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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

Auto Yashinon DS-M 200mmF4

2013-10-30 21:10:33 | 国産レンズ
ヤシカなら富岡。そのような考え方で購入したレンズです。当時のヤシノンは富岡光学の色合いが強く、ヤシカのレンズは写りが良くて、ヤシカのカメラが欲しかった事を思い出します。当時は富岡光学の事は知らなかったのですが、他のヤシカのレンズは今でも稀少品で写りが良く、中古価格がとても高い感じです。

SMCタクマーの200mmF4レンズとは一味違った写りで、どちらかと云うとニコンAi-S 200mmF4の写りと同じような感じです。富岡光学の元祖は日本光学ですのでさもありなんと云う所ですが、日本光学のレンズに比べてウォーム・トーンな所が気に入っています。特に赤系の色を誇張しますから、暖かみのある色彩でこれからの季節にはぴったりの感じです。

SMCタクマーで気になった収差フレアも少なく、すっきりとした写りになります。絞り開放では多少軟調な画像になりますが、F8まで絞り込むと精彩感が増して、抜けも良くなる感じです。絞り込んでもあまりコントラストは高くならず、線の細さが出てくる感じですから、品が良い画像となります。

遠くの被写体が解像感良く写せる感じなのですが、近接撮影では多少収差フレアが出て来ます。タクマーが近接撮影で実力を発揮してくるのですが、ヤシノンは中景から遠景の解像感にすぐれており、これも個性と云った感があります。

タクマーであれば、200mmF5.6とF3.5のレンズがもっときれいな描写となる感じです。200mmF4系のレンズでは、レンズ自体の設計に余裕が無いのかもしれません。ある意味全群繰り出しのレンズですから、仕方のない事なのかもしれません。現代のレンズではフローティング機構が設けられていたり、特殊レンズを採用したりするために、この時代のレンズとは違って、すっきりとした画像を結んでくれます。

その事を考慮して撮影する必要があります。被写体と背景に輝度差をあまり設けない事や、主に中景から遠景の被写体を選び、無理をしないで撮影することで好結果を生む事が出来ます。コーティングは、マルチコーティングが行われている感じで、比較的逆光環境にも強くなっています。

絞り開放では、ファインダー像が明るくなるのですが、コントラストが下がりますのでピントが合わせづらくなります。F5位まで絞り込んでピント合わせを行うと、多少ファインダー像は暗くなりますが、ピントが合わせやすくなります。自分自身で工夫して撮影する事が必要なレンズですから、ある程度の練習を行って体になじませる必要もあります。その場の雰囲気にレンズの特徴が合致した時には、ため息の出るような画像を出してくれますから、撮影も期待感がいっぱいで楽しくなります。

癖があって楽しいレンズ。昔のレンズにはそのようなものが多くあって、使っていても飽きさせません。それでは月曜日に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Auto Yashinon DS-M 200mmF4
撮影データ:1/125sec F5.6 ISO200
まゆみの実が熟し切ってしまい、付いている残りの実も少なくなってしまいました。赤色の実を素直に表現してくれるヤシノンのレンズは、200mmレンズの中では貴重な一本です。
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レンズと解像度

2013-10-28 19:02:37 | レンズいろいろ
ディジタル・カメラになって、フィルム時代と違った解像度が手に入るようになっています。フィルムの場合は、黒白フィルムやリバーサルで1,000万画素位の感じでしょうか。ディジタル・カメラでは、1,600万画素や2,000万画素越えの時代になってしまいました。加えて、ローパスフィルターが入っていませんから、かなりはっきりとした画像になります。

2,000万画素超えの場合は、正直言って畳一枚分位の引き伸ばし、またはA0サイズプリントみたいな感じになります。流石にこのサイズまで引き伸ばした場合は、今度はレンズの解像感が追いついて行かないぞ、等と思っている感じです。ピクセル等倍ではかなり芯のない画像になっている事が想定され、ピクセルダウンも方法の一つになってくるのではないかと思います。

この位の画像になってくると、解像感を増すために絞りはF11位まで絞り込み、コントラストを稼いでくっきりとさせる事が必要に思います。被写界深度はかなり深くなりますので、思い切って近接にするか、またはパンフォーカスで全体を取りこんで写すか、と云う感じです。

