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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

葉裏に透ける光

2017-10-30 08:02:20 | 季節は進む
秋になって空が高くなってくると、夏の間の照りつけるような光とは違って、少し斜めから入ってくる光が木の葉を通ってやさしげな光に替わります。紅葉も始まってきていますので、緑だけではなくて色々な色の光が透けて見えてきます。

葉裏の光が楽しめるのは、冬になると葉が落ちてしまう木で、晩秋になると枝だけになってしまいますから、お楽しみは今のうちでこの季節になると葉裏に透ける光を捜して撮影行に出かけていくことになります。葉の紅葉は一斉に変化する訳ではありませんので、まだら模様状に変化をしていきます。

このために、毎日同じ状態ではありませんし、同じ雰囲気の日が続くこともありません。つまり、毎日違った模様や色合いに出会うことになります。夏の間は一面の緑色で、毎日が大体同じ様な印象で過ぎていくのですが、朝晩が少し冷えてきて紅葉が始まりだすと、今までは一様に見えていた風景に変化が起き始める事になります。

木々の紅葉は枝の先にある葉から順番に始まって行きますので、この時期は望遠レンズを用い、手の届くような幹に付いた葉が紅葉を始めるころには、標準レンズから広角レンズへとレンズの焦点距離が替わっていくことになります。狙うのはいくつもの色が混ざり合った場所で、葉裏に透ける光がとても印象的になります。

丁度ステンドグラス。その様な感じで記録されていきますので、この時期は葉裏の光を求めて印象的な部分を探して歩き回ることになります。葉裏を撮影する時には少しコントラストが高くなるカメラが有利で、ディジタル一眼レフ・カメラで撮影するとコントラストが少し上がりますので、好都合なカメラになります。

フィルムで撮影する場合にはリバーサル。カラーネガ・フィルムでは少し軟調に記録するフィルムが多いために、フィルムの粒子間と相まって柔らかく写ってしまいます。このようなシチュエーションではリバーサル・フィルムが好適で、微妙な色の変化を上手く出したい時にはプロビア、かっちりと写したいときにはベルビアと使い分けています。

10月2週目の休日は朝から曇り空の予報だったのですが、予想に反して晴れ間がどんどん広がってきました。青空の下で被写体を追いかけるとコントラストもぐっと上がってはっきりとした画像になります。普段はあまりぱっとしない画像になるSMCタクマー200mmF4レンズも、上手く写せる条件が整ってきました。

それでも、ディジタルカメラを使って、コントラストを上げる操作は必要です。ネガフィルムではいまいち輪郭が甘くなって面白くはありませんし、ポジフィルムで何とか満足できる画像にはなりますが、今回はディジタル一眼レフ・カメラのK-5に任せることとします。SMCタクマーとはいえ、逆光雰囲気での撮影にはフードは必須です。

小一時間歩き回って、気に入った葉の裏に透ける光を映していきます。この時期は木の葉も紅葉してきていますから、色の変化が楽しめて被写体には好適な素材になります。まだ残暑が残る季節、汗だくになりますが涼しい風に心を癒されながら撮影することが出来ました。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 SMC Takumar 200mmF4
撮影データ:1/125sec F8 ISO200
まだ紅葉してはいませんがねむの木の葉裏に透ける光がからっとした秋晴れの雰囲気を伝えてくるようです。もう少しすると直ぐに紅葉して落葉してしまいます。
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Nikkor-P・C 75mmF2.8(Zenza Bronica EC)

2017-10-28 06:57:57 | ニッコールレンズ
ゼンザブロニカECを購入したときに装着されていたレンズで、標準レンズの位置付けになるレンズです。中古品でも売られていますが破格の位置付けで、中古品を数千円で手に入れることが出来ます。カメラ本体がもう生産されていませんので、経年変化でカメラが使用不能になると、余って出てくるレンズと考えています。

このレンズ以外にハイグレード品もあるようで、レンズの口径も大きくて写りも良さそうなのですが、何しろハイグレードな価格でしたからあまり生産もされなかったようで、いまだに中古品として見かけた事もありません。ゼンザブロニカのレンズは、一番最初は日本光学が供給しており、ニッコールのレンズが多く見られます。

