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あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

SMC Takumar 135mmF2.5(前期型)

2015-03-31 20:35:16 | タクマー・レンズ
このレンズが手に入るとは思っていませんでしたから、手に入れた時には喜びもひとしおで、撮影にも力が入りました。この前の型のレンズは、スーパータクマー135mmF2.5ですが、エルノスター構成のレンズでレンズの構成枚数が少なくできる特徴を持っています。ペンタックスSPFやESが発売されると、解放測光に対応する必要があり、急遽スーパータクマーのレンズエレメントをSMCコーティングにして、解放測光機能を付加した繋ぎレンズが前期型です。

SMCコーティングの実力が判り、さらにレンズ構成枚数の多くなった変形ガウス型も作れる事が判って来ましたから、前期型が発売されてさほど時間がたたないうちに後期型へバトンタッチされていくことになります。後期型はかなり長い期間販売されることになりましたから、今の中古品のほとんどが後期型であると考える事が出来ます。即ち前期型はある意味希少品なのですが、ほとんど外観上は見分けがつかない事と、レンズの癖や味わいもほとんど同じ事がありますから、どちらのレンズもほぼ同じ中古価格で売られています。

描写は、繊細で細い線を難なく解像してくれます。コントラストがあまり高くないレンズですから、解像感の低いフィルムでは繊細な部分がつぶれてしまって、かなり甘めの仕上がりになります。このためフィルム時代では余り見向きもされなかったレンズであるようで、中古価格もあまり高くはありません。おまけにどっしりとした重量級レンズですから、あまり評判は芳しくなかったと思っています。

時代は変わって、今では1,600万画素以上の解像力を持つ、ディジタル一眼レフ・カメラが主流になりました。1,600万画素と云うとおおよそ中判フィルムと同じ位の解像度になりますので、より細かな部分もつぶれずに解像してくれます。また、ディジタル撮像素子はラチチュードがフィルムに比べて狭く、コントラストが上がった様な仕上がりとなります。

ディジタル素子の特徴とレンズの解像度が合致した訳で、柔らかな後ボケや前ボケが加味されて、満足できる仕上がりになります。いわば現代のディジタル時代になって見直されたレンズで、繊細でコントラストが高い、ある意味今流の写りを堪能する事が出来ます。しかし、大口径レンズで今のレンズの様な分散レンズや非球面レンズは搭載されていませんから、ハロや色ずれなどに考慮する必要があります。

被写体と背景の明暗差や逆光の光線状態にも配慮する必要がありますから、被写体の周りをぐるぐると回って一番良く写せるポイントを探す必要があります。ある程度の状況はファインダー像を見ても把握できますから、根気よく光線状態を確かめながら最良点を探します。探し回る甲斐があったと感じる優等生レンズで、撮影が楽しくなります。

少し晴れ間が出て来ましたので、川沿いの道を歩きながら撮影してきました。色々な花が咲き始めていますので、撮影も楽しくなります。
それでは、3月初めの日曜日に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 SMC Takumar 135mmF2.5
撮影データ:1/125sec F3.5 ISO100
ひいらぎなんてんの花が咲きだそうとしています。黄色の花が咲いて、秋には紫色の実を付けます。これからが愉しみです。
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オリペンをカラーで

2015-03-29 14:52:31 | フィルムで行こう
オリンパスペンを買った後は、色々と露出の精度やレンズの特性を調べるために、黒白フィルムを使っていました。オリンパスペンは黒白フィルム用に設計されたカメラかと云うとそうではなく、しっかりとカラー撮影にも対応していますから、カラー撮影も難なくこなします。

どことなくレトロな発色になってしまう事は、ある意味仕方のない事なのですが、彩度を後から持ち上げるか、それともカラーネガ・フィルムを用いる事で無難な発色となります。しかし、ハーフ・サイズのカメラですから、解像度の低下は粒子が目に見えて判る程に大きくなりますから、割り切って使う事にします。

ハーフ・サイズなのに解像感も高い、質の良い画像が手に入ります。ファインダーで見えている範囲が、そのままフィルム上に焼きつく感じですから、ほとんどの部分を利用できる事が理由の一つになっています。また、Dズイコー28mmの解像感も高く、フィルムの粒度位までは解像していますので、撮影後は安心して現像・スキャンを行えます。

