昔は1本500円くらいで購入できた黒白フィルムなのですが、その頃の高級品はイルフォードのフィルムで、高級フィルムらしく写りも素晴らしいので、大切に使っていた記憶があります。その頃でもフォマのフィルムは安くて、普段使いをするならバルクフィルムという訳で100フィート巻きのフィルムを買っていたりしました。
その後フジフィルムさんが、最後に残ったネオパンアクロスを生産終了という事で、一時期大騒ぎになったのですが、無事生産再開となったところで価格がかなり上がってしまいました。やはり芸術の視点から、黒白フィルムはそれなりの価値がありますので、他の黒白フィルムもじわじわと値段が上がっていって、倍くらいの値段になってしまいました。
同時に自家現像の薬品もじわじわと値段が上がっていきますので、今では1コマ撮影すると100円くらいは優にかかってしまいます。どうしようという感じで、一時はカラー撮影したディジタルカメラのデータを、黒白データ化しようという事で、シルキーピクスのモノクロコントローラで変換するのですが、あまりぱっとしません。
やはりフィルムとディジタルでは表現の仕方が違いますので、結局はディスプレイの黒白フィルム撮影という感じで、フィルムにしないとしっくりとこない印象です。黒白フィルムの持っている感色特性や粒状性は、ディジタルカメラでは真似ができないという感じですから、あとから色々といじくっても真似ができないという感じです。
それと感色特性から来る独特の質感描写があって、特に川の流れや構造物、そして木の葉の雰囲気など、見事に質感をモノトーンで表現してくれるのですが、これがディジタルではなかなか表現できない技ということが出来ます。撮影してみて表現にびっくりという事もある訳で、どのように表現してくれるだろうかとワクワクしながら現像をする楽しみも与えてくれます。
また、赤色を黒く落とすオルソパンクロマチックのネオパンアクロスや、ニュートラルだけれどコントラストの比較的高めなフォマパン、青空を黒く落とせるローライのスーパーパンなど、いろいろな個性を持つフィルムがありますので、その日の雰囲気に合わせてチョイスする楽しみがあります。
最近では36枚撮りフィルムを半分にして、少しずつ使うようになったという感じですが、その様なときの救世主がフォマパンだったりするわけで、100フィート巻きのバルクフィルムを購入して大切に使っています。その他にも映画用フィルムよろしく中間トーンを奇麗に出すオルヴォのフィルムも併せて使っているという感じです。
また、使う現像液によっても表現が変わりますから、数種類の現像液を持っていて撮影当日の雰囲気を鑑みて現像液をチョイスすると、満足できる画が得られるという感じです。色々なレシピがありますので、自家現像の工程まで含めて楽しんでいます。高価なフィルムになってしまって、なかなか普段使いが出来なくなってしまった黒白フィルムですが、大切に使うことでコストを抑えているといった感じです。
今ではディジタルカメラを持ちだすことが多くなりましたが、やはり1か月に1度くらいはフィルムを使いたくなるわけで、今ではハーフサイズのカメラでもしっかり描写してくれますからオリンパスペンを持ち出す機会が多くなりました。
最強寒波が2回押し寄せてきたという感じですが、その間には3日間ほど春のような雰囲気がある訳で、オリンパスペンを早速持ち出して撮影行に行ってきたという感じです。今のうちに雪の雰囲気でも記録に残しておこうという訳で、今はまだ厳冬の雰囲気ですがチャンスを狙って撮影しているという感じです。
それでは、先月中旬に撮影した写真から掲載します。
Olympus-Pen EE-3 D.Zuiko 28mmF3.5
撮影データ:ISO100 Auto Foma Fomapan100(ISO100)
冬の地下道は、雪が積もっていませんので撮影行の休み場所になります。フィルムで撮影すると暗部のトーンがよく出てきますので、見たままの雰囲気を表現することが出来ます。