あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

黒白フィルムに合う被写体

2017-05-31 06:53:10 | 撮影の方法
春になって、色々な花が咲き乱れてくるとあまり使われなくなるのが黒白フィルムで、カラーフィルムやディジタルカメラを主に使い出す事になります。何しろ色が豊富ですから黒白フィルムで表現すると何の花だったかわからなくなるという具合です。それでも色々なシーンを撮影していますので、後から出来上がったデータを見ながら考えているわけです。

もう形も色もある程度わかっているような普遍的な花であれば、黒白フィルムの感度域がばらつく事により、思っていた状況と違った雰囲気に撮影が出来ますので、これもひとつの楽しみと考えて撮影する事が出来ます。ローライのスーパーパン200はパンクロマティックの特性に加えて赤外域まで感度が伸びでいますので、通常とは違った見え方の写真を撮影する事が出来ます。

冬であればさざんかの花が好対象なのですが、春先は桜の花を撮影すると、また違った趣で撮影する事が出来ます。しかし、対象となる花は咲いている期間がありますから、冬のさざんかのように長い期間は咲いていませんので、桜が終わった後は被写体の確保が難しくなります。

それならばと、合っている被写体を探しに行きます。被写体見つけの撮影行は、重たい一眼レフ・カメラよりも、軽いペンの方が気軽に撮影できて、尚且つハーフ・サイズですから多くのコマを撮影できて便利です。色の概念があまり無い被写体は構造物や道などの年間を通じて色の変化が少ないものですが、その気になって探してみると、面白そうな模様や構造の造形部分が見つかって、思わず1枚撮影という事になります。

フィルムは超高解像のスーパーパン200ですから、ハーフ・サイズのペンでも楽に解像感の高い画像を記録することができますし、フィルム自体が高コントラストですから、少し柔らかめのペンの描写と相殺されて、しっかりとトーンのつながった感じで、きりっとした感じに描写します。オリンパスペンとスーパーパン200は好みの取り合わせになりそうです。

道や橋、そして休憩のベンチや木の幹の模様と、色々な部分に目が行って、面白そうな部分を切り取っていきます。何しろ被写体が程よい大きさですから、おおよそ2m~8m位までが良く写るペンの描写と程よくマッチして、撮影したコマはすべて失敗がありません。普段は見過ごしている部分でも、視点を変えれば面白い構造や模様に変化していきます。

ひとしきり撮影して自家現像を行い、そしてスキャニングを行います。結構面白くて使えるコマが多い、新しい発見が多い撮影行となりました。今まであまり黒白フィルムを持ち出していなかった季節でも、視点を変えて撮影する事で新たな発見がありそうです。これでまた、休日の愉しみ方が一つ増えました。

それでは、今月中旬に撮影した写真から掲載します。


Olympus-Pen EE-3 D.Zuiko 28mmF3.5
撮影データ:ISO200 Auto Rollei Superpan200
通いなれた歩道橋の途中で降りる階段ですが、造形の積み重なりが面白くて撮影しました。何気ない雰囲気も良く出してくれるフィルムならではの感じです。
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相棒タクマー

2017-05-29 11:30:27 | タクマー・レンズ
ペンタックスSPから一眼レフ・カメラの世界に入って、途中ビデオカメラの面白さから、ずっとビデオ撮影をしていましたが、その時はカメラも自動巻上げのカメラが良いということで、ニコンF50を買って撮影していました、ある時に自宅の隅に眠っていたペンタックスSPに気がついて、フィルム入れて撮影したら線の細いしっかりとした写りにびっくりして、またもやペンタックスSPに逆戻り、今に至っています。

今ではマウントアダプタが売られていますので、ディジタルもフィルムも思いのままで、ディジタル一眼レフ・カメラのK-5は、最初からマウントアダプタを装着されて、M42レンズ専用機に化けてしまいました。その様な中でM42レンズの筆頭格であるタクマー・シリーズが中古でも格安であることに気がついて、現代レンズ1本分の値段で優に5本位は買えてしまうタクマー・レンズですから、揃えてみようという気になりました。