そのほかにも東京光学や三協光学がレンズ供給しており、M42レンズではあまりぱっとしなかったコムラーのレンズも、中判カメラ用としてはかなり名をとどろかせていました。この時代のニッコールですから、写りの点でも確かなものがあって、このレンズだけ持っていてもおおよそすべてのシチュエーションに対応できますから、このレンズだけで撮影された方も多いと感じています。

ハイグレード品にしなくても、このレンズ自体の解像度や収差も、かなりのハイグレードです。解像感はすごく高くて、高精細なフィルムを詰め込んでもしっかりと細部まで解像してくれますから、お得感がたっぷりなわけです。どちらかというと広角レンズの雰囲気ですから、大きなボケ味で立体感を出す用途にはむきません。風景を撮影すると効果は絶大ですから、旅行のときに連れ出すレンズと考えています。

家の周りの定点撮影では、むしろ150mmゼンザノンの方がボケ量が大きくなって、背景も柔らかくなりますから、75mmのニッコールの出番が少なくなってしまった感があります。しかし、花などの割合小さめの被写体から紅葉の少し大きめな木全体が被写体となってきますので、これから晩秋まではニッコールの出番が増えてくるという感じです。

冬の季節になると、雪景色の撮影と雪のついた木々は画になりますから、望遠よりは広角レンズといった感じでニッコールのレンズを使っていきます。本当は50mmの広角ニッコールも欲しい所ですが、あまり広角過ぎても面白くないといった感じで、75mmと150mmのレンズで撮影しているといった感じです。

中判カメラは35mm判カメラよりも交換レンズを必要としない感じで、面積の大きなフィルムですから、スキャナ取り込み後のトリミングの自由度が大きく、撮影時点での構図決定があまり必要ではない感じです。もちろん超大伸ばしにして壁面を飾るときには、中判フィルム全体で表現する必要もありますが、一般的にA4サイズ短辺でのスクウエア・サイズで鑑賞している我が身とすれば、このレンズ1本有れば大丈夫といった感があります。

大雑把に構図を切り取って、後から自在にトリミングして行く。この様なスタイルもアリかと思います。撮影時に自由を与えてくれるレンズがこのニッコール75mmかもしれません。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Nikkor-P・C 75mmF2.8
撮影データ:1/60sec F7 Fujichrome Provia100F
そろそろけやきの葉も紅葉してきました。木漏れ日が葉裏をやさしく照らします。柔らかな光が心を暖めてくれます。
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秋とプロビア

2017-10-26 19:50:00 | フィルムで行こう
秋になってきて木々が紅葉を始めると、週末のお休みが果たしてどのような天気になるか、気になる様になってきます。紅葉の季節になると、コントラストの高いビビッドな雰囲気が欲しくはなるのですが、反面コントラストをあげてしまうと色飽和を起こしてしまいますので、べったり原色みたいな感じは避けたいものです。

かといって、少し柔らかめに表現するネガフィルムを選択すると、紅葉している木の葉が周りの色に溶け込んでしまって、これもまた面白くはありません。この様な時にはディジタルカメラが有利で、コントラストも彩度も思いのままに設定できますから、色飽和の事を良く考えて撮影すると、満足できる仕上がりにする事ができます。

しかし、フィルムの持っている特性には捨てがたいものがあって、トーンのダイナミック・レンジが広いために、間のトーンが良く表現されてきて白とびや黒つぶれにはなり難い感じです。特にトーンの幅がある被写体が秋になると増えてきますので、バリバリコントラストの夏よりも少し渋めの秋といった雰囲気です。

フィルムの力を借りながら、それなりにコントラストを稼ぐときには、リバーサル・フィルムが有利です。それなりにトーンの幅が広いですし、ある意味広すぎる幅を持っているがために、スキャナでディジタル化するとスキャナがついて行かなくて、目で見た感じは良いのに色飽和を起こしてしまうということがあります。

