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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

Komura 135mmF2.8

2024-12-02 06:51:37 | 国産レンズ

今では幻となってしまったコムラーで、中古品もだんだん少なくなってしまいました。昔懐かしい三協光機が製造していたレンズで、ライカマウントのレンズも作っていましたし、ゼンザブロニカ用のレンズも作っていた著名なサードパーティー・メーカーです。よく使っているM42レンズもいっぱい作っていたのですが、残念ながらこの135㎜F2.8以外はあまり見かけないという、ある意味幻のメーカーです。

この135㎜F2.8のレンズには、かなりの自信を持っていたようで、いろいろなカメラメーカーのマウントに合うようにユニバーサルジョイント構造を持っていて、各メーカーのマウントに合わせたアダプタを付けることで、いろいろなメーカ用レンズとして販売していました。当時のサードパーティ・メーカーは、アダプトマチックなどのユニバーサルジョイントを使っていたわけです。

その中でもコムラーのレンズは、他メーカーがオート絞りを採用する中で、すっと昔からのプリセット絞りを採用していました。メカニカルの機構を少なくした分、レンズ鏡胴の余裕も確保できるわけで、コムラーのレンズは円形に近い絞り形状も確保できることから、写りもかなり良いリーズナブルなレンズとして評価されていました。

自身も欲しかったレンズなのですが、残念なことに大学に入った頃、このメーカーは見かけなくなってしまいました。最終期はズーム・レンズまで出していたメーカなのですが、ずっと採用していたプリセット絞り機構のために、ユーザの心が離れてしまった事が原因のようです。

これから先はレンズの自動化も急速に進んで、自動絞りやAFメカニズムが搭載されていくのですが、この流れに乗り遅れてしまったという感じで、レンズそのものの写りは非常に良いがために、ある意味残念な出来事という感じです。結果としてコムラーのレンズはジャンク価格で流通していくことになるのですが、今でも結構リーズナブルな価格で中古品販売がされているようです。

この余裕を持った単純な構造であるがために、メンテナンスが行いやすいですし、もしレンズ部品が壊れたとしても、ジャンクレンズを買ってきてニコイチにして現役復帰をさせることもできます。このため、カメラ屋さんのジャンクレンズを漁ってきて、壊れた時のためにと2本のレンズを在庫しています。

コーティングもほとんど無いような、すごく昔レンズの雰囲気いっぱいなのですが、絞り解放で多少柔らかな写りになることを除いて、少し絞り込むとはっきりとした画像を結びます。絞りもほぼ円形絞りですから、背景ボケの角張りも少なくて立体感のある画が撮影できます。レンズ性能に余裕がありますので、満足できる結果が残せるという訳です。

このレンズをペンタックスさんのディジタル一眼レフに装着すると、手振れ補正機能や絞り込みAE機能がそのまま使えますので、ファインダー画像を見ながら背景ボケの硬さを確認してシャッターを切ることができます。プリセット値を最大絞りに設定しておけば、可動リングを回してすぐに絞り設定ができますので、すごく便利という事になります。

立冬の日も過ぎてしまって、後は初冬の雰囲気に向かってまっしぐらという感じなのですが、おそらく今年最後であろうという暖かな晴れた日に撮影行に出かけてきました。今年の紅葉もこれが見納めという感じで、後は足早に落葉して枝だけの寂しい雰囲気になってしまいますから、撮影出来て良かったという感じです。これからは冬の装いで、寒さに体を慣らしていこうと思います。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 Komura 135mmF2.8

撮影データ:1/500sec F5.6 ISO200

この前からゆっくり紅葉していたうちわかえでも、ここの所の寒暖差で一気に紅葉してしまいました。これからは枝だけの寂しい雰囲気になりますので、そろそろ黒白フィルムの出番といったところです。

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Auto Mamiya/Sekor SX 50mmF2

2024-02-12 06:51:12 | 国産レンズ

マミヤさんのカメラというと、報道写真と言う事が頭に浮かぶのですが、プロ用の雰囲気が漂うマミヤさんも一般向けのカメラを作っています。しかし、一般向けのカメラも道のりは多様で、マウントの仕様がころころと変わるがために、ついていくユーザの皆さんも大変であったろうと思います。