1年で言えば少しなのですが、10年分となると結構な本数になります。まさにタクマーに囲まれている感じで撮影していますから、質実剛健な写りで真面目に描写してくれるレンズは相棒の名にふさわしく、いつも連れ出しています。集めるのにも一応の限界があって、先ずはエナメルペン・ケースに入る大きさであることが前提で、レンズ・ケースが今では手に入りにくいためにこのような感じになっています。

このため、20mm~300mm位のレンズであれば何とか購入しているといった感じです。唯一フィッシュアイ・タクマーは、前玉を傷つけそうで未だに持っていないのが正直な所ですし、何しろ高いのでそれならばフィッシュアイ・アタッチメント・レンズの方が満足できますし、全周魚眼撮影が出来ますので購入していないのが現状です。

この相棒タクマーも、初代レンズから集めていると面白い事が判ります。特に200mmと300mmレンズですが、初期品は50年選手の古強者ですが意外と若いレンズも存在していることがわかってきます。SMCタクマーの頃まで並行生産されていた後期品があり、途中でスーパータクマーやSMCタクマーに代替わりするのですが、昔のタクマーを現役使用しているカメラマンも多くてこのような販売形態になったのではないかと思っています。

スーパータクマーは線の細さ、SMCタクマーは力強さと逆光性能の高さが売りです。そして初代タクマーは逆光性能は落ちるけれど、しっかり写って発色も良いレンズです。色々揃えたくなる訳で、今では好みに合わせて焦点距離のライン・アップは大体持っているという状態になりました。貰ってくるレンズや買って来たペンタックスSPに付いて来るレンズもありますから、色々とイレギュラーなレンズもあります。

スーパータクマーなのにレンズ・エレメントがSMCだったり、オートタクマーだったりします。また、スーパータクマーなのに開放測光用ピンが付いていたりと、かなりバリエーションが豊富です。しっかりと在庫を使い切って生産したり、ユーザーの方々に悔しい思いをさせないよう配慮したりと色々な場面があったことを知りましたが、これもユーザー・フレンドリーなペンタックスさんならではといった感じです。

今では、新しいレンズと考えていたSMCタクマー・レンズもヴィンテージ・レンズに入るようで、オートタクマーやスーパータクマーはどうなのと言った感じはありますが、古強者のレンズでAFさえ諦めれば現代レンズとほぼ同じ写りを手に入れることが出来ます。タクマー自体は長期にわたって生産されましたので、色々な写りが楽しめる面白いレンズ群です。

それでは、今月中旬に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 SMC Takumar 135mmF3.5
撮影データ:1/250sec F5.6 ISO100
藤の花も終わりごろになると、梅雨時期の花のてっせんが咲き出します。初夏の日差しのまぶしさを撮影するのに135mmF3.5レンズはぴったりの感じです。
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SMC Takumar 135mmF3.5

2017-05-27 06:50:03 | タクマー・レンズ
ペンタックスSPの時代には、このレンズと標準の55mmF1.8が主流のキット・レンズであり、そんなに難しく考えなくても、しっかりとした結果が残せる王道のレンズでした。少し暗いレンズなのですが、それでもF3.5のレンズですからISO400のフィルムを奮発する事で、ある程度シャッター・スピードも稼げて、満足できる画像が手に入ります。

このブログでも検索率の高いのがこのレンズで、皆さんが関心を持っていると思われる感じです。何しろカメラ屋さんの中古品棚にはしっかり鎮座していますし、中古価格も飛び切りリーズナブルです。思わず買っても大丈夫かと考えたくなりそうな雰囲気ですから、検討される方も多いと考えています。

この時代の135mmF3.5レンズは、色々なメーカがカメラのキット・レンズとして販売していましたので、タクマーにこだわらなければ多くの他メーカのレンズが存在しています。この頃のレンズはほぼゾナー・タイプやエルノスター・タイプですから、写りの良さも兼ね備えています。少し明るいF2.8レンズを持つメーカもありましたし、大口径F2.5やF1.8のレンズを発売するメーカもありました。

