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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

箱庭の世界

2019-01-31 07:01:23 | 撮影の方法
広い空間を小さな箱の中で表現する。昔からある箱庭の表現ですが、写真の世界にもその様な感じで一つの写真の中に広い世界を表現することがあります。普通のレンズではなかなか表現が行いにくいのですが、魚眼レンズを使うとおおよそ目の前に展開している風景全てを写しこんでしまいます。

うかつに撮影すると自分の足まで写り込んでしまいますし、自分自身の影までも写り込んでしまいますから、写らないように努力してみたり、または表現の味付けとして色々な格好をしてみたりなどと愉しむことが出来ます。何しろ画角が180°近くありますから、おおよそ見ている範囲全てを圧縮して写しこむ感じです。

その割には中心部分は少し膨れるのですが、割とまともに写ります。周辺部に行くほど強烈な歪曲になってきますので、撮影の仕方によっては普通の雰囲気になって見たり、直線の道などが大きく湾曲してみたりと、被写体を置く場所によって色々な表現を行うことが出来ます。上手くいったときには結構面白い表現が出来ますので、ファインダー像を見るのが楽しくなります。

対角線の画角が180°の魚眼レンズは、一般的な魚眼レンズといった感じでそれ程圧縮の雰囲気が出てこない感じになります。やはり魚眼レンズというと全周魚眼レンズが面白い表現となります。フィルムやデータの真ん中に丸く画像が表示されますので、スクウエア・サイズにトリミングしても、縦横の歪みがほぼ一緒の箱庭のような画像を手にすることが出来ます。

全周魚眼撮影は、かなり挑戦されている方も多く、対角線魚眼レンズのフィッシュアイ・タクマーにワイドコンバータをつけたり、中判カメラに何とかフィッシュアイ・タクマーをつけてみたりと、色々な挑戦をされているようです。一般的には魚眼コンバータ・レンズが有りますので、中古品を買ってきてコンバータの後につけるレンズを工夫すれば、対角線魚眼レンズになったり、全周魚眼レンズになったりします。

丁度タクマーの一般的なフィルタ・サイズであるφ49mmの接続径を持つ魚眼コンバータ・レンズが手に入りましたので、後に付けるタクマーを色々変えて確認を行いました。フィルムやフルサイズのディジタル一眼レフ・カメラでは、28mmレンズで全周魚眼、35mmレンズでほぼ対角線魚眼のようになります。

標準レンズをつけると超広角レンズにはや代わりしますので、歪曲収差のある程度残った雰囲気たっぷりの広角画像を手に入れることが出来ます。歪曲収差の少ない端正な画像を求める時には、無論20mmや24mmのタクマーで撮影すれば、真っ直ぐなものはほぼ真っ直ぐに写せます。あくまでも写真の表現の一つですから、一番合っている表現方法を想定します。

晴れの日が続いた貴重な休日は、何かしら挑戦をしたくなります。強烈な歪曲収差を味わってみたくなって、フィッシュアイ・コンバータを出してきて、SMCタクマー28mmF3.5とドッキングさせます。全周魚眼で写したいので、今回はフィルムを使います。しっかりと太陽を背にしないと、画面のどこかに太陽が紛れ込んできます。入れてもゴーストがほとんどでない優秀なコンバータですから、安心して撮影します。

小一時間撮影して、フィルムをカメラ屋さんで現像してもらいます。カラー・フィルムは自家現像では温度設定が難しく、やはりカメラ屋さんの自動現像機が一番安心して現像できる手段です。現像後はスキャニングして、スクウエア・サイズにトリミングを行います。雰囲気は色々な被写体が詰まった箱庭の世界で、これもまた面白いといった感じです。

それでは今月中旬に撮影した写真から掲載します。


AsahiPentax ME Semi Fisheye Lens(SMC Takumar 28mmF3.5)
撮影データ:1/250sec F8 Fujicolor Superia X-tra400
大きなかしの木も下までもぐりこむように近付いて、ようやく全体が写せます。冬枯れの雰囲気の中で常緑樹は格好の被写体になってくれます。
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Super Takumar 105mmF2.8

2019-01-29 07:06:06 | タクマー・レンズ
お正月休み明けの撮影行はタクマーで、と考えていましたら丁度良く連休の間は晴れている感じです。良い天気が続くときにはやはりタクマーでといった感じで、レンズは何にしようか考えます。今の時期では景色を写すときには広角レンズなのですが、雪景色の時以外は冬枯れ状態ですから、ある程度望遠レンズも必要になります。

