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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

Yashica-D(Yashikor 80mmF3.5)

2019-09-04 06:51:57 | 二眼レフで行こう
ヨーボの現像タンクを横向きにして、回転現像を手で行えるようにしたローラーを手に入れましたので、これで中判フィルムも35mm判フィルムも同じ様に300ccの現像液で済む事になります。現像液の使用量が半分になると、廃液の処理費用も少なくなりますので、行きつけのカメラ屋さんに余り負担を強いる事も無くてよさそうです。

これからは回転現像で、エコに現像液を節約できそうです。しかし、35mm判フィルムになると150cc程になるのですが、液の調合むらが起きそうで面白くありませんので、35mm判フィルムは今までどおり手攪拌で行なう事にするほうが良さそうです。やはり中判フィルムの方が影響が大きくて、使用量が35mm判フィルムと同じになるといったメリットを活かしたいと思います。

手っ取り早く、確実に撮影したいときにはヤシカDが好都合です。何しろレンズは交換できませんし、シャッター系はコパルさんの優れものが付いています。シャッターと絞り関連が確実に動作して、確実な露出計があれば適正な濃度のネガ画像が出来上がります。今回は中判フィルムの回転現像パラメータを探すためですので、ヤシカDが好都合だった訳です。

レンズも富岡光学製のしっかりとしたものが付いていますので、解像度は折り紙つきといった感じです。またコンパクトで軽いカメラですから、夏の暑い日にへばらなくて済みます。丁度被写体が少なくなる盛夏の時期ですから、身近にある被写体を探して撮影し、現像方法を変えながら確認していく事が一つの楽しみになります。

手で攪拌する場合は1分に1回攪拌するだけで目標のトーンが得られましたが、回転現像の場合はかなりゆっくりとまわす必要があるかもしれません。現像液がタンクの半分しかありませんので斑にならないかひやひやするのですが、フィルムの隙間にも毛細管現象で現像液が残りますので、ゆっくり半周して10秒ほど置いて、またゆっくり半周でも良さそうです。

同じ様な感じで、停止液も定着液も半分しか要りません。つまりエコに自家現像が行えますから、今まで撮影をためらっていた中判カメラも、35mm判カメラと同じ様に積極的に使えそうです。しかし、面積的に4倍ある6×6判のフィルムですから、銀塩粒子が見えてくることもありませんし、しなやかで細かな描写を愉しむ事が出来ます。

夏の暑い日はヤシカDを使うと、かなり気楽に撮影が行なえます。さすがレンズ・シャッター機だけあって、手振れもほとんど無くてクリアな画像を簡単に手に入れることが出来ます。ファインダー像も素通しで見やすいですから、正確な手持ちの露出計を準備する事で、失敗の無いネガ像を手に入れることが出来ます。

もう一回現像を行うことができますので、お盆休みの休日にもう一回撮影して、現像のパラメータを探る事にしましょう。今回は早く回しすぎて、濃すぎるネガが出来上がってしまいました。むらは有りませんでしたから、次回はもう少しゆっくりと回す事に心がけたいと思います。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。


Yashica-D Yashikor 80mmF3.5
撮影データ:1/60sec F8 Neopan Acros100
夏の日差しを避けて、良く木陰で一休みしたりしています。アメリカ楓の葉も緑が濃くなって、格好の涼風を送ってくれているようです。
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Yashica-D(Yashikor 80mmF3.5)

2017-06-24 06:35:08 | 二眼レフで行こう
昔のカメラなのだけれど、なぜだか良く写るし、中判カメラの良さが良く顕れていて、ボケ味も素直で被写体が浮かび上がるように表現できる。制約の多いカメラで、いちいちすべての事を順番に実行しないと写真は撮影できないし、失敗作を多く出してしまう。高々12枚のコマ数を撮影するだけでも一苦労で、今流行の連写は到底できないしやったら壊れてしまう。

不便なカメラの代表作みたいな感じですが、昔のカメラはみなこの様なもので、オート機能が備わってきた頃から皆が使い出すようになってきたという感じです。しかし、ヤシカDで撮影した写真には不思議と失敗が少なくて、使えるコマが多くあります。思うにあまりにも操作が単純で自由度が高いために、しっかりと考えてから撮影するスタイルになるためと考えています。

