もカメラ側で判読できますから、しっかりと補正が出来るという感じです。
もちろんカメラ側の補正機能を切れば、しっかりと歪曲が判りますのでその効果は絶大です。標準レンズ画角を持つレンズですから、標準レンズという目で見た場合に画像のゆがみがあるとあまり面白くないわけです。逆に歪曲を愉しみたいときには補正機能を切れば元が超広角レンズですから、超広角レンズ特有の画像ゆがみを満喫することができます。
もちろん画質は折り紙付きという感じで、加えて非球面レンズに分散レンズと色々なレンズが実装されています。高級なレンズという位置付けもありますから、しっかりと解像して写りも現代流という嬉しさがあります。そつがないという現代流の写りをする反面、昔からのタクマー利用者からすると蒸留水の写りになってしまって、多少の物足りなさを感じる時もあります。
何はともあれ現代流の写りをするレンズですから、基本の写りをするレンズとして自身も購入したという感じです。現代流の写りをするレンズですので、昔レンズによくあるフレアやハロが少なくなっていて、くっきり・はっきりと写ります。明るい背景でもしっかりとコントラストが出ますので、後からハロ除去をする手間がなくなって好都合です。
結構優等生の写りをするレンズなのですが、反面これといった癖がなくていたってまじめに写ります。昔レンズを使うわが身にしてみれば、少しは何らかの癖があるとそれを作品の中に活用するのですが、優等生レンズでは平凡な雰囲気になってしまって、面白味がないという事になります。
元が超広角レンズでもあって、被写界深度もかなり深いというところなのですが、F1.9の明るさをもってしても被写界深度はそれほど浅くならないという事になります。つまりボケ味があまり柔らかくならないという感じで、かなり頑張って明るくしても、35㎜カメラのボケ味にはかなわないという感じです。
お盆休みになって台風が通り過ぎて行ったおかげで、強烈なフエーン現象になって石川県でも40℃に迫る気温になりました。流石に気温が高い日は撮影行に出かけられずに、次の日の早朝に行ってきたという感じです。やはり気温が自身の体温よりも高くなると、出かけると熱中症になってしまいそうで、あきらめたという感じです。
時期はもう立秋という感じなのですが、まだまだ猛暑日と熱帯夜が続きそうと思う反面、だんだん最高気温と最低気温が下がってきて、秋に向かっていくのではないかと期待しています。今はまだ夏の雰囲気で、夏の花も大体終わってしまって寂しい雰囲気なのですが、これからの秋の草花に期待したいというところです。
それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。
PENTAX Q7 Standard Prime 8.5mmF1.9
撮影データ:1/1250sec F3.5 ISO100
お盆のころから目に付きだす花は宵待ち草という感じで、空き地や河原の土手などに咲き出してきます。いたるところに咲いていた感があるのですが、草刈りを頻繁に行う今では目に付かなくなった貴重な花です。