つまりちょっとした注目している雰囲気で写す感じです。この時にはやはり中望遠レンズという事になります。中望遠レンズの代表格は85mmレンズになるのですが、ボケの優雅さでは文句がない替わりに被写界深度の薄さという扱いにくさがあります。つまりスナップ撮影よりも腰をすえた撮影になってしまう訳で、少し扱いやすいレンズを選びます。

APS-CサイズのK-5を使うのであれば、55mm標準レンズでもしっかり85mmと同じ画角になります。しかし、少し圧縮効果も欲しい訳で、望遠らしい写りでそこそこの被写界深度も欲しいという贅沢な悩みを持つ事になります。そのとき用の焦点距離が105mmに有りそうで、85mmのスナップ感覚レンズが105mmといった感じになります。

85mm大口径レンズほど被写界深度が薄くないですし、135mm望遠レンズほどしっかりとした圧縮効果も出てきません。程々望遠らしい雰囲気でスナップ撮影が行なえる簡便さが105mmレンズにあるといえそうです。昔は105mmレンズと言うと中判カメラで標準レンズですから、35mm判カメラ用よりも中判カメラ用レンズとして有名な感じです。

135mmレンズでは手振れが一番気になるのですが、105mmレンズではしっかりとホールドすれば手振れも気になりません。結構スナップ撮影に有用なんですが、105mmレンズと言うと昔のキットレンズ群から外れていますので、ある意味キットレンズを先に揃えてから検討する+α的な要素がありました。

このためにレンズが売られていることは判るけれど、自身のレンズ購入はしていなかったという感じです。最近になってタクマーの写りが気に入って、中古品を探して買い揃えたという感じです。写してみて判る事ですが、85mmのレンズ風に撮影できて被写界深度も十分に確保できる面白さがあります。

初めての方でも扱いやすくて、中望遠レンズの醍醐味を愉しむ事が出来るレンズです。SMCタクマーは力強い描写で、スーパータクマーはしなやかな描写が得意です。しばらくするうちに両方のレンズを購入して被写体の雰囲気で使い分ける事をする様になりました。ちょっとした事に使える万能なレンズですので、結構使っています。

今回の撮影行は冬枯れの世界です。1月とは思えないような雰囲気なのですが、柔らかな冬の日の雰囲気を表現できるようにスーパータクマーを選びました。しなやかな写りはどちらかというとひ弱にもみえるのですが、現像ソフトウエアで少しコントラストをつけることによって、かなり満足出来る画になります。

晴れた日が続いて満足できる撮影が出来たと思っています。2月もこの様なチャンスがあればと思いながら、今の撮影チャンスを愉しんでいます。

それでは、今月中旬に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Super Takumar 55mmF1.8
撮影データ:1/125sec F5.6 ISO400
つつじの機は常緑樹のように見えますが、今が紅葉の季節で順番に生え変わるといった感じで、春には緑一色になります。しっかり紅葉しますので今のうちにきれいな色を写真に収めます。
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久しぶりにタクマー

2019-01-27 06:51:00 | タクマー・レンズ
暮れからお正月にかけて、ペンタックスレンズやQ用のレンズは使うのですが、タクマー・レンズとはかなり縁遠くなっていました。雪が降ったり雨が降ったりしていると、どうしてもコンパクトディジタルカメラやペンタックスQのような、ある意味小型でポケットにもさっと隠せるカメラばかり使いますので、縁遠くなっていた訳です。

ブログの来訪ページを見ていても、タクマー・レンズの比率がかなり多く、興味を持ってご覧になっているのに出番がなかなかやってこない感じです。ここは一発使用出来るチャンスを探していたという感じで、なかなか晴れの時間帯が長く続く日にしか持ち出せないので、毎日天気予報とにらめっこしていたという訳です。

タクマー・レンズはアサヒフレックスの時代から存在しているレンズです。今から40年以上も前のレンズなのですが、アサヒペンタックスの黄金期を築き上げたレンズでもあり、生産数もすごく多かった事から、今でもカメラ屋さんの中古品棚を賑わせている古参レンズです。中古価格もかなり安いですから、昔ながらのレンズの味わいを愉しみたいときには最適な感じです。

安いながらもしっかりと設計されているのがタクマー・レンズの特徴で、安かろう悪かろうの世界ではありません。単焦点レンズが多くて、無理をしていない設計ですから写りもかなり良いといった印象です。プレミア化しているレンズを除けば、かなりリーズナブルに手に入ります。ねじ式のM42マウントといった感じなのですが、世界標準のマウントでもあって同規格の色々な国のレンズが手に入ります。