しかし、基本レンズとなるとF3.5の細身タイプであり、持ちやすさと軽量なメリットがありますから、初めてカメラを手にする人の貴重な望遠レンズであったであろうと考えています。手持ちで撮影を行おうとすると、1/250秒位のシャッター・スピードを確保する必要があって、少しは絞り込みたいですから、使っているフィルムとの兼ね合いで三脚を用いて撮影される方が多かったと記憶しています。

時代が変わって、ディジタルカメラの高感度画質が飛躍的に向上した事で、SMCタクマー135mmF3.5のレンズも簡易に高画質な画像が得られるレンズとして、注目されるようになったと考えています。絞り開放から被写界深度も解像度も、ある程度は確保されていますし、うっかりと絞り開放で撮影してもふにゃふにゃな画像にならない事は立派です。ラフに扱ってもそこそこ満足できる結果が残せますので、入門用としてはうってつけであったであろうと思います。

自身も失敗したくないような撮影シーンでは、F2.5の大口径望遠レンズでチャレンジャーになるよりは、目の前の結果が得たくてF3.5のこのレンズを装着したりしています。絞り込むと背景が極端に硬くなりますので、大口径望遠レンズのように撮影するときには、光線状態や背景を良く選ぶ必要がある煩わしさがありますが、むしろ望遠レンズと割り切って使う分には、かなり気楽に撮影できますので、あまり気にしないで撮影したいときに装着しています。

安いレンズだけど、パフォーマンスは想像以上でしっかりと結果を出してくれるレンズ。SMCタクマーやスーパータクマー135mmF3.5は、隠れた銘レンズです。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 SMC Takumar 135mmF3.5
撮影データ:1/400sec F5.6 ISO100
ゆきやなぎが咲き終わって、初夏の季節になるとこでまりが咲き出します。晴れた日にこでまりの白色は良く映えて、公園を明るく飾ってくれます。
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花も一通り咲きました

2017-05-25 16:30:25 | 季節は進む
2月終わり位にまんさくの花が咲いてから、梅に桜とほぼ毎週色々な花が咲き始めて気ぜわしい春でしたが、藤の花からこうぞの花と移ってきた時点で一休みのような感じです。これからはあじさいの花になるのですが、まだ少し時間があるような感じです。やっと一休みといった感じで、朝晩はそう冷え込まないようになりましたから、これからは夏への模様替えになります。

温かくなりましたので、連休の休みを利用してストーブを片付けて、これからの季節に必要となる扇風機を出してきます。5月も過ぎると部屋を閉め切っていては熱が篭りますので、扇風機や換気扇を使って空気の入れ替えを行うようにするとすっきりとした感じになります。梅雨の季節は除湿機を入れながら部屋の換気を行って、あまり部屋が冷えないようにします。

春の花が咲き終わると、いよいよ木々の芽が吹き出してきて、今までは枝だけで見通しの良かった山が緑の服を着る様になります。こんもりとした丸い山に変貌していく訳で、あたり一面緑色の季節になります。この様になってくると、緑色一色になってくる訳で黒白フィルムで表現してもさほど違和感を感じないようになります。

冬の雪と地面のモノトーンから、初夏の緑と構造物のモノトーンに変化してくる訳で、色の数が少なくなりますから、黒白フィルムの活躍の場が出てきているという事になります。春先はスーパーパンの世界に浸って、赤外光まで伸びている特性表現を愉しみましたが、これからはあまり気にしなくとも色の数が少ないので、今まで購入しているトライXやネオパンアクロスを使って撮影を行っていくという具合です。

どちらかというと柔らかめに表現するネオパンアクロスが好みですから、早速ゼンザブロニカに詰め込んで撮影行に出かけます。芽吹きの頃は、芽吹いた葉が虫に食われていませんので、きれいなグラデーションがつきます。これからしばらくたつと虫に食われたり、風で痛んだりしてきれいな葉がだんだん少なくなりますので、今のうちが撮影のチャンスです。

中判カメラでは、粒子の粗いフィルムを使っていても、35mm判フィルムの4倍の面積がある6×6判ですから、十分に高精細な画像を得る事が出来ます。むしろ、粒子の大きさぎりぎりまで解像度を上げないで、そこそこの解像度でスキャニングを行うと繋がりが良くなって、満足できる仕上がりになって行きます。