それでも、良く晴れた日には絞りもシャッター・スピードも十分にISO100フィルムで稼ぐことが出来ます。逆に曇天ではISO400のカラーネガ・フィルムで何とか落っこちたコントラストを元に戻すべく努力したりしています。このために晴れた秋の日を狙っているわけで、リバーサル・フィルムを準備して虎視眈々と狙います。

秋の紅葉はベルビアの方が良さそうなのですが、それはもみじなどのビビッドな被写体が現れてきたときの印象で、黄色から茶色のどちらかというと渋めの紅葉の場合には、プロビアの忠実な色再現の方が似合っている感じです。秋になりかけの時には、どちらかというと控えめで渋めの紅葉が目立ちますから、プロビアを準備しているという感じです。

リバーサル・フィルムの解像感は、ブローニー・フィルムでおおよそ5,000万画素相当の雰囲気で、かなり細かな部分までも良く描写してくれます。35mm判フィルムでも2,500万画素くらいの解像感がありますので、ここぞのときに持ち出せるように1本位は持っているといった感じです。これからもみじの紅葉の季節までの間は、どちらかというと地味な感じの紅葉ですので、カメラ屋さんから譲り受けたプロビアもありますから、せっせと中判カメラを持ち出して撮影しているといった感じです。

のんびりと毎週末の晴天を期待して、フィルムを詰めながら撮影行の準備をしているといった感じです。天候によってはディジタルカメラといった感じですが、色々考えながら期待するのも良いものです。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Nikkor-P・C 75mmF2.8
撮影データ:1/125sec F4 Fujichrome Provia100F
逆光に映えるうちわかえでの紅葉です。ブロニカ用のニコンレンズはマルチコーティング付きで、逆光にも強いタフなレンズです。
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Olympus Pen EE-3(Kodak Portra 400)

2017-10-24 06:51:37 | フィルムで行こう
ハーフ・サイズのオリンパスペン。フィルム時代のオリンパスペンは、35mm判フィルムを半分にした倍の枚数が撮影できる優れものカメラです。しかし、撮像面積がフルサイズの半分しかありませんので、その時代のフィルムでははがきサイズの引き伸ばしがやっとで、キャビネ・サイズになると、フィルムを選ばないと粗い画像になってしまう特徴がありました。

ところが、ディジタルカメラが広まってからはフィルム自体の性能も格段に向上してきて、値段は高くなりましたが超高精細の画像が楽しめるようになってきています。昔はリバーサル・フィルムでしか楽しめなかった超高精細画像が、カラーネガ・フィルムでも楽しめるようになってきています。

加えて、ISO400フィルムが汎用フィルムとして認知されるようになると、ISO400の高感度でもざらつきの少ない精細な画像を楽しめるようになりました。細かな目で見ればざらつき度合いは幾分少なくなった感じなのですが、粒子の並びが均一になるようになっていて、見た目以上に粒子が揃っていてざらつき感が少なく見えるように工夫されています。

しかし、一時期に比べてフィルムそのものの需要が激減してしまった事もあり、現在販売されているフィルムの価格は高いというのが本音です。しかし無くなってしまうよりはましであって、高くなってもフィルムを使い続けていく事によって、今後もずっとフィルムが供給されていくと考えています。

その中で、やはり倍のコマ数が撮影できるオリンパスペンは結構便利で、36枚撮りフィルムを半分に切って、ワンタッチ・パトローネに詰め込んで撮影している我が身とすれば、一回の撮影行で30枚ほどの撮影が行える事は魅力です。とはいえ、フルサイズに比べて粒子の浮き方が倍までは行かないまでも1.5倍ほどになります。しっかりと見えて来るので注意が必要なわけです。

このために、普段撮りのかご盛りに近いフィルムは、フルサイズのカメラで撮影して、高級な精細フィルムはペンにも使用しているというのが現状です。しかし、状況によっては粒子感を出して粗く・ざらざらした力強さを出したいときもあります。主に黒白フィルムで表現する感じですが、今では黒白フィルムも高級化してしまっていますので、あまり気にはしていないといった感じです。