このために、ディジタル一眼レフ・カメラやオリンパスペンを使っていると、ほとんどの操作が自動で進みますから、ある意味撮影が味気なくなってきて刺激が欲しくなり、ヤシカDのようなフル・マニュアルのカメラが使いたくなるといった感じです。シャッター・チャージとフィルム巻上げが連動していないために、うっかりと順番を忘れてしまうと二重撮影や未撮影コマができてしまいます。

付いているレンズも単焦点レンズですから、構図を決めるためには自分で被写体の周りを回りながら最適位置を探す必要があります。時間をかけてゆっくりと確認し、そして撮影を行うスタイルですから、12枚のコマすべてを撮影するのに軽く一時間以上歩き回るということになります。

露出メータすら付いていませんので、露出は今年初めに購入したVCメータを側面に取り付けて測光します。絞りとシャッター・スピードを合わせてやっと撮影になりますので。日が射してきたり雲って日が差し込まなかったりしたときには、また露出を計り直して再挑戦という事になります。

この様なかなり面倒くさいカメラですが、一度撮影すると写真を撮影しているという行為自体が面白くて癖になってしまい、また撮影しようという気にさせてくれます。単焦点で無理をしていない設計のおかげで、しっかりと絞り込んで撮影してもボケ味はしっかりと出ますし、画像があまり硬くならないカメラですから、作品にしてみようというコマが多く出来上がります。

中判撮影で真剣に撮影する特にはゼンザブロニカがお勧めなのですが、気楽に高画質の撮影ができてシャッター・ショックをあまり感じないレンズシャッター機ですから、たまには持ち出して撮影そのものを愉しんで、カメラというものの持つメカニカルな愉しみを味わうようにしています。ヤシカDを使っていると、撮影結果よりも使っている行為そのものが面白く、病み付きになる要素を持っていると感じさせてくれます。

梅雨の始まりが近くてこれから先はあまり持ち出せそうにありませんので、今がチャンスと撮影行に行って来ました。ファインダーが明るいので、思わずやる気が出て隅々まで眺めて構図を確かめます。あっという間に一時間が過ぎてしまいました。この様な撮影行もまた良いものです。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


Yashica-D Yashikor 80mmF3.5
撮影データ:1/125sec F8 Fujicolor PRO400H
通り道にあるもみじの木は、かなり高い場所にあって葉裏がきれいに写せます。上向きのアングルや地面すれすれのアングルはウエストレベル・ファインダーがストレスなしで撮影できます。
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ヤシカDの実力

2017-03-26 20:00:00 | 二眼レフで行こう
ヤシコール80mmF3.5が装着されたヤシカDですが、古い二眼レフカメラを見直すほどに良い写りをします。ヤシカと富岡光学の歴史は古いようで、それ以前のトリローザーを搭載したヤシカフレックスの時代から綿々と続いているヤシカのレンズ供給基になっています。

富岡光学ならば写りのよさと解像感はピカイチのはずです。しかし、ボケ量の多さと被写界深度の浅さは他のM42レンズで撮影することで、あらかじめ体感していました。ヤシコール80mmF3.5は、3枚玉のトリプレット構成であることが判り、抜けのよさに期待しました。その後最終型のヤシカDにはヤシノン80mmF3.5が付いているみたいですが、これはテッサー・タイプのレンズが付いています。

昔のレンズですから、絞り開放では少し頼りなく写ってしまいます。絞り込んでいくと解像度が高くなっていくのですが、35mm判カメラと違って、解像感の上がり方はゆっくりです。大体F11あたりで解像感のピークになるのですが、背景ボケの柔らかさはあまり崩れない優れものレンズです。ほぼ円形の絞り形状であるためにボケ量の多さと相まって普及カメラだけれど実力を秘めたカメラと考えています。

3月始めの出張の帰りにローライの120フィルムを入手してきました。スーパーパン200を入手した訳ですが、Webで調べてみると高精細のフィルムであることがわかります。高精細のフィルムであれば、ヤシカDがおあつらえ向きな訳で、ブロニカよりも簡単に扱えて高解像の写りが楽しめますので、最初はヤシカDで撮影してみて、良ければフィルムも買って楽しもうという按配です。