今ではフィルムの粒度が細かな高感度フィルムが多く販売されていますから、昔の様に敢えて低感度フィルムを用いて解像感アップを目指す必要がありません。ごく普通に被写体の雰囲気に合わせたフィルムをチョイスする事が出来ます。今ではフィルム自体が少なくなっていますので、選択肢は余りないのかもしれませんが、フジフィルムさんが頑張ってバリエーションを残してくれていますので、ISO400のフィルム位までは問題なく入手できると感じています。

カラーネガ・フィルムは、24枚撮りのフィルムが安く出回っていますので、使う事になるのですが、一回の撮影行で50枚近くを撮影するのは結構難儀な事です。ハーフ・サイズでは撮影コマが2倍になりますので、カラー・フィルムもワンタッチ・パトローネを用いて半分にしてしまいます。一回の撮影行で20枚少々、これで負担が少なくなって好都合です。

流石にリバーサル・フィルムまで行こうと云う感じが起きないのですが、フィルムの粒度がかなり細かくなる分、感度が低いフィルムが多く、ISO100のプロビアかISO50のベルビアになって来ますから、良く晴れた日の屋外撮影に限定されてしまう感じで、オリペンには負担が重すぎる感じがします。リバーサル・フィルムは作品撮りの傾向が強くなりますので、それはフィルム一眼レフのカメラに任せたい所です。

今回の撮影行では、被写界深度を稼ぐ分、ISO400のカラーネガ・フィルムを使う事にしました。明るい屋外では、絞り込みをF8以上稼ぐ事が出来ますから、解像感もぐっと高くなって予想以上にはっきりとした画像を得る事が出来ます。今ではフジフィルムさんより業務記録用のカラーネガ・フィルムが安価に販売されていますから、これを使う事にします。

思ったよりもきれいに撮れて大満足と云った感じです。オリペンは、やはり晴れた明るい屋外か、それともストロボをしっかり使って屋内撮影かと云った感じです。無理をしない撮影方法で結果に満足できる。ペンの代わりのオリペンは、カラーでも実力を発揮してくれます。

それでは、先々週土曜日に撮影した写真から掲載します。


Olympus-Pen EE-3 D.Zuiko 28mmF3.5
撮影データ:ISO400 Auto Fujicolor400
春になって、近くの小川の流れも水温むと云った感じです。葉や苔の色も緑色が濃くなってきて、これからが春本番です。
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風邪ひきか

2015-03-27 19:15:33 | いろいろあります
と思ったら、どうやら花粉症になったみたいで、熱は無くても鼻水いっぱいで困ってしまいます。晴れた日にはくしゃみと鼻水、雨の日にはなんともない感じですから、困ってしまいます。今年は例年になく杉の花粉飛散量が多いみたいですから、北陸も注意しないといけません。

それでも、家の中に引きこもってばかりいては、折角春の気配が現れ始めたこの頃ですから、勇気を出して外に撮影行に出掛けます。外の草木はいち早く春の気配を感じているようで、ちょっと前までは気付かなかった花芽が大きくなっていたり、花が咲き始めていたりします。

森の中は、先々週に降った雪が残っていますし、雪解け水も水かさを増していて、春爛漫の季節まではもうすぐと知らせてくれています。車のフロントガラスには黄砂ならぬ花粉が一面に降り積もっていて、水をかけると黄色い粉がしずくになって落ちて来ます。花粉の量が例年並みの年はそれほど気にもならないのですが、今年みたいに少し多めの年は流石に花粉症です。

しかし、気温は確実に上がってきていますので、一週間もたつとあちらこちらで花が咲き始めて来ます。クロッカスの花も、そして街路樹のあせびも知らぬ間に花を咲かせてしまっています。花粉のおかげで口の中が少し粉っぽく、そして鼻水とくしゃみが時々襲って来ますが、撮影行を行っておかないと大切なチャンスを逃してしまいます。