今回はペンと高級フィルムのポートラ400を使ってお試し撮影。上手くいけばペン用の常用フィルムとして、仲間に入れるつもりです。昼ごろから雨の予報でしたが、朝から雨が降ってしまい、大事なペンが少し湿ってしまいましたが、撮影後はふたを開けて除湿機の前で乾かしておきました。

色々試してみるのも面白いものです。ディジタルカメラのの普及でフィルムも芸術としての地位を確立してきた感じで、記録はディジタル、アートはフィルムといった感じで面白く感じています。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


Olympus-Pen EE-3 D.Zuiko 28mmF3.5
撮影データ:ISO400 Auto Kodak Portra400
アメリカ楓の紅葉も、上の葉からゆっくりと進んでいきます。今頃は赤・黄・緑の色の競演となる一番の見頃です。
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秋ペン

2017-10-22 07:01:01 | 季節は進む
秋になって色々な木の葉が色付いてくると、今までマクロ的に一部分しか写せなかった紅葉も、木の枝全体が写せるようになってきて、全体の雰囲気で表現できるようになってきます。今まではディジタル一眼レフ・カメラにマクロ・レンズをつけて撮影する事が多かったのですが、これだけ被写体が大きくなってくると、フィルム・カメラでも十分にその役割を果たしてくれます。

被写体全体で雰囲気を演出しますから、一部分だけ拡大してみても何も判らないという感じです。逆に重箱の隅つつき的に拡大しても、あまり面白くはありません。やはり被写体が大きくなってくるとオリンパスペンの出番ですから、風景や構造物を狙うのと同じ様な感触で被写体に向かう事ができます。

休日ののんびり散歩撮影の時には、あまり大きなカメラは持ち歩きたくない感じで、コンパクト・ディジタルカメラを持ち出していたりします。しかし、発色や色の深みとなると、ディジタルカメラではおのずと限界があり、やはりフィルムといった感があります。それでも細部まできっちりと撮影しないと満足できない場合はフルサイズになります。

あまり小さな被写体では無いときには、ハーフ・サイズのペンでも十分といった感があります。むしろ機動性では、昔のフィルムカメラであるペンも、十分に小さくてディジタルに比べて薄いですから、コンパクト・ディジタルカメラほどではないにせよ、十分に小型カメラの恩恵を受ける事ができます。

加えてペンは自動露出のピント固定カメラです。おおっと思った被写体が入るくらいまで近付いて、後はファインダーで確認してシャッターを押すだけの手軽さがあります。構図に専念できるわけで、現像後のフィルムスキャンもそのままでスクウェア・サイズにトリミングするだけですので、至極便利です。

晴れが続くと思っていた休日も、午後からは雨の予想で朝からは曇りのあまり宜しくない天気です。この様なときにはISO400のネガフィルムですが、高感度フィルムになると粒状性が悪化しますので、シャッター・スピードと粒状性のトレード・オフになってしまいます。

色々考えているうちに、ポートラ400の事を思いつきます。感度は高いフィルムなのだけど、粒子が揃っていますので高感度の割に粒子が浮かなくて、高品位の画を得る事ができます。早速ポートラ400をペンに詰め込んで撮影行となりました。

どんよりとした曇り空。今にも雨が降り出しそうな雲行きですから、さっさと撮影を行ってフィルムはカメラ屋さんに預けます。30分位で現像が仕上がりますので大変便利です。黒白フィルムはみっちり1時間ほどかかるのですが、カラーネガ・フィルムは任せた後にお買い物が出来るので、2倍便利といった感があります。

のんびりとフィルム撮影は、結構愉しいものです。あっという間にハーフ・サイズとはいえ30枚を使い切ってしまいました。36枚撮りフィルムを半分にして使っているとはいえ、30枚も撮影できるペンに感謝です。

それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。


Olympus-Pen EE-3 D.Zuiko 28mmF3.5
撮影データ:ISO400 Auto Kodak Portra400
一足早く紅葉するアメリカハナミズキの木が、目に飛び込んできます。これからもみじの紅葉まで2ヶ月ほどの間に次々に色々な木の紅葉が見られます。
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