その様なマミヤさんも一時期M42マウントのカメラを作っていて、独自仕様のM42レンズが存在します。プロ用をかなり意識した造りになっていて、防滴仕様位にはなっていたと思いますが、雨の中で使用しても水がカメラ内部に入りにくくなっています。これが絞り環の出っ張りで、このおかげでマミヤさんのM42レンズを他のカメラに取り付けようと思っても取り付きません。

他のM42カメラで使おうとするときには、絞り環の出っ張りを削る必要があって、結構苦労するのですが絞り環を取り外して、紙やすりで少しずつ削ることで無事ペンタックスSPに取り付けることが出来ました。名称にオートが付いている通りオート絞りですので、ペンタックスさんのカメラにつけると絞り込み測光になります。

しかし、SPF等の開放測光のカメラにつけると、絞り込み伝達ピンが有りませんので絞りの設定は出来ません。また、ディジタルカメラにつけると常時絞り解放になってしまいますので、シャッター連動ピンを常時押し下げてくれるマウントアダプタでないと、使えないという事になります。

しかし、いろいろ苦労して撮影してみると、そこはプロ用カメラのマミヤさんですので、しっかりとした画像を結んでくれると言う事になります。コントラストはあまりどぎつくなくて、しっかりと解像度の有る画像になりますので、35㎜フィルムカメラというよりは、どちらかというと線の細い中判カメラのような画作りになります。

50㎜F2専用レンズとして作られている印象で、他のXRリケノン50mmF2と同じような少し小さなレンズ玉となっています。この頃の50㎜F2レンズは廉価版カメラと抱き合わせで販売されていましたので、コストダウンを第一目標に作られています。しかし、写りまでコストダウンの影響が及ぶと販売数にも影響しますので、F2の少し暗い設定で解像度を稼いでいたと考えています。

暗いと言ってもそこは標準レンズで、他の明るいF2.8レンズと比較しても十分に明るい訳ですから、背景ボケの柔らかさは負けるのですが、夜の風景などに活躍したと考えています。少し絞り込んだ標準レンズと考える事も出来ますので、絞り解放からある程度の解像度は出ていて、カメラに不慣れな方でもそれなりの結果が残せるレンズでもあります。

大雪が降った後の休日は、まだ少し雪の気配が残るものの春の暖かな日射しが感じられる日になりました。溜まった雪はそこここに残るのですが、予報でもこれからの降雪は少なくなっていて春に一歩近づいたという印象が出てきた日になりました。暖かな春はこれからという感じです。

それでは、先月末に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 Auto Mamiya/sekor 50mmF2

撮影データ:1/400sec F2.8 ISO200

サカキの木はかなりつぼみが膨らんできて、ヒサカキはとよく見るとこちらもたわわに蕾をつけていました。これから4月ごろまでゆっくりと咲いていきます。

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Fujinon 55mmF2.2

2024-01-29 06:51:35 | 国産レンズ

廉価版レンズではあるのだけれど、不思議と年に数回持ち出したい衝動に駆られるレンズで、昔レンズを集めているとこの様なレンズに出会う事になります。最短撮影距離も長いし少し暗めという感じでウィーク・ポイントだらけのレンズなのですが、流石はフィルム・メーカが作るフジノンレンズで、他メーカに無い味わいを持っていると言う事になります。

外観は廉価版レンズの安っぽさは有るのですが、ピントリングのガタや動きの渋さは無くて、この様なレンズでも滑らかに動くピントリングなど、使っていて満足感が得られるのが特徴といえます。標準レンズと言う捉え方をすれば確かに暗いレンズなのですが、それでもF2.8のレンズと比べると十分に明るい訳で、しっかりとしたボケ味が得られます。

フジノンレンズは白のトーンが美しい訳で、普通なら白飛びしてしまうような明るい被写体も、白色部分が踏ん張ってくれてトーンの変化を導いてくれます。グレートーンをしっかりと表現してくれるレンズは多いのですが、ハイキーで踏ん張ってくれるレンズはそう無い訳で、特に雪が積もった雰囲気の時にはもちだしたくなると言う訳です。

昔はフジフィルムさんもM42カメラを作っていましたので、M42レンズのレンズ・ラインアップは豊富です。しかし、有名カメラメーカの陰に隠れてしまう事も多くて、中古品店でも見かけるレンズとすれば標準レンズか135㎜F3.5のキットレンズしか見当たらないと言う事も多くあります。