花の大きさが小さいがために、マクロレンズが活躍するのもこの季節なのですが、望遠レンズもしっかりと近寄れない場所に咲いている花の雰囲気を捉えてくれます。そして春先は雨や曇りの天気が多く、思った通りの光量も得られませんから、大口径望遠レンズも活躍してくれます。望遠レンズは画角が狭くなる関係上、クローズアップ・レンズを使っても画面周囲の像破綻が少なくなり、しっかりとした画像を得ることが出来ます。

今回は、しっかりと写る大口径望遠レンズを使う事にしました。135mmF2.5のレンズです。結構柔らかめの感想が多いレンズですが、ディジタル一眼レフ・カメラを用いると、線が細くてコントラストが高い、しっかりとした画像を提供してくれますから、油断は出来ません。その分ぼってりとした重量級レンズですから、手ぶれ補正機能が付いていてもしっかりとホールドして撮影を行います。

日の光を浴びて歩きまわる事で体も健康になりますし、撮影出来た画像に満足も出来て2倍満足な訳です。冬の鉛色の空から春の陽光へ、季節は変わって来ますから健康維持のためにも写真撮影は欠かせない事になります。

そんなこんなで、休日はカメラを持って撮影行。一時間位歩き回る事で結構花粉症も和らぎました。花粉が飛ばない雨や雪の日は元気なのですが、晴れた日は少しでも歩きまわる事で体力をつけて、花粉症を追い払おうと考えています。

それでは、先々週日曜日に撮影した写真から掲載します。



PENTAX K-5 SMC Takumar 135mmF2.5(前期型)
撮影データ:1/125sec F5.6 ISO200
朝の光に透けるまんさくの花で、一番きれいに撮影出来た感じです。これから花びらが開いて、真っ直ぐの花火のようになります。数週間は楽しめる春の花です。
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特急はくたかと萬代橋

2015-03-25 20:03:17 | いろいろあります
ばんだいばし、新潟駅と市街中心部を結ぶ信濃川河口にかかる橋で、チャンスがあれば行ってみたいと思っていたスポットです。特に夕方あたりの景色と夕日の具合が丁度良く、絶景スポットの一つとして覚えています。

丁度今回の出張が新潟市にありましたから、到着後しばらくして歩いてみる事にしました。丁度20分位で到着できますから、体力回復のためにも良い運動です。今回は、簡単に撮影出来る機材としてオリンパスペンを同行させています。ポケットにもすっぽりと入る小ささですから、重さも苦にはなりません。

出張に行った日は3月11日と、北陸新幹線開業数日前であり、これでほくほく線を走る特急はくたかや信越線を走る特急北越ともお別れな訳で、乗り鉄の我が身とすればある種の感慨がありました。北陸新幹線開業後は、越後湯沢の駅にも立ち寄らない訳ですから、乗り換え時間の間は駅の中を散策して目に焼き付けて来ました。

萬代橋に付いた頃は、風は強いのですが雲の切れ間が広がって、一時の晴れ間が出て来ました。夕刻の斜光に浮かび上がる萬代橋はとても美しく、数枚撮影して橋を渡り、しばらくしてまた戻って来ました。信濃川の川幅はとても広く、橋を渡るだけでも結構な時間がかかります。

次の日に仕事を終え、ほくほく線を走り終えて直江津の駅に近づいた頃、車内アナウンスで特急はくたかの歴史と国内特急としては最速のスピードを誇る列車の説明がありました。後一日でこの特急ともお別れになる訳で、感慨無量な訳です。はくたかの名称は今後北陸新幹線の各駅停車バージョンの列車名として受け継がれます。

実はこの特急はくたかの前までは、特急かがやきが金沢-長岡間を結ぶ速達列車として活躍していました。あさひに接続するから、あさひ・かがやきな訳で名称がつけられていたと記憶していました。同じくひかりに接続するから、ひかり・きらめきな訳で、きらめきの特急速達列車も米原-金沢間を結んでいました。今ではきらめきはJR九州の列車名として使用されていますし、かがやきは北陸新幹線の速達列車名として復活しています。

PENTAX Q7 Standard Zoom 5-15mmF2.8-4.5
撮影データ:1/250sec F4.5 ISO3200
ラストランではないのですが、記念のカードをもらいました。スノーラビットの赤い車両は北越急行所属の列車で、ホワイトウイングはJR西日本の車両だそうです。どちらも北陸新幹線開業後は、JR西日本で活躍する列車に振りあてられるとの事です。新潟出張の場合は、これからの乗換駅は上越妙高駅と、信越線が風で止まった時には大宮駅乗り換えになる訳で、ラストの乗降になる越後湯沢駅のホームを目に焼き付けて来ました。

