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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

YashicaD

2022-02-22 06:51:54 | 中判カメラ

久々に使ったヤシカDという感じで、昔々の2眼レフカメラのいで立ちなのですが、ヤシカのカメラが販売されなくなる時まで生産が続けられていた、ある意味新しいオールド・カメラです。最終型には露出計も付いていて2眼レフのAEカメラになっていたのですが、手に入れたカメラはフル・マニュアルの至って普通のカメラです。

ヤシカのカメラは写りが良いと言われている通り、メカニカルの部分が得意なヤシカはカメラ本体という感じで、レンズはほぼ富岡光学のOEM品となっていました。確実なメカニカル動作とレンズも一流品ですから、写りが悪いはずがありません。このため今でもヤシカのカメラは中古品でも手に入れにくいと言う事になります。

ヤシカDは、ブローニー・フィルムを使う6×6判の、コンパクトな中判カメラです。今となっても結構中古価格が高いうえに、なかなか出会うことがない半分幻のようなカメラです。装着されているレンズはヤシコール80㎜F3.5なのですが、このレンズをテッサー・タイプにした高級品も有るのですが、まだ見たことがありません。

何から何まですべてマニュアル動作のカメラですから、フィルム巻き上げに連動したシャッター・チャージも行われません。このため日頃よく使う35㎜フィルムカメラを使った後でヤシカDを使うと、勘違いして多重露光のコマを作ってしまい、次のコマから慎重に操作しようと思うと今度は未露光のコマを作ってしまう意地悪なカメラです。

絞りの値はよく見る並びになっているのですが、シャッター・スピードは今のような並びにはなっていないという感じで、露出計を使って設定を行う時に表示する数値が多少違いますので、大体こんなもんと考えておおらかに設定する必要があります。しかし、昔ながらのレンズ・シャッターですから、シャッターの動作ショックがほとんど無くて、しっかりとカメラをホールドできれば遅いシャッター・スピードでも何とかなるという具合です。

それでも流石は富岡光学のレンズと言う事もあり、しっかりとした画像を結んでくれる優秀なカメラと言う事が出来ます。しかし、富岡光学のレンズはある意味研ぎ澄まされたピント位置を持つレンズですから、ヤシカDとはいえ近接撮影の時にはしっかりとピント合わせを行う事が必要になります。

昔ながらの素通しのファインダーですから、左右像が逆像になる事は仕方がないといったところですが、フレネルレンズを用いたファインダーですから、ピント合わせも行い易いといった感じです。何しろすべてがマニュアル動作のカメラですから、その分自由度は無限大と言った感じで露出に手心を加えやすいカメラと言えます。全体の印象から露出とシャッター・スピードは大体この位と設定できる訳で、オート露出カメラにはない楽しさがあります。

1月下旬の休日は少し雪も少なくなってきて、曇りの休日になってきました。光量も少ないのですが、シャッター・スピードを気にせずに撮影できるヤシカDは、格好の練習用カメラになってくれたというところです。これからは少しずつ春の陽光が戻ってくるわけで、久しぶりに中判カメラを使えて満足したというところです。

それでは、先月下旬に撮影した写真から掲載します。

Yashica-D Yashikor 80mmF3.5

撮影データ:1/120sec F8 Fujifilm Neopan100Acros(ISO80)

ツタの葉が紅葉して散ってしまうと、後からチガヤがぐんぐん伸びて来るようです。しかし、雪が降るとチガヤも枯れてしまって、春を待つようになります。

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中判カメラも持ち出そう

2022-02-20 06:50:59 | 中判カメラ

最近はオルヴォ社のフィルムや35㎜判の黒白フィルムに凝ってしまって、中判フィルムでの撮影をほとんど行っていませんでした。結構長い間中判カメラはご無沙汰になっていた感じで、このまま放っておくとさび付いてしまうかもしれません。動作がおかしくなってしまいそうという感じで、たまの休日は持ち出して雪景色でもという感じです。

最近少しの発見がありました。スキャニングを行う時のオプションで、いつもチェックが入っているアンシャープ・マスクの設定ですが、フィルム粒子を目立ち難くするためのオプションがあります。今までは滑らかにスキャニングしてくれる効果を狙ってチェックしていたのですが、試しにと云う感じでチェックを外してスキャニングしてみました。

結果とすれば粒子が出てくるのですが解像度はすごく上がる印象で、細かな部分までよく描写してくれるようになったという感じです。後は好みで現像ソフトウエアで明瞭度を少しいじれば、満足できる画に仕上がってくれると言う事になります。特に6×6判の中判フィルムは、35㎜判フィルムの4倍の面積を持っていますので、3,600万画素相当の画質を得ることが出来ます。