貴重な休みの一日は晴れてくれましたので、早速撮影行に出かけます。ローライ・スーパーパン200を早速ヤシカDに詰め込んで近所の春を探しに出かけます。近所の公園をはしごしながら被写体を探して、時間をかけてじっくりと撮影します。この時にレンズシャッター機は便利で手振れの心配をあまりしなくても充分に高画質の結果が得られます。

ひとしきり撮影した後は、自家現像を行います。ミクロファインの現像液が黄色になったことはかなりの驚きでしたが、2日程おいておくと元の通りに透明になりました。現像液の色が黄色に変わったのですが、ネガはほぼ黒と透明でフジフィルムやコダックとは一味違った印象になっています。

スキャナで取り込みを行ってみると、かなり細かな部分まではっきりと解像しています。高精細フィルムな訳で、このフィルムであれば風景もバッチリ撮影できそうですし、ヤシカDの底力にかなり驚きました。もう少しローライのフィルムを買って愉しみながら撮影してみたいという欲求も沸いてきた感じです。

システムカメラではないし、少し古めの格好をした二眼レフ・カメラですが、実力充分でフィルムの特性も良く出してくれる優秀カメラです。中古価格は結構安いので、シャッターの自動セッティングに慣れている我が身には少し約束事が多いように感じますが、その分動作は確実で操作さえ慣れてしまえば、末永く使える特徴を持っています。

基本に忠実で堅実なカメラは、またその作法に浸りたくなる魅力を持っている。ヤシカDはその魅力を持ったカメラです。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


Yashica-D Yashikor 80mmF3.5
撮影データ:1/250sec F11 Rollei SuperPan200
けやきの木に架けられた巣箱を撮影しました。程好いコントラストと高い解像感で満足感が高くなります。黒白フィルムですが、ヤシカDの実力が感じられる1枚になりました。
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Yashica-D(Yashikor 80mmF3.5)

2017-03-06 17:25:03 | 二眼レフで行こう
出張に出ています。予約投稿で掲載しています。
余り古くは無い二眼レフ・カメラです。ヤシカさんが最後まで販売していた二眼レフでもあり、古くてぼろぼろのカメラではありません。格好自体から考えるとクラシック・カメラなのですが、新しい時代の二眼レフ・カメラとも表現されそうなきれいなカメラです。最近ではトイカメラで二眼レフもあり、クラシックな雰囲気に浸れるのですが、それであれば造りのしっかりとしたヤシカDが勧められる感じです。

ヤシカといえば富岡光学な訳で、ジャパンツァイスのコンタックス用レンズは富岡光学の造りです。すごく良く写るレンズが搭載されているのもヤシカのカメラの特徴で、富岡ならヤシカのカメラを探せば必ずヒットします。現代では富岡光学の知名度が上がって、どれが富岡レンズと探されておられる方も多いのですが、ヤシカのレンズはほぼ間違いがありません。

そのレンズが付いているのがヤシカDで、意外と安く手に入れる事が出来る二眼レフ・カメラですから、購入して使ってもほぼ間違いがありません。風景やポートレイトなど幅広く使えるカメラですから、120フィルムが身近に使える環境がそろっているならば、持っていて損はしないカメラという事になります。

フィルム巻取りとシャッターが連動しない、セルフコッキング機能がありませんので、最初は二重露光が頻繁に起こります。35mmカメラやディジタル一眼レフ・カメラに慣れきっている我が身とすれば、セルフコッキングとシャッターのオートチャージに慣れきっていますので、撮影したらすぐにフィルムを巻き上げる習慣がありません。

それでも練習すればかなり失敗が防げますので、最初は裏紙を巻いた練習用スプールを用いてひたすらに撮影練習を行います。練習をするほどに失敗は少なくなりますが、時々フィルムを巻き上げていなくて二重撮影してしまったり、今度はフィルムを巻き上げていなかったと勘違いして未撮影コマがあったりと、数コマですが失敗しています。

それでも、カメラを操作しているというお楽しみがありますので、一度体験するとはまり込む魅力を持っています。何しろフィルムのカウント以外はすべてマニュアルのカメラですから、露出を測って被写体の雰囲気を良く観察して、最良のセッテイングを行い、ピントを慎重に合わせてから、シャッターをチャージしてそっとシャッターを切ります。