こうなってくると、現代のレンズでも単焦点レンズを使う方が賢明に感じて来ます。ズーム・レンズでは、解像感を得るためにかなり絞り込む事が必要になりますから、背景ボケをあまり考えなくてすむような被写体を選ぶ必要もあるかと思います。単焦点レンズでは、近接でレンズの中央付近を使う事になるために、中景から近景で解像感が上がります。

難しいものです。フィルムではあまり気にしなかった事が表面化してくる感じです。それでも、普通に撮影して四つ切位に印刷すれば、無難な画像となりますからあまり気にしなくても良いのかもしれませんが、拡大トリミングや縦横変形の拡大トリミングを行うと、影響が出てくる感じです。

中判カメラで、中判用のレンズを使った場合の解像感とはかなり違ったものになる事は否めないと思います。35mm判のサイズ、ましてやAPS-Cサイズの撮像素子と35mm判サイズの単焦点レンズの取り合わせでは、解像感に無理がある事は否めません。しかし、レンズによっては1,600万画素以上の解像感を持っているものがあることは確かで、このレンズで挑戦したい気持ちはあります。

昔ながらのタクマーでも善戦するレンズは数本あると思います。新しいFAやDAの単焦点レンズでは、さらにコントラストが改善されてすっきりと写りますから、DA単焦点レンズで挑戦してみようと云う気がしています。反面やや解像感が低いと思われるレンズでも、絞り込んでレンズ玉の真ん中あたりを使用するようにすれば、かなり解像感が稼げそうです。しかし、持ち前の特徴である柔らかい後ボケと、浮き出すように写る感じは諦めなくてはいけない気がします。

高解像の撮像素子。使いこなしていくにはそれにあったレンズを探して、最適と思われる絞り値を探していくことが必要なのかもしれません。
それでは、先々週月曜日に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Auto Yashinon DS-M 200mmF4
撮影データ:1/250sec F5.6 ISO100
うちわ楓の紅葉はもうすぐそこに来ていますが、暑い日が続くと思ったほどきれいには紅葉しません。今年はどの様になるのか、期待感いっぱいです。
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Super Takumar 55mmF1.8

2013-10-26 20:50:30 | タクマー・レンズ
標準の中の標準的なレンズ。中古価格が一番安いレンズ。押し入れの中に眠っている確率が高いレンズ。色々な表現がありますが、それほど普遍的なレンズです。アサヒペンタックスSPを購入した時に、何かレンズが無いと撮影が出来ませんので、真っ先に購入したレンズがこれだったと思います。

我が家のスーパータクマー55mmF1.8も、良き相棒として今でも活躍してくれます。他のレンズを評価したり、特徴を探したりする時に、このレンズと比べる事で納得のできる理由を見つける事が出来ます。つまり、写りのスタンダード的な要素を持っているレンズで、画面の硬さも、解像感もすべて中庸な訳です。

中庸とはいっても、手抜きをしていない所がこのレンズの良い所で、しっかりと組み上げられています。線の細さの中にしっかりと被写体を捕まえる実力を持っていますから、値段以上のコストパフォーマンスと評価する事が出来ます。最近はやりの50mm標準レンズと比べても、遜色のない写りは大したものです。

少し柔らかめに描写するのですが、それはモノコート時代のレンズの特徴で、ガウスタイプのレンズはレンズ自体の構成枚数が多く、不利を承知で造られていた感があります。硬めの描写は50mmF1.4が担っていますから、ボケ味の秀逸さは55mmF1.8に軍配を上げます。逆光環境ではフレアが派手に出ますから、写真撮影のセオリー通り順光撮影に徹するようにすると、しっかりとした画像を手に入れる事が出来ます。

ペンタックスSPに装着すると、ファインダー画像がほぼ等倍になります。両目を開けて被写体を見ると、不思議な事に立体の画像として見る事が出来ます。期待してシャッターを押すのですが、仕上がったプリントはそれほど立体感がありません。がっかりするのですが、写真は被写体の鮮明感と背景のボケで立体感を表現します。この事に気づかせてくれるレンズと言えるかもしれません。