この様な解像度ですから、フィルムの銀塩粒子が35㎜判フィルムであれば少し見えてくるのですが、中判フィルムではそもそも粒子等倍の全紙サイズに引き伸ばす訳ではありませんので、ワイド四つ切サイズ位では無粒子に近い仕上がりになります。このために力強さとは反対の繊細感が出てくることになり、少し頼りない雰囲気になってしまいます。

それならば、スキャニングの際にアンシャープ・マスクを外してしまえば、少しは力強さも出てきて解像感も高くなると考えて、今回の実験となったわけです。大寒の入りの時まではかなり強く雪が降って積もってしまいましたが、週末の休日の時には寒気も去って暖かな雰囲気になってきました。天気予報を見てみると節分の頃までは雪よりも雨や晴れの穏やかな天候になるみたいで、フィルム撮影もしっかり行えそうです。

丁度土曜日を含めて2連休になりましたので、早速中判カメラを見繕います。ゼンザブロニカでも良い感じなのですが、ここは久しく使っていなかったヤシカDの調子の方が心配になって、良い機会だからと使う事にしました。何しろフル・マニュアルのカメラですから、露出計を持って歩くのも楽しいもので、色々な部分の露出を測りながらベストの値を考えます。

そんなこんなで、久しぶりに味わう露出計の雰囲気に浸りながら、じっくりと撮影を進めていきます。ディジタルカメラでは自動露出ですから一気に複数カットの撮影となるのですが、中判カメラとなると考えてフィルムコマを巻き上げないと、未露光や多重露光のコマを作ってしまいますので、慎重に考えて12コマを撮影していきます。

撮影が終われば現像作業で、久しぶりにヨーボの大型タンクを引っ張り出してきて、フィルム現像を行います。35㎜判フィルムの2倍の液量が要って、重たいタンク攪拌は疲れるのですが、何とか現像作業を終えて期待しながらスキャニングを行います。結構細かな部分まで解像してくれていたと感心しながら、満足感に浸った1日でした。

それでは、先月下旬に撮影した写真から掲載します。

Yashica-D Yashikor 80mmF3.5

撮影データ:1/100sec F8 Fujifilm Neopan100Acros(ISO80)

雪の季節はなかなか被写体にも恵まれませんが、藤の木の幹も年々大きく複雑に絡み合ってきますので、格好の被写体になってくれます。

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Nikkor P・C 75mmF2.8(Zenza Bronica EC)

2020-09-15 06:50:05 | 中判カメラ

お盆休みの間はかなり気温も高くて、猛暑日が続きましたので撮影行も半ば諦め気味という感じでした。何しろ外の気温は体温よりも高くなっている感じで、しばらく外を歩くだけで熱中症になってしまいます。おまけに夜になっても気温が下がらずに、暑苦しい熱帯夜になっていますので、朝晩の涼しい時間帯がありません。

しかし、そのような中でも少しだけ北の空気が入ってくる時があって、雷雨にもなるのですが、翌日の朝は雲がまだ残っていて、しかも涼しい感じの日があったりします。しかし、それでも気温は25℃以上の真夏日になっていますから、雲の様子を見極めながら行動しないと熱中症になってしまいます。

1時間未満の撮影行であれば、何とか撮影行に出かけられるといった感じで、カメラとレンズを揃えます。今回の撮影行では中判を、と言った感じでゼンザブロニカを引っ張り出してきました。いつもは35㎜判カメラで撮影していますが、フィルムサイズの大きな中判カメラでは立体感の描写を楽しみたいときに多用するといった感じです。

今回のニッコールP/C75㎜F2.8は、ゼンザブロニカの標準レンズといった感じで、35㎜判換算で40㎜相当の画角が得られます。準広角レンズといった感じで、いろいろなシーンの撮影が行える万能選手のレンズとして仕上がっています。このレンズには明るさが同じなのですがDXタイプも存在していて、バリエーションも豊富です。

準広角レンズですので、景色などのほぼ遠景となる被写体の撮影では、隅々までしっかりと写せる優秀なレンズとなります。人物撮影や集合写真などはこのレンズ1本でいろいろなシーンに対応できるということになります。しかし近接撮影となると被写界深度が浅くなってきますので、立体感に優れた描写となってきます。