本当はフィルム・メーカが作るレンズが最強という話がある位で、自社の作るフィルムにベストマッチするレンズを作ることが出来ると言う訳です。昔はレンズ性能の測定装置が少なかった訳ですから、当然作っているフィルムに合わせてレンズを作ると言う訳で、最高のマッチングが得られるレンズが生産されていたと考えても不思議ではありません。

カメラ屋さんの中古品棚にも滅多に並ばない希少なレンズですから、このレンズもたまたま見つけて即購入したという次第です。また、本当に希少なレンズでもない限りは、値付けも有名メーカのレンズと比べれば安い訳で、コスト・パフォーマンスも抜群です。写りは流石のフジノンレンズですから、写りにも満足できると言う訳です。

例年この時期になるとドカ雪が降って、あたり一面真っ白になるという感じなのですが、この時期としては珍しく降る雪の量も少なくて、流石は暖冬傾向という感じです。この様な年が数年に1回はやってくるわけで、雪の少ない年になるかもしれません。暖かいので日本海の海水温が暖かいとドカ雪になる傾向が強くなるのですが、今年は思いの外海水温が下がってしまって、寒気が入って来ても降雪量は少なめです。

それでも前の日は雪が降りましたので、寒気がやって来ていると言う事もあって雪の溶け方は緩慢です。木に付いた雪となるともう落ちてしまっていますが、地面の雪はまだ足を踏み入れていない部分もあって、格好の被写体になってくれるという感じです。いつも通りの撮影ルートなのですが、新しい発見もありそうで、ワクワクしながら撮影してきました。

それでは、今月中旬に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 Fujinon 55mmF2.2

撮影データ:1/1600sec F4 ISO200

河原の土手の階段に、冬の淡い光が差し込みます。一面の銀世界で、まだ踏み荒らされていない場所を探すのが一つの楽しみです。

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Auto Mamiya/Sekor SX 50mmF2

2023-07-14 06:52:05 | 国産レンズ

一時期マミヤさんがM42カメラを出していた時期があって、ある意味希少品のレンズなのですが、思った程に人気がないレンズです。中古品の量がそもそも少ないがために、あまり目立たないレンズなのですが、報道用として使われていたマミヤさんのカメラですので、写りの性能はかなり高いおすすめのレンズとなっています。

敢えて少し暗いF2設定の標準レンズなのですが、前玉径も小さくしてありますので、絞り解放からある程度の解像感が出ています。タクマーの標準レンズと比べて、飲み会やイベントの中での撮影に威力を発揮するというところです。流石はマミヤさんといった所で、このレンズなら暗い場所でも自信を持って撮影が出来そうです。

実際使用していて、昔レンズならではの描写の甘さが少しあるのですが、流石は報道カメラマンに愛用されていた、マミヤさんのレンズです。少し絞り込むとかっちりとした写りになりますので、画像の雰囲気に合わせ込むことが出来て、満足できる感じです。しかし、流石は報道用カメラに取り付くレンズですので、構造も少し複雑になっています。

恐らくは生活防水と言う事も考えてあると思いますが、絞り環がマウント方向に出っ張っていて、マミヤさん以外のM42カメラに取り付けようとすると、出っ張りが邪魔をして取り付かないと言う事が起こります。マミヤさんのM42カメラも希少品で、なかなか出会うチャンスが有りませんから、レンズを使おうとすると出っ張りを削るしか有りません。

慎重に出っ張り部分を削り落として、何とかペンタックスSPに取り付けられるようにしましたが、レンズに傷をつけると元も子もないので日数をかけて少しずつ削ったというのが本音です。しかし、ペンタックスさんのカメラで撮影してみると、殊の外良く写るレンズですので、使える50㎜F2レンズとして活躍してくれる事になりました。

この時代の50㎜F2レンズは、何しろズミクロン50㎜F2というとてもよく写るレンズが存在していましたので、各社ともこの写りを目指していたという感じです。すでにF1.4クラスの明るいレンズが出ていましたので、少し暗く設定した50㎜F2のレンズは、絞り解放時の被写界深度も浅すぎる事が無く、解像度もあまり下がらないので初心者用レンズとしてもてはやされた感じです。