すごく沢山生産された標準レンズであり、そのために気になる所もあります。それはレンズエレメントのコバ部分です。普通レンズの側面は、反射を嫌って墨が塗ってあるのですが、このレンズには墨が塗ってありません。レンズの側面、すなわちコバ部分に光を当てない工夫が必要になります。つまり斜光環境では注意しないと、フレア発生等となってしまう訳です。

写真撮影の基本を教えてくれるレンズな訳です。他のレンズでは多少荒っぽい撮影をしても、不思議とそれなりに写ってしまう事が多いのですが、このレンズではファインダー像で判る位に画質が低下してしまいます。逆に、他のレンズで、この55mmF1.8に行わなければならない工夫を実践すると、見違えるほどに良い画像を得る事が出来ます。

忘れてはいけない良き相棒レンズ。ディジタル一眼レフ・カメラに取り付けると、画面の柔らかさが相殺されて、かなりはっきりとした画像を得る事が出来ます。このレンズもディジタル時代で見直されたレンズであろうと思います。
それでは先々週日曜日に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Super Takumar 55mmF1.8
撮影データ:1/125sec F2.8 ISO100
みぞそばの花が盛りです。この色とグラデーションはスーパータクマー55mmF1.8の特徴で、他のレンズでは白飛びが出てしまいます。背景ボケも柔らかく、素直に溶けあう様は絶品の写りとなります。
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針式メータと自由度

2013-10-24 21:30:28 | 撮影の方法
最近のディジタル一眼レフ・カメラと最新レンズの取り合わせでは、露出も自動で合わせ込みますから、ユーザが行えるのは露出補正の合わせ込み位です。ペンタックスのディジタルカメラではハイパー・マニュアルで露出制御が行えますから、ある程度の自由度はある感じです。

それでは、昔のカメラはと云うと絞り優先露出制御以前のカメラでは、針式のメータによる露出合わせが行われていました。露出の針を真ん中に合わせ込めば、ほぼ適正露出と云う訳です。当時はCdsによる測光でしたから、すぐに適正露出が判りません。数秒待って針の振れが止まってから、改めて絞りを調整する事が必要でした。

針の振れは、ブリッジ回路を構成してあるためにかなり正確です。Cdsさえ経年変化でおかしくなっていなければ、針を真ん中に合わせるとほぼ正確な露出を得る事が出来ます。現像の終わったフィルムを見ていても、濃淡がはっきりと出ていますから信用する事が出来る訳です。

この針式表示は、露出の自由度を高く持てる利点を持っています。つまり、その場の明るさを知っているのは自分自身ですから、その場の明るさに合わせて+1EV~-1EVの露出補正を瞬時に行っています。明るい日向と暗い日陰、この様な場面に合わせてハイキーとローキーを調整しているのです。

最近のAEカメラですと、明るい日向も暗い日陰も同じような感じで写ってしまい、ディジタル現像でもフィルム焼き付けでも、後からその場の雰囲気を想い出して補正を行う事が必要になります。確かに、暗い日陰が明るく写ってしまう事が助かる事もありますが、その場の雰囲気を醸し出したい時には、想い出して補正を行うのは至難の業です。

それでは、その露出補正をどの様に行っているのかということですが、針1本分か2本分上下にずらすと云う事を行っている訳です。ペンタックスSPでは、針1本分でおおよそ0.3EV程変化しているようです。その場の雰囲気が明るい時には、状況を見て針2本分位上に動かします。つまり+補正を行っている訳です。

この露出補正は、マイナス側の方が効果がある感じです。薄暗い所で写して、日向のように写ってしまうと雰囲気が台無しになってしまいますから、マイナス側に露出を振って、暗くなるように写します。表示されているのが針式メータだけですので、アナログ的な方法が、一番早く設定できます。

これがAEカメラですと、なんとも設定が行い難く、時間ばかりが過ぎてしまいます。写真は一期一会、数分たつと光線状態が変わってしまい、気に入った雰囲気にはなりません。おおつ、と思った時に雰囲気までも写し取っていくことは、作品作りには欠かせない事と思っています。

針式メータとはいかないまでも、LEDやLCDでメータを作ってほしいなと思います。露出補正ボタンで設定変更よりも、数段早く設定が行えて便利と思っている今日この頃です。
それでは、先週月曜日に撮影した写真から掲載します。