フィルムの巻上げとカウントは、セミ・オートマット式ですので、撮影者はフィルムの位置確認の必要がありません。巻き上げノブのボタンを押して止まるまでフィルムを巻き上げるだけでセットが完了する訳で、この部分だけでもオートマチックになっていると、操作に関するストレスが軽減されます。

つかの間の春の陽気、チャンスを活かしてヤシカDを持ち出します。晴れていても光量は不足していますので、シャッター・スピードが遅くなってもショックが少ないヤシカDは、手振れが少なくなって満足できるコマが多くなります。撮影後はカメラ屋さんでその日仕上がりの現像に出して、仕上がったらスキャニングをおおないます。

外観は古いけれど、簡単実直で満足できる仕上がりに期待できるヤシカD、手許においておくと撮影したくなる不思議なカメラです。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。


Yashica-D Yashikor 80mmF3.5
撮影データ:1/100sec F5.6 Kodak Ektar100
公園を歩き回ると、今までは黒ずんで元気がなかったこけも日が良く当たるようになって緑色になって来ました。水温む春で、一歩ずつ春本番に近づいている感じです。
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Yashica-D(Yashikor 80mmF3.5)

2017-01-15 10:39:26 | 二眼レフで行こう
今では二眼レフ・カメラの新品は見かけませんが、中古品ではお持ちの方が多いみたいで、当ブログでも検索対象の上位を占めているカメラです。手軽に高精細でフィルムのラチチュードを存分に活かせるカメラは、やはりレンズシャッターの付いた二眼レフ・カメラが手っ取り早い訳で、自身もかなり重宝して使っています。

ズームではない、レンズ交換できない、フィルム巻上げとシャッター・チャージが連動しない等と、面倒くさい事だらけのカメラですが、不思議と写真を撮影している気分が充足されて、フィルムの現像上がりが待ち遠しくなる不思議なカメラです。露出計が付いていませんので、露出計で計測するか35mmフィルムの箱に表示されている露出表を参考にして、絞りとシャッター・スピードを決定します。

思えば、この操作が面倒に思えるほどに現代のカメラは自動化されている訳で、オート・モードを選択していれば、カメラの電気を入れてシャッター・ボタンを押すだけで撮影が行えます。面倒なことはすべてカメラにお任せして、撮影者は構図に専念できるという具合です。しかし、それでは撮影が段々と面白くなくなってきて、撮影時のアイディアが出なくなり、飽きてくる感じです。

自分自身で出来ることはやって、体を動かして構図を決め、時間をかけて撮影するスタイルでは、おのずと現像に出した際の期待感が違いますし、出来上がったネガフィルムに対する満足度も違ってくるような感じです。最近ではその面倒くささを求めて、マニュアルのフィルムカメラを求める方も多いと聞きます。何から何まで自分で行う、この撮影スタイルからすると12枚の撮影コマ数は多からず少なからずで、満足できると考えています。

ブロニカで撮影しましたので、肩肘張らない手持ち撮影行を行うためにヤシカDを引っ張り出してきました。ここぞの撮影はしっかり準備してブロニカで、そして簡単便利に高画質撮影はヤシカDでという撮影スタイルが身についてきました。明るすぎる、そして暗すぎる被写体はおのずと諦めてしまいますし、次の被写体に写っていくきっかけとなって、幅広く撮影が行えます。

季節は冬の真っ只中ですから、太陽は出ていても斜光で日陰がいっぱい出来ています。晴れていても薄暗い訳で、この様な時にはフラッシュを携行するかISO感度の高いフィルムを装填するかで迷いますが、今回はフジフィルムのプロ400Hを選択して、ノー・フラッシュ撮影を行うことにしました。

さすがに青空に浮かぶ雲は絞りもシャッター・スピードも限界以上で、諦めることが多い感じですが、庭に咲く花や木の葉の雰囲気を撮影する場合は、十分に絞り込んでシャッター・スピードも稼げますので撮影に満足できるといったところです。薄暗い場所でもシャッター・ショックをほとんど感じないヤシカDですので、しっかりカメラをホールドして低速シャッターで切り抜けます。

古臭いカメラですが、意外に使えるヤシカDで、お正月の雰囲気を撮影しました。それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


Yashica-D Yashikor 80mmF3.5
撮影データ:1/125sec F8 Kodak Portra400
蝋梅の花も咲いてきました。一杯つぼみを持っていますのでこれからが楽しみです。
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