75㎜の焦点距離となると、35㎜判カメラでは中望遠レンズとなり、被写界深度が浅くなると同時に背景もきれいにぼけて、ゆるい圧縮効果とそこそこ柔らかい背景ボケを得ることが出来ます。絞り込んでいってもあまり背景ボケが固くなりませんが、点光源ボケは小さく写りますので、あまり点光源を入れないようにすることも大切です。

うんと絞り込んでの遠景撮影は、殊の外きれいに写りますし、35㎜判カメラの4倍もある広い撮像面積のおかげでフィルムの粒子もほとんど目立たなくなります。反ってしなやかな描写になりますので、35㎜判フィルムのような力強さは期待できなくなります。克明に描写できるフィルムですから、それに合わせるようにこのレンズが存在しているということになります。

35㎜判フィルムで四つ切か半紙に引き伸ばして鑑賞するのですが、中判フィルムになると全紙か畳1枚分ほどある2倍全紙に引き伸ばして丁度良いということになります。それだけ細かな部分も描写されていますので、四つ切の印画紙にプリントすると細かな部分が潰れてしまって、あまり思わしくありません。しかし、近接撮影になると被写界深度を確保するためにうんと絞り込みますし、拡大トリミングも高倍率で行えますから便利なわけです。

ゼンザブロニカはフィルムを縦送りしますので、645サイズのフィルムバックを使えば横位置での撮影が行えます。今回は黒白フィルムを使いましたが、トーンの出てくる木と白飛びをしてしまって撮影には向かない木もあるのが面白く、風景を交えていろいろ撮影することが出来ました。やはり黒白フィルムとなるとオブジェや構造物が一番よく写ります。

いろいろ撮影して、やはり中判カメラは立体感が良く再現できると感心した感じです。もう少しで秋の花が咲き始めますので、今度はカラー・フィルムでも詰め込んで出かけようと感じたお盆の休日でした。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。

Zenza Bronica EC Nikkor-P・C 75mmF2.8

撮影データ:1/125sec F5.6 Neopan Acros100

川沿いの桜並木を撮影しました。今は葉も茂って鬱蒼とした木々なのですが、中判カメラは木の幹の立体感を良く再現してくれます。これからの紅葉の季節が楽しみです。

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ブロニカの魅力

2019-07-28 06:50:12 | 中判カメラ
今ではゼンザブロニカそのものが販売されていませんので、ブロニカの存在を知らない方も増えました。最近でも中古カメラ屋さんでひっそりと置かれていたりするのがブロニカのカメラなのですが、見かけた後で早々に棚から消えてしまいますので、潜在的なニーズが有るカメラという事もできます。自身も使ってみてかなり魅力あるカメラと感じました。

中判カメラを始めて手にする方は、ブロニカが絶対お勧めできる。その様なカメラです。海外のハッセルブラッドもありますが、撮影するまでのお作法がかなりあって、間違えるとカメラの機構部が壊れてしまいますので、中判カメラの写りよりも操作感のほうが先にたってしまいます。

かといって、セルフ・コッキング、即ちフィルム巻上げで自動でシャッターをセットしてしまう機能が無いと、2重撮影や未露光のコマを量産してしまう事になって、これもまた使い勝手が良くありません。35mm判の普通のカメラにあるような機構が付いているカメラとすれば、フジフィルムさんの645シリーズか、ペンタックスさんの化けペンが代表格なのですが、ブロニカもその中の一つです。

その中でもフィルムバックを装着できるカメラで、徹底したセルフコッキングとフール・プルーフが取られているカメラとすれば、ブロニカしかありません。とにかくフィルムを装着していないと巻き上げも空回りしてしまってシャッターもセットできませんし、シャッターも切れません。レンズキャップをするとファインダーが真っ暗になりますから、これも撮影時に勘付くと言った次第です。

とにかく全ての状況が満足されていないとシャッターが切れませんし、ピントも合わせることが出来ません。これが全てメカニカル的に検出されていますので、伝達ピンがフィルムバックやカメラ本体から出ています。フィルムバックに自動カウンターも付いていますので、フィルムの最大コマ数までしっかりと撮影する事が出来ます。

フィルムバック数個に感度や種類の違ったフィルムを詰めておいて、状況に合わせて交換する醍醐味は中判フィルムならではの事なのですが、フィルムバックを交換してもしっかりとフール・プルーフが守られているカメラは、ゼンザブロニカ以外にはあまり見かけません。初めての人がつまづくのがこの様な所であり、初心者にも優しい完璧カメラと表現する事ができます。