そんなこんなで、思い出深い出張になりました。これからは北陸新幹線を活用していこうと考えています。
それでは、先々週水曜日に撮影した写真から掲載します。


Olympus-Pen EE-3 D.Zuiko 28mmF3.5
撮影データ:ISO400 Auto Fujicolor 400
萬代橋の夕景です。風景として撮影するにはオリンパスペンが解像感が高く、はっきりとした画像を結んでくれます。
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空間を切り取る

2015-03-23 19:22:23 | いろいろあります
空気感と立体感、そして質感と写真に要求されている事柄は多くあります。色々なレンズを使ってみて、感じる事が多くあります。色々なレンズがあるのですが、どのレンズも癖を掴んでそれなりに配慮すれば、質感や空気感、そして被写体の立体感を見事に再現してくれます。上手く配慮が出来た時に満足できる写真が出来上がる訳で、初めてその場の空間をものにできた達成感が味わえます。

フィルムの時は、黒白フィルムかリバーサルフィルムが粒度を細かく撮影出来る感じで、粒子感を表現として出してくる以外は、粒度が気にならないように画面一杯を活用するようにしていました。即ち怪しい周辺部分をわざとぼかすように配置する事で、癖を目立たなくしながら主題となる被写体を解像感高く写していた訳です。

135フォーマットのフィルムを使っている時には、大口径レンズを使うか望遠レンズを用いる事で、大きなボケを得ていました。しかし、コンパクトディジタルカメラを用いるようになってからは、俄然被写界深度の深さと背景ボケの硬さが目についてくるようになります。望遠レンズかズームレンズのテレ端を使う事が多くなってきて、上手く写さないと薄っぺらな写真になってしまいます。

絞り開放近くで何とかするように撮影するのですが、昔レンズは2絞り位絞った所が解像感高く写せませんので、一種のジレンマとなります。そこで登場してくるのがクローズアップ・レンズや接写リングです。多少付け外しに時間と手間がかかりますから、撮影行に行く際は目標と限界を想定していく事で、多少は緩和される感じです。

いちいち付け外しを行う事は面倒なクローズアップ・レンズや接写リングですから、何とかオリジナルの形で撮影を行う事が大切です。それでも、コンパクトディジタルカメラ程にボケは硬くなりませんので、何とかオリジナルのレンズで撮影する時には、大口径望遠レンズを用いる事で満足感の高い画像を手にする事が出来ます。

APS-Cサイズのディジタル一眼レフ・カメラの場合は、換算焦点距離の画角を選ぶのではなく、元々の焦点距離レンズの画角をトリミングした感じと、割り切って使うとぼけの量も数段大きくなってきますから満足できるボケ量となります。ボケ量一つで立体感や空気感表現が大きく違いますから、被写体の大きさや奥行きの深さを、あらかじめ想定してレンズを選択するようにすると、好結果となります。

中判フィルムを使って、圧倒的なボケ量と程々の被写界深度が、簡単に手に入るようになりました。大判カメラですと尚更大きなボケ量になる訳で、多少使い辛くなる感があります。しかし、そのボケ量と解像感で被写体全体が、背景や前景から浮かび上がる様に表現できる事は確かで、撮影が楽しくなります。

写真は写す空間と周囲を、立体的に写し込む道具かも知れません。立体的にと云う所が曲者で、うかつにレンズを選定すると味気ない平べったい写真が出来てしまいます。色々なフォーマットのカメラを使用して、空間を立体的に表現する画作りに挑戦しようと考えています。

それでは先々週日曜日に撮影した写真から掲載します。


Zenza Bronica EC Zenzanon 150mmF3.5
撮影データ:1/125sec F5.6 Fujicolor PRO160NS
久しぶりの中判フィルムですが、被写体の描写能力はやはり中判ならではと云った感じです。立体感も充分に出てくるので、庭先のあせびもピントが少し外れましたが臨場感たっぷりに写せます。
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