PENTAX K-5 Auto Yashinon DS-M 200mmF4
撮影データ:1/125sec F7 ISO200
ヒマラヤ杉の実が大きくなってきました。1年以上かけて実が成熟します。上にあるはがれかかった実が昨年結実した実で、下の実が今年出来た実です。この様な感じになるのは珍しいので、写真に収めてみました。オートヤシノン200mmF4はしっかり写せる望遠レンズです。
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SMC Takumar 85mmF1.8(Pentax SPF)

2013-10-22 19:55:11 | フィルムで行こう
黒白フィルムとリバーサルばかりで撮影していましたが、気を取り直してカラー・ネガフィルムでの撮影を行ってみました。最近ではカラー・ネガフィルム自体もISO400のものが多くなってきており、安価なワゴン販売のフィルム自体が少なくなってきました。

しかし、探していると見つかるもので、コダックのISO200フィルムが多量に売られていましたので、早速買ってきて試しに撮影して見ると、思った以上に粒子の荒れは少なく、昔のISO100フィルムと同じ感覚です。コダックの彩度が高い発色は気持ちが良く、またまとめ買いしてきました。

SMCタクマー85mmF1.8は、絞りを開けると柔らかく、少し絞るとコントラストがぐんと上がる高解像なレンズです。ディジタル一眼レフ・カメラで撮影すると、画面が硬調になってすっきりとした写真が撮影できるのですが、反面柔らかめの写真に仕上げようとすると絞り開放で撮影することになり、撮影時の自由度が上がりません。

フィルムで撮影すると、特にカラー・ネガフィルムでは柔らかめに写りますから、画面の硬さが相殺されて、より自然な雰囲気になります。適度な粒子感が加味されて、自然な形の見たままの描写になります。あまり大伸ばしをしないのであれば、カラー・ネガフィルムを用いると、フィルムが持つ広い諧調感が加味されて、雰囲気の良い写真を手にする事が出来ます。

85mmのレンズは、少し引いて撮影が行えますから、うんと近寄らなくても撮影が行えます。これは結構便利なもので、虫や動物に逃げられずに撮影が行える訳です。望遠レンズの特性が少し出ている撮影結果となりますから、圧縮効果もあまり感じません。しかも大口径レンズになっていますので、被写界深度が思った以上に浅く、背景から被写体が浮かび上がる様に撮影する事も得意です。

85mmレンズはポートレイト用と云う触れ込みが浸透したおかげで、タクマー・レンズの中古品も結構高額ですが、価格にふさわしい名レンズで被写体を解像感良く撮影出来ます。105mmレンズとの比較される事も多いレンズですが、105mmレンズは少しだけ暗いレンズが多く、被写界深度もそれなりに深くなってきますから、背景ボケを気にする時には85mmレンズが有利です。

先日、探していたSMCタクマー85mmF1.8用のフードも手に入れる事が出来ましたので、早速カラー・フィルムを詰めて撮影に臨みます。若干ですがフードは浅めに作られている感じで、けられは無いものの斜光環境では薄くフレアが発生する事があります。しかし、SMCコーティングの実力によるところが大きく、ゴーストやフレアが少ない感じです。

流石名玉と呼ばれるだけに、ピント合わせが行い易くて快適に撮影が出来ます。絞り開放で撮影と行きたいところですが、そこはペンタックスSPとの取り合わせ。1/1000秒までしかシャッター・スピードが上がりませんので、多少絞りこんでの撮影となります。しかし、ISO200のカラー・ネガフィルム自体は柔らかく写りますので、硬さが取れて雰囲気良く撮影出来ます。NDフィルタが欲しくなる感じです。


被写体を吟味しながら、ゆっくりと撮影していきます。この様なスローライフな撮影行も良いものです。撮影が終わったら、カメラ屋さんに頼むと30分で現像とCDが完成します。便利な時代になったものです。
それでは、先週日曜日に撮影した写真から掲載します。


AsahiPentax SPF SMC Takumar 85mmF1.8
撮影データ:1/125sec F2 KodakGold 200
むらさきしきぶの実が色付いて、少しずつ落ちていきます。葉の方が先に落葉すると、雪景色の中で残る実が印象的なのです。少し発色の濃いコダックの特徴が出ている一枚です。
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