写りは実直真面目であり、後ボケも素直です。流石に現代の硝材やコーティングが施されていませんので、逆光環境では流石に無理が有るレンズが多いのですが、それでもかなり健闘しているレンズが多くてびっくりする感じです。中古価格とすればコスト・パフォーマンスが最強のレンズ群であり、今でも愛好者が多くおられる印象です。

かといって、現代レンズが花盛りの中で、勧められるレンズと言うわけでもありません。しかし、現代のディジタル一眼レフ・カメラにも、マウント・アダプタを介すれば装着できる簡便さがありますから、ディジタルでもフィルムでも存分にタクマーの味わいを愉しむ事が出来ます。ペンタックスのカメラであれば、絞込みAEが効きますから更に便利に使用できます。

丁度晴れの日が続く休日がやって来ましたので、タクマーを使って撮影しようと考えていました。今の時期は花が少なくて、主に空や木々の枝などに味わい深いシーンが存在します。川の流れも澄んできて、暖かい季節のように濁っていませんから、丹念に周りを見渡しながら撮影を行なっていく事になります。言ってみれば侘びと寂の世界表現ですから、細かな表現を行なうタクマーを使う事になります。

今回の撮影行では、スーパータクマーを使う事にしました。線の細い描写は今の季節にぴったりなのかもしれません。逆に雪が降ってしまうと力強さといった感じで、SMCタクマーの出番もやってくることになりますが、冬枯れの状況ではほぼ順光で撮影しますので、逆光に弱いスーパータクマーでも存分に使えます。

晴れの続いた休日は、ディジタルでもフィルムでもといった感じで、存分に撮影を愉しみます。撮影行でも設計に余裕のあるタクマーは、しっかりと期待にこたえてくれる感じです。

それでは、今月中旬に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Super Takumar 105mmF2.8
撮影データ:1/125sec F3.5 ISO200
いっぱい咲いているさざんかの花ですが、この様に1輪だけぽつんと咲いている花も目を引きます。お茶花のような雰囲気の写真で、風情があります。
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お正月は太ります

2019-01-25 06:57:37 | いろいろあります
暮れからお正月にかけてずっと寒気が居座っていたおかげで、雪はあまり積もりませんでしたが寒いの何のといった感じです。何しろ積もらないまでもずっと雨や雪が降っていますから、外に出たくても出られない状態が続いていました。それでも雲の切れ間を見計らって撮影行に出かけるのですが、10分ほどで帰ってくる有様です。

とにかく休日は家からあまり出かけない状況で、スーパーに買出しに行っても歩く距離はわずかです。このためにお正月休みが始まる前までは何とかしていたお腹の出っ張りも気になってくるようになりました。仕事が始まってしまえば結構毎日歩くのですが、それでも雨が降っていると近場にとどまってしまいます。

何しろ汗をかくような撮影行も行なっていない訳で、汗をかく様な運動をすると不思議と血の巡りもよくなってきて、体全体が温まってきます。要はずっと同じ様な感じになっていると体が冷えてくる訳で、この様な状況をずっと続けていると風邪を引いてしまいます、お正月明けの休日まではずっと雨や雪の日が続きましたから、悶々としていた訳です。

それでも今年の冬は暖冬といった感じで、雪は降ってもあまり積もりませんしおまけに雨が降ってしまって、せっかくきれいな雪景色と思っていたら次の日にはきれいになくなっていました。1月にこの様な事になるのは珍しくて、過去にも数回経験していますが雪がほとんど無い冬の印象です。雪は降るのですが長続きしなくて、直ぐ雨や晴れになりますから、残らないのです。

雪が良く降る年は4寒3温のような感じで、寒い日が多くて毎日雪が降っている印象なのですが、雪の積もらない年は2寒5温といった印象で、寒い日があるのですがあまり長続きしません。逆に雨が降ってくるとかなり暖かくなる訳で、その後で晴れてきますのでかなり暖かい日が続くといった印象です。

あたり一面太平洋側と同じ冬枯れの印象で、写真撮影の題材があまり見つからない感じです。花といっても蝋梅やさざんかの花は暖かすぎて早くも満開になってしまって、1月初めの頃には花の数が逆に少なくなってしまいました。これから咲く花は2月になってからで、まんさくの花に移っていくのですが、まんさくが咲き始めるまでには半月以上待たなくてはいけません。