黒白フィルムであれば、自家現像も出来ますので便利に撮影を行う事ができます。仕上がりを期待しながら現像タンクを動かして攪拌する作業も楽しいものです。ディジタルカメラはその場で結果を見られるので、それもまた楽しいのですがフィルムのようにプロセスを愉しむ工程があると、数倍愉しんで撮影が行えるようになります。

休日の一日は、のんびり撮影とのんびり現像で過ぎていきます。現像が上がったらゆっくりとスキャニングして画像に仕上げます。花が少なくなった休日は、この様な楽しみもまた良しといった感じです。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Nikkor-P・C 75mmF2.8
撮影データ:1/60sec F5.6 Neopan Acros100
気付くと、玄関先でほうちゃくそうが咲き始めていました。緑色系の花ですから、黒白フィルムのほうがトーンも出せて良い感じに写せます。
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マクロ撮影の選択肢

2017-05-23 05:50:13 | 撮影の方法
マクロ撮影を行おうとすると、決まってマクロレンズの登場となるわけですが、マクロレンズ以外でも意外と本気で写せる選択肢があります。それがクローズアップ・レンズで、出始めの頃はノンコートで周辺像の流れもかなり多くありましたから、マクロレンズと比べると数段画像がしょぼくなるために、それならばマクロレンズといった感じでした。

でも、現代のクローズアップ・レンズはかなりの進化を遂げていることも見逃せません。マルチコート化されていますので、単焦点の昔レンズに取り付けるとレンズ自体が擬似マルチコート・レンズにはや代わりして、多少の逆光環境でもそこそこの結果を残せる事は大したものと考えています。

レンズ自体の精度もかなり向上していますので、周辺画像の流れは少なくなっています。昔持っていた負のイメージと違った形で撮影が行えますので、殊更便利です。クローズアップ・レンズは主に望遠レンズに取り付けて撮影を行うと、ワーキング・ディスタンスが稼げるマクロレンズに早代わりしますので、マクロ撮影が行いやすくなって便利です。200mm望遠レンズに取り付けると効果は絶大で、かなり離れた場所からマクロ撮影が行えるようになります。

逆に広角レンズに取り付けると広角マクロ撮影が行えるのですが、クローズアップ・レンズの周辺部まで使う事になるために周辺画像が流れるなどの不都合点が出てきます。元来近接が行える単焦点広角レンズでは、最短撮影距離がさらに短くなってしまって、レンズの先端に被写体がくっつきそうになってしまいます。レンズに傷をつけてしまう感じであまりお勧めできる状態ではありません。

広角レンズの場合にお勧めできるのがクローズアップ・リングで、装着するとフィルム面のイメージ・サークルを広げますので、画像は暗くなるのですが素通しのリングですから画像そのものの劣化が無くて、良好なマクロ撮影が行えます。嬉しい事には、被写界深度があまり浅くならない事で、広角マクロ撮影の醍醐味を存分に味わう事が出来ます。

50mm標準レンズはクローズアップ・レンズやクローズアップ・リングのどちらを取り付けてもあまり画質には影響しないのですが、それよりも広角ならばクローズアップ・リングが有利ですし、逆に望遠寄りならばクローズアップ・レンズと使い分けて使用するようにしています。しかし、タクマーでも24mmF3.5や20mmF4.5は元来最短撮影距離がうんと短いレンズですから、クローズアップ・リングのご利益が現れてくるレンズは、35mmF3.5か28mmF3.5のレンズという事になります。

今回は、咲き始めたこうぞの花が目標です。ある程度の大きさがありますが、あまり近づけないので望遠レンズとクローズアップ・レンズを使って撮影します。被写体の事を考えながらレンズとアクセサリをチョイスしますので、この作業もまた楽しいといった感じです。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 SMC Takumar 105mmF2.8(with close-up lens)
撮影データ:1/125sec F5.6 ISO200
暖かい日が続いて、こうぞの花が咲き始めました。うにのような花が雌花で、雌花と雄花が一緒に咲いています。
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