ズミクロン50㎜F2となると流石ライカのびっくり価格で、おまけにカメラも手に入れようという気になりませんので、リケノンやフジノン、そして本家タクマーと色々集めて愉しんだという感じです。タクマー以外は同じレンズ構成のようで、写りの雰囲気もズミクロン・ライクになっているような感じです。XRリケノン50㎜F2は、和製ズミクロンの名称でも呼ばれているのですが、このオートマミヤ/セコール50㎜F2 も同じような写りをします。

梅雨に入ったような天気で、週末も雨かと思っていたら休みの前日は曇りがちながらも晴れている1日になりました。これからしばらくの間は梅雨空かと思ったら次の週から晴れの天気が続きそうで、今年の梅雨はどうなったというような感じです。梅雨に入ったかどうかもはっきりとしない雰囲気なのですが、かなり早い梅雨明けになりそうな感じです。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 Auto Mamiya/sekor 50mmF2

撮影データ:1/1600sec F2.8 ISO200

タチアオイの花の隅で、ひっそりと咲いている花があると思っていたら、コスモスの花でした。この花がいっぱい咲き始めると秋風が涼しい初秋の頃になります。

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Komura 135mmF2.8

2023-03-10 06:51:32 | 国産レンズ

今では知っている人もほとんどいないのではないかと思わせてくれるレンズで、カメラ屋さんの中古品棚にも滅多に並ばない、昔々のオールド・レンズです。メーカーの三協光機も自身が大学生の時に消滅してしまいましたので、覚えておられる方が少なくなってしまったのが現状です。

コムラーのブランドは、サード・パーティのレンズという感じなのですが、それこそ色々なマウントのレンズを作っていましたので、35㎜カメラや中判カメラ用レンズでも、いまだに中古品として存在しているという感じです。しかし、メジャーの焦点距離以外はあまり売れなかったみたいで、この焦点距離以外のレンズはなかなか探しても見つかりません。

一番ありふれていて中古品棚に並ぶ確率が高いのが、このコムラー135㎜F2.8と言う訳で、根元部分はユニバーサル・ジョイントになっていますから、持っているマウントのレンズを1本持っていれば、ジャンクで出てきた救出レンズをジョイント部分だけ取り換えて使うことが出来ます。

サード・パーティなので写りの方が心配になりますが、至って真面目なつくりをしていて逆光にも意外に強い印象です。コーティングはほとんどされていないという昔レンズですから、逆光にはかなり弱いはずなのですが、それでもコントラストはしっかりと確保できて意外に使えるという印象です。

それでも昔レンズですから、絞り込んで解像度を上げると言う事になります。大体F5.6位でシャキッとした写りになりますので、昔ながらのごんろく絞りのレンズと言う事が出来ます。絞りはプリセット絞りですから枚数を多くすることが出来て、このレンズでもほぼ円形絞りという感じで絞り込まれます。

雰囲気的には多少柔らかく写せますので、春の撮影行の時に多用するという感じです。気温が少し上がって来て陽炎が立つ頃の柔らかな雰囲気をよく描写してくれるという感じです。貼り合わせレンズを使っているのですが、バルサム剥がれも少なくてジャンクで売られているレンズを救出して来てもがっかりすることが少ないレンズです。

最強寒波が過ぎ去って徐々に春といった感じの雰囲気なのですが、今まで賑わいを見せてくれたサザンカや蝋梅の花が一段落して少し寂しげな雰囲気となっています。これから早春の草花が咲いてくると言う訳なのですが、マンサクも黄色のリュウキンカもこれからといった感じで見つけるのに苦労するといった感じです。

それでも少し足を延ばして歩き回ると、こぶしの木は春芽を大きく膨らませてきていますし、今までは細い棒だったケヤキの枝にも春芽が見えるほどに膨らんできて、でこぼこの雰囲気になってきました。春がそこまでやって来ていると実感できる雰囲気で、まだ気温がそう高くないのですが少し汗をかいて、爽快な気分になりました。

今が一番被写体が少なくて、題材探しに苦労するのですが、その分しっかり歩き回って健康ウォーキングが出来たという感じです。

それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。

PENTAX K-1 Komura 135mmF2.8

撮影データ:1/2000sec F5.6 ISO100

段々雪が積もらなくなってきて、公園の雪もあとわずかになりました。雪の写真が撮れるのもこれが最後になると思いますので、しっかりと記録に残しておきます。

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