あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

写ルンですも30年

2016-04-30 15:16:07 | フィルムで行こう
レンズ付きフィルムで、社会人になった頃に販売が開始された写ルンですも、30年選手になりました。Webで最近知った訳ですが、もう30年もたったのかと感慨もひとしおです。出始めの頃は果たして写るのかという不安もありましたし、現像に出すとカメラは戻ってこないリサイクルのカメラですから、今までの方法と違った感じで戸惑いも多くありました。

何しろISO100のフィルムが入っていましたから、明るい晴れた屋外でしか撮影できず、条件に合致する雰囲気が合うまでは撮影も出来ずに、いつも机の上に写ルンですが残されている状況でした。数ヶ月かかってようやく撮影を終えて、現像に出す感じですので最初に撮影した状況や被写体の事を忘れてしまっており、思い出すのに苦労しました。

程なくしてフラッシュ機能が付加されると、色々な場面で使うことが出来てほぼ一回の撮影行でフィルムを使い切ることが出来て、結果に満足する状態になりました。写ルンです自体は、安価なフィルムカメラのひとつですから、レンズの解像力は他の一眼レフ・カメラ用レンズにはかなわないと言った感じです、

それでも、使い道は結構多くて色々とお世話になりました。当時は登山も頻繁に行っていましたので、山の上に持参するカメラはフル・マニュアルのカメラか、この写ルンですだった訳です。何しろ湿度が相当に高い上に気圧や温度変化が激しく、フル・マニュアルのカメラでもレンズのカビ誘発や動作不良を起こしてしまいますので、写ルンですが主役の感じでした。

しかし、それ以上に思っていたことは、失敗したくないショットの時に意外と写ルンですが使えることです。何しろ封を開けるまでは新品カメラですから、集合写真撮影の時などはバッグの中に必ず忍ばせておいて保険のためにもう一枚撮影しておきます。ピント固定でシャッターや絞りも固定のカメラですが、それが逆に間違いのない写真を撮ってくれるといった感じです。

最近では水没できる防水型写ルンですもありますから、海水浴の時にはことのほか重宝します。カメラを防水仕様にするにはお金と手間がかかりますので、海の中に持って入るカメラは写ルンですが主役です。撮影が終わったらカメラ屋さんに返却して、またフィルムを詰めてもらって新品同様にしてもらう。洗って再利用する手間を考えれば、割と安価に購入できますから至極便利です。

30周年記念のキットが販売されていましたので、早速購入してシンプルエースの外側に着せ替えキットを装着すると、昔懐かしい写ルンですが蘇ります。側面のフジカラー・ロゴも懐かしく、昔に戻った感覚で楽しく一本を使い切りました。カメラ屋さんで直ぐに現像処理が終わるネガカラー・フィルムですから、待つことがなくて好都合です。

昔は黒白フィルムまで詰めていた写ルンですですが、今では種類も少なくなりましたがここぞの時に便利に使えますから、これからも機会を設けて使いたいと思います。

それでは、今月中旬に撮影した写真から掲載します。


写ルンです シンプルエース(30周年バージョン)
撮影データ:1/140sec F10 ISO400
近寄れないし、パンフォーカスの写ルンですは、大き目の被写体が似合います。しだれざくらが満開でしたのでスナップ感覚でワンショット。結構細かな部分まで写ります。
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Hexanon 45mmF1.8(Konica Auto S2)

2016-04-28 19:29:39 | フィルムで行こう
今年の桜は直ぐに満開になってしまって、お花見をしようと思ったときにはすでに散り始めでした。しかし、ソメイヨシノは散り始めてもこれから見頃になる桜はまだあって、しだれざくらはこれからが見頃になります。まだ芽が伸びてきたくらいなのですが、山桜はこれからゴールデン・ウィークにかけて見頃を迎えます。

しかし、ソメイヨシノのまだ残っている花が多いですから、ここはひとつフィルムということで棚を見たらエクター100が残っていました。早く使わないと期限が来てしまいますので、カメラとレンズをチョイスします。コダックのエクター100は超微粒子フィルムで、カラー・ネガフィルムでありながらポジフィルムと同じ粒状性を持っています。