しかし、題材が少ないからといって撮影行に出かけないと、お正月太りしてしまった体を元に戻すことは出来ません。週間天気を見ていると次のお休みは晴れ間が続く予想になっています。チャンスが巡ってきた訳で色々機材の事を考えながら仕事に励みます。毛高待ち遠しかったのですが、休みの日が始まってみると予報どおり晴れの日が続いて、日の光も暖かく、絶好の撮影行日和になっていました。

結構長い距離を歩いて汗をかきます。途中途中の撮影スポットの間は早歩きといった具合で、帰ってくるとつま先や指先まで暖かくなっています。この様になると溜まった脂肪が燃焼されてくる訳で、体がある程度軽くなってきます。体自体が温まってくるので、就寝時の体の冷えも緩和されそうです。

そんなこんなで、健康的な休日になりました。またあるといいなと思いながら連休の休日が過ぎて行きます。
それでは、今月中旬に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Super Takumar 105mmF2.8
撮影データ:1/160sec F3.5 ISO100
まだ1月中旬でしたが、早くもまんさくの花が咲き出していました。橙色の花のまんさくは少し早いようで、少しやってきた春の気配に暖かさを感じます。
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SMC Takumar 35mmF2(Asahi PentaxME)

2019-01-23 06:52:10 | タクマー・レンズ
久しぶりに引っ張り出してきた、タクマーのアトム・レンズです。コンパクト化と高性能化を狙ってトリウムレンズを採用しているのですが、アトムレンズの特徴からしっかりブラウニング現象が起きていて、昼でも夕方のように写るほどにレンズ自体が黄変しています。SMCペンタックスMレンズを手に入れてからは、出番が少なくなってしまいました。

大口径広角レンズは、古くからオートタクマーやスーパータクマー35mmがありますが、いずれも大口径レンズに恥じないような大きさと重さで、装着すれば望遠レンズと間違えられそうな出で立ちでしたので、アマチュアカメラマンの方もなかなか手が出し辛かったのではないかと考えています。

スーパータクマー後期から、レンズの小型化が各メーカで競争になり、高屈折率のレンズを採用した小型版のレンズが出て来ました。トリウム・レンズを採用していましたので、放射線の人体への影響や10年ほど経過するとレンズがあめ色に変色してしまう事もあって、中古価格がどんどん下がっていきました。

それでも流石に、当時最先端のガラス材料を採用したレンズです。写り自体は文句がないほどに良くなっており、ピント位置の切れるような描写と、背景の柔らかなボケ味を十分に堪能する事ができます。レンズが発売されてから黄変してしまうまでには、かなりの時間が必要ですからその間は高嶺の花のレンズであった訳です。

しかし、紫外線照射でかなり黄変度合いが軽減できますから、現在はかなり黄変度合いを少なくして使用しています。それでも昼に写してもうっすら夕方のように写りますので、気になるときにはシアン系の有色フィルターを取り付けて撮影しています。ディジタルカメラではホワイトバランスが効きますから、そのまま撮影してもOKです。

しかし、ファインダー像が夕方のように写ってしまうと、多少は不安感も有りますので有色フィルタを使って見ている状態でも補正を掛ければ良いと思っています。それさえクリアしてしまえば、写りはかなり優秀なレンズですから満足のいくカットがいくつも出てくる事になります。ピントの山がつかみやすいレンズは優秀なレンズであり、このレンズも黄変さえ除けば超優秀です。

後は今でも放射線を出しているアトムレンズということで、至近距離であれば結構線量も高いのですが、10cmも離れれば自然界の放射線量とほぼ同じになります。肌身離さず1年間持っていれば影響があるかといった感じなのですが、確かに不気味なレンズでもあります。気になる場合はトリウムレンズを使わないSMCペンタックスMレンズを使うという手もあります。古い大きなタクマーもあるのですが、大きくて高くてといった感じで、あまりお勧めも出来ません。

あめ色変色という事で、黒白フィルムを使って撮影を行ないます。多少トーンが暖色系の色の方に偏るのですが、それなりに撮影が行なえます。黒白フィルムでもトーンの偏りを確かめておく必要がありますので、実際に撮影を行なった所あまり変化は見られませんでした。色々試して愉しむ感じで、休みの一日が過ぎていきます。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


AsahiPentax ME SMC Takumar 35mmF2
撮影データ:1/125sec F2 Fomapan200
絞り開放で撮影してみたさざんかの花。被写界深度が浅くなるだけでピント位置の解像感はまずますの状態です。少しバブルボケになりますが、総じてしっかりと描写する優秀レンズです。
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