ディジタルカメラが浸透して、フィルムの需要がだいぶん落ち込んだかと思っていましたが、カメラ屋さんに行くとフィルム現像の需要もそこそこあるような感じで、まだまだフィルムも捨てたものではないと思っています。新聞でも紹介されていましたが、フィルムカメラとフィルムも最近使う人が多くなってきたとの事で、カメラ屋さんの在庫量も増えてきたという感じです。
最近すごいな~などと感じたことは、カラー、そして黒白フィルムの質が上がったことで、より細粒子になって解像度が高くなっている点です。従来のISO400フィルムは派手な粒子で力強さは表現できるのですが、現代のISO400フィルムは粒子がかなり細かくなって緻密な表現が行えるようになってきています。
加えて現代のフィルムは個性が尊重されていますから、発色の具合や彩度、そしてコントラストにおいても微妙に違います。昔と比べてフィルム自体が淘汰の波に翻弄されているのですが、その分個性の強いフィルムが生き残ったと言う事になります。加えて最近のフィルムや乳剤の製造技術が向上したことで、ISO400フィルムが常用フィルムとして市民権を得ていると言う事になります。
それでも各々のメーカーさんにおける個性はしっかりと出ていますので、このシーンならこのメーカーと使い分けが出来てすごく便利です。昔はISO100フィルム全盛だったけれど、今ではISO400フィルムがスタンダードになってしまい、替わってISO100フィルムが旧来のISO50フィルムのお株を奪って高精細化しています。
全体的に高感度化と高精細化していますので、これからフィルムを始めようという方にも使いやすくなっているのがうれしい所です。ディジタルの世界はフィルムと違って高精細化の極みみたいなところなのですが、反面35㎜フルサイズセンサで中判フィルム以上の高精細ですから、逆に画像が繊細になりすぎて描写力が薄くなっている感があります。
ディスプレイ画像のカラー・フィルム撮影は、高精細でどちらかというと弱くなった描写の力をフィルムの力を借りて見応えのあるものにしようという作戦でした。まずは黒白フィルムからといった感じだったのですが、思いの外雰囲気を強く出してくれます。質感も良く出てくるといった感じで、その場にいるような描写力は流石フィルムと言ったところです。
今回のディスプレイ撮影はカラー・フィルムで、少し高級品のコダック・ポートラ400を使う事にしました。少し前にオリンパスペンで撮影したのですが、従来のISO400フィルムとはずいぶん違って、高精細な画像とコダックさんらしい色乗りの良さが前面に出ていています。垢ぬけた印象でさすがは高級品フィルムです。
期待をしながらディスプレイ画像を撮影し、最寄りのカメラ屋さんに現像を依頼します。出来上がったらスキャニングという感じで、予想通り高精細で色乗りの良いJPEGデータが出来上がってきました。モノトーン変換を行ってもフィルター効果がしっかり出せますので、異次元のトーンも得やすい感じです。
実験をしながら、実際に有色フィルターを使って、ディスプレイの黒白フィルム撮影も悪くはないと思った次第です。この実験は後日に投稿しましょう。CMYの有色フィルターを持っていますので、活用できると面白い感じです。
それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。
PENTAX K-5 Takumar 200mmF3.5
撮影データ:1/100sec F8 ISO800 (Kodak Portra400(ISO400)でディスプレイ撮影)
モミジの葉の色合いも、ディジタルだと真面目過ぎてパッとしないのですが、フィルムでは彩度も上がりますので印象的な色合いを引き出すことができます。