ニッチなネガフィルムでおいそれとは買えない訳ですが、一旦買ってしまうと使うのが惜しくなって、いつまでも棚に残ったままになっています。また、超微粒子フィルムに見合うレンズをチョイスしないと、細部があまりはっきりとはしない結果になりますから、レンズ選びも真剣になります。今回はコニカのヘキサノンを使うことにしました。

コニカオートS2についているレンズで、レンズ交換は出来ないのですが、このレンズを使うがためにカメラを購入した訳で、解像力と生々しい描写力が取り柄です。質感もきれいに出てくるレンズですので、持ち出す機会が増えているカメラです。このカメラであれば、エクター100を使っていても細部まで細かく解像しますので、仕上がりの満足感が高くなります。

ソメイヨシノが散り始めになった週末に撮影行に出かけました。曇り空の天候であまり彩度が得られない環境でしたが、そこはコダックのフィルムです。晴天時には少しどぎつめに写りますから、スキャン時に彩度を下げる工夫が必要ですが、曇天時にはどぎつさが相殺されて、桜の花本来のピンク色が出やすくなります。

一抹の不安を抱えながら、撮影行を終えてフィルムを現像に出します。エクター100はカラーネガ・フィルムですから、ポジフィルムのように数日間待つ必要はありません。出来上がってきたネガを確認してほっとしたという感じです。曇天時の撮影では色温度が高くなって色合いも変わってくるために、不安は結構ありました。

何とかスキャンして結果を見ると、それほど色補正は必要が無い位に仕上がっています。結果とすればおおむね満足出来る結果となりました。加えて銘玉ヘキサノンの解像力は確かなものがありますから、結果に大満足となりました。さくらのしべは結構小さくて、なかなか解像出来ない感じなのですが、近寄れないコニカオートS2でも、花びらの風合いやしべの並びが良くわかる仕上がりになっています、

さくらの咲き始めとなった前の週に、ディジタル一眼レフ・カメラで撮影しましたから、今回はフィルムでも満足できた感じで、今年のお花見シーズンも一応成功といったところです。これから後は山桜や藤の花で、公園や街路樹の新緑を含めて撮影の機械が増えそうです。色々なカメラとレンズを使いながら愉しめる季節がやってきました。週末は忙しくなりそうです。

それでは、今月始めに撮影した写真から掲載します。


Konica Auto S2 Hexanon 45mmF1.8
撮影データ:1/125sec F5.6 Kodak Ektar100
川の堤のソメイヨシノも満開を過ぎると、撮影できる場所が限られてきます。一本一本確かめながら、最良の場所を探します。
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古き佳き時代のデジイチ

2016-04-26 19:11:01 | いろいろあります
ディジタル一眼レフ・カメラが出た頃は、これでフィルムの出費が少なくなると大枚叩いて購入しました。何しろネガフィルムの解像度と同じくらいのディジタルカメラであったわけです。一番最初に購入したのがニコンのD70で、今でも使ってみると何かしら現代のディジタル一眼レフ・カメラとは違った趣があります。

その後、D200へとグレードアップして、やはりペンタックスのカメラでしょうと、当時のistDを買おうと色々考えましたが、時すでに遅しでK10Dの時代になっていました。K10Dまでのカメラは、画素数がアップして行くのですが高感度特性は基準ISO感度よりも高くなるとノイズが増えてしまってフィルム粒子よりも汚く見えるがために、専ら基準ISO感度で用いていました。

今では高感度時のノイズを、ある程度は現像ソフトウエアで軽減することが出来ますから、これら古き佳き時代のディジタル一眼レフ・カメラも、新たに活躍の機会が与えられて現用復活になっています。やはり画素ピッチの粗いディジタル撮像素子は、それなりに明暗差のダイナミックレンジが広く、多少暗めに設定しておいて後から明暗差を調整すると、フィルムまでは行かないのですが、それなりに満足できる結果を残すことが出来ます。