シャッター・ショックもフィルム巻き上げも、そして撮影時のシャッター音も、とかく豪快なブロニカなのですが、静かに撮影したければ2眼レフのレンズシャッター・カメラがあります。しかしぐわしゃっと豪快なシャッター音とショックを感じながら、撮影を行なうのもカメラの醍醐味であり、そのショックに耐えられる質実剛健な三脚を持つ事も楽しみな感じです。

たった12コマなのですが、豪快な操作感のおかげで充分カメラを操作しているという満足感が得られます。持ち歩くだけで結構重いカメラですから、このコマ数の撮影だけで少し疲れてくるといった感じで、少し休んでから現像を始めます。現像タンクも大振りで豪快ですからこれで休日の1日が満足できるといった感じになります。

それでは先月末に撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Zenzanon MC 150mmF3.5
撮影データ:1/125sec F5.6 Neopan Acros100
ついこの間白い花を咲かせていたえごも今ではかわいらしい実を付けています。3つ並んで実っていましたので、記念に一枚撮影です。
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Yashica-D(Yashikor 80mmF3.5)

2018-04-07 07:33:50 | 中判カメラ
往年のヤシカDですが、タクマー・レンズと比べて意外と新しいカメラです。今は無きヤシカも、かなりの期間2眼レフ・カメラを生産していましたので、それほど古いクラシック・カメラでは無いようです。しかし、手に入れてみると昔ながらの2眼レフ・カメラですから、出で立ちがローライのカメラに似ており、格好の良いカメラです。

このカメラを使って撮影していると、そんなカメラで良く写るのかといった感じで見られる事も多いのですが、元来シンプルな造りで動作に間違いがなく、そしてシャッターも実績のあるコパル製と高級品が装着されていますから、動作の狂いはほとんどありません。しっかりとメンテナンスが行われていれば、間違いのない結果が得られるカメラですから、思った以上に使えます。

とはいえ、現代カメラのようなAE機構が全くついていない、シンプルなフル・マニュアルのカメラですから、露出計は別に準備するか、それとも露出票をカメラの側面に貼り付けておいて、撮影場所の状況を考えながら絞りとシャッター・スピードを設定する必要があります。また、AFの機能は当然ながらありませんので、素通しのファインダー像を見ながら慎重に合わせこむ必要があります。

しかし、この様なカメラを操作していると、操作の自由度がすごく高くて、自身の思いを露出・そしてシャッター・スピードに込める事ができます。これを助けてくれるのがVCメーターで、絞りとシャッター・スピードの組み合わせを数通り教えてくれますので、一番合いそうな設定を勘案する事ができます。オリジナルな設定という事ができ、自身の作品に仕上げる感触を得ることが出来ます。

それでも基本の写りの良さがないと、このカメラもあまり使われなかったであろうと思いますが、今の時代でも結構中古価格が高くて、あまり見つからないカメラである事から、基本性能の高さを伺うことができます。レンズはヤシカと関係が深かった富岡光学製であり、写りの良さはピカイチということがあります。

また、基本構造は八洲光学からの伝統で、かなりシンプル・そして頑丈に作られています。狂いが少ないので安定して使う事ができるといった按配です。フィルムを入れれば安心して撮影が行えるカメラで、最近はこのカメラを使って撮影される方が多くなってきて、嬉しい限りとの声をカメラ屋さんから聞くこともできました。

丁度兼六園の梅林の花が咲き始めたとの情報も入りましたので、早速ヤシカDにリバーサル・フィルムをつめて撮影行に出かけます。何しろフィルムはブローニーの120判ですから、解像度や雰囲気でディジタルに負けない実力を持っています。梅林に着いてみるとまだ数輪しか咲いていない状況でしたが、雪吊りの風景や早春の曲水の雰囲気が醸し出されていましたので、一緒に撮影を行います。

2眼レフ・カメラは、構造がシンプルで素通しのファインダーですから、ファインダーの明るさが違います。ピントも合わせやすいのでサクサクと撮影が進みます。問題はフィルム巻上げとシャッター・チャージが連動しない事で、しっかりと手順を確認して2重露光を防ぐべく動作を確実に行います。

チャンスに恵まれた晴天の一日は満足感いっぱいで終える事ができました。こんな日があっても良いものです。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。


Yashica-D Yashikor 80mmF3.5
撮影データ:1/125sec F8 Fujichrome Provia100
今年3月中旬はは雪がまだ残っていたせいか、木々の雪吊りもまだ外されずにいます。もう見納めですので、記録に残しておきます。
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