少ないメモリ量で沢山撮影できますし、パソコンの負荷も少ない訳で、ストレスフリーでディジタル現像を行いたいときや、SDカードやCFカードの容量を気にすることなくバシバシ撮影が行えますから、ある意味頼もしい助っ人と見ることも出来ます。ワイド四つ切位の大きさまでの大きさで鑑賞するのであれば、実際的には600万画素で十分すぎるほどです。

加えて、レンズの解像度も大きく影響します。一般的なキット・レンズで撮影するとなると、レンズの解像度がカメラの解像度に負けてしまって、大きく引き伸ばした際にピント位置にある被写体がうっすらボケてしまうことが多くなります。うんと絞り込んで撮影すればそれなりになりそうですが、今度はディジタル固有の回折現象が起きてしまって、満足できる結果になりません。

これらの事柄を勉強できて、最良のポイントを探し出すことが出来るのが、初期のディジタル一眼レフ・カメラであると考えることも出来ます。最良のポイントを見つけ出して、そのセッティングを用いて現代のディジタル一眼レフ・カメラに応用すると、なんともきれいに描写するために、十分満足できるという次第です。沢山撮影できますからピント位置や露出とシャッター・スピードをばらして数十枚撮影して、翌日の本番撮影に応用するという感じで活用しています。

フィルムの場合は、回折現象が目立ちにくい事と、元来フルサイズです。しっかりと絞り込んで高画質なわけですから、更に絞り込んで撮影ということが多くなります。ボケの角が立つことを気にする前に、気になる被写体の時にはプリセット円形絞りのレンズを用いれば、十分納得できる結果が得られます。

古き佳き時代、黎明期のディジタル一眼レフ・カメラはそのようなことを教えてくれます。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


D200 Ai・Af Micro Nikkor 105mmF2.8
撮影データ:1/500sec F5.6 ISO100
庭のうぐいすかぐらが今年も花をつけています。桜が咲く前のピンク色の花は、張る本番を告げているようです。
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EBC Fujinon-T 135mmF2.5

2016-04-24 07:36:50 | 国産レンズ
レンズの紹介本を見ても、Webで探してみても、あまり紹介されていないレンズです。主に輸出用レンズであったと思われ、海外の紹介記事のほうが多いので、国内で保有されている方が極端に少ない、ある意味お宝レンズと考えています。広島のカメラ屋さんでフジノン55mmF2.2を見付けて買おうと思ったときに、こちらのほうが凄いですよと紹介されたのがこのレンズでした。

ずっしりと重たい135mm大口径望遠レンズですが、売られていた当時は凄く高い高級レンズで、学生写真家の方は大抵135mmF3.5の普及版レンズで満足していました。135mmF3.5レンズは、どのレンズもキット・レンズであり、カメラを売る際の看板レンズでもありましたから、性能で手抜きを出来るわけもなく、十分満足して撮影できたことも数的に少ない要因となっています。

手に入れてよく比較してみると、スーパータクマー135mmF2.5やSMCタクマー135mmF2.5前期型とほぼ同じ感じです。エルノスター・タイプを踏襲した構成になっているわけで、明るくて解像感も持っている優秀レンズであることが判ります。加えて、メーカがフジフィルムであり、国内最強のレンズ・メーカでもあるために何らかのモディファイが施されていると考えています。

実際撮影してみると、大口径望遠レンズにありがちな収差フレアをあまり感じません。薄いフレアのベールを被った被写体はあまり面白くありませんので、この点でもEBCフジノンの実力を感じることが出来ます。しかし、現代でも共通して発生しているフリンジは出てきますので、あまり被写体と背景の輝度差を持たせないようにすることも大切と考えています。

F2.5レンズは多少暗い場所でも撮影が楽に行えて、とても便利です。特にシャッター・スピードを1.5倍くらい早く出来ますから、夕暮れ時や森の中などの光量が不足する状況で威力を発揮します。昔は高くて手が出なかったレンズですが、タクマー・レンズは安く手に入って手頃になった事を痛感させられます。何しろF2.8レンズよりもほんの少し明るいわけで、気分的にもストレスが無くなります。

晴れの週末は山歩き。暖かくなってくると熊が出てきますから、今の時期に山歩き撮影行を行います。あまり近づけない場所にある被写体をぐっと引き寄せて、解像感も良く写すことができるEBCフジノンT135mmF2.5は、山歩きの際に信頼できる相棒になります。APS-Cサイズのディジタル一眼レフ・カメラでは200mmレンズと同じ画角になりますから、拡大倍率も程々に稼げて満足感が高くなります。

恐らく2本目のレンズは手に入らないであろうと思われるお宝レンズですので、レンズ前玉に傷をつけないように大切に扱う感じです。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 EBC Fujinon-T 135mmF2.5
撮影データ:1/125sec F5.6 ISO100
山の上の公園で観賞用の梅が満開になっていました。八重咲きの梅は春の暖かさを伝えているようで、心も落ち着きます。
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Nikkor-H Auto 50mmF2(Nikon F)

2016-04-22 19:30:00 | ニッコールレンズ
昔々のニッコール・レンズで、Ai以降のレンズは高い中古価格なのですが、Ai改造がされていないレンズは、現代の一部のカメラにしかつきませんから、手ごろな価格である感じでジャンク品としてかごの中に入っていたりします。ニコンFのスターター・レンズでもありましたから、入手は比較的容易いと感じています。

このレンズの高級バージョンはニッコールSオート50mmF1.4ですが、フレアやにじみが強く感じられるレンズで、ニッコールの解像力を実感したいときには、この50mmF2が有利です。安いのだけれど実力派レンズで、少し絞り込んだときの解像力は相当に高いので、満足できる結果が残せるレンズと感じています。

オールド・ニッコールは確かな解像力と、もうひとつ豊かな発色があります。発色が良すぎますから色のりが良いフィルムをチョイスすると、見事に色飽和を起こしてしまいます。のっぺりとした感じになってしまいますから、彩度が低いフィルムか、それともニュートラルな発色をする渋めのフィルムを選ぶほうが良いと感じています。

F1.4やF1.8のレンズに比べると多少暗めに感じるレンズですが、ファインダー像を見る限りは違いが感じられないほどですから、感度が高いフィルムを詰め込んで夕方の情景撮影も楽に行えます。扱いやすくて性能はバッチリ、このレンズ一本で色々なシーンに対応できますから、お得感が相当に高い実用派レンズです。

このレンズが発売される前には、ライツのズミクロン50mmF2が販売されていましたので、必然的にその写りを範として開発されたレンズであろうと思います。50mmF2クラスのレンズは、今まで主流を占めていたテッサー50mmF2.8から、ダブルガウス・タイプの現代レンズへのグレードアップ・バージョンとして開発されました。

エルマーからズミクロンへ、そしてテッサーからプラナーへ、世界的なレンズの潮流に乗って国産レンズも奮闘していた感じです。いち早くダブルガウス・タイプで潮流に乗ったオートタクマー55mmF1.8は、F2タイプは絞り制限輪が付いただけで、その後のKマウントレンズでもずっと踏襲されて行きました。

このレンズをニコンFに取り付けると、収まりが良くてデザイン的にも一番まとまった感じになります。フィルムが使えるうちは十分に堪能しようと考えています。このブログでもヒットが多いレンズであって、多くの方の保有レンズであろうと思っています。フィルムが使えなくなったらニコンDfがありますから、あまり気にならないのですが、1本8,000円位でAi改造してくれる感じでもありますし、多少のリスクを覚悟すればリューターで自己改造も行える感じです。

これから春の花が咲き乱れるときにニッコール。桜の花に合わせてポジフィルムのベルビアも買い足して撮影したいと考えています。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


Nikon F Nikkor-H Auto 50mmF2
撮影データ:1/250sec F5.6 Fujicolor Superia X-tra400
川の土手を歩いていると、かんひ桜が咲き出していました。ソメイヨシノよりも早く咲き出しますので、すかさず撮影しておきます。
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