あるいて・みつける

歩く速さで見つけたものを、記録に残していきます。ゆっくりと歩けば、いろいろなものが見えてきます。

ポートレイト画角

2016-03-31 18:31:31 | レンズいろいろ
M42レンズでも、標準から望遠レンズ、そして広角レンズを愉しんでいて、最後に買おうと思ったのがポートレイト・レンズである85mmレンズです。画角がポートレイト撮影に最も適していると考えられるのが、フルサイズのディジタルカメラか、それともフィルムです。APS-Cサイズのディジタルカメラでは55mm標準レンズがその役目を果たします。

画角だけを対象にするのであれば、ブローニー・サイズでは150mmレンズがそれに近いようですし、ペンタックスQでは19mmレンズがそれに当てはまります。色々なレンズでポートレイト撮影が行える訳で、当初は85mmレンズは不要と考えていた訳です。APS-Cサイズのディジタルカメラでは、55mmレンズの方が無理ない画角で好都合ですから、むしろ標準レンズを多用していたわけです。

やはり、85mmレンズは標準レンズよりも大きな柔らかいボケ味が得られますから、むしろボケ味と始めから画面四隅をトリミング出来るサイズと考えて、圧縮効果のあまり感じられない望遠レンズとしての期待はありました。もちろんフルサイズやフィルムカメラでは、85mmレンズの味わいをとことん愉しむことができます。適度な圧縮効果と背景ボケがこのレンズの特徴だと考えています。

標準ズームレンズのフルサイズ換算画角で調べると、おおよそ28mm~80mm位になっていて、ボケ量と背景のざわつきを大目に見れば、しっかりとしたポートレイト画角での撮影も行えます。世の中便利になったもので、コンパクトディジタルカメラでもスマートフォンでも同じ様な画角が得られますから、画角だけを取り上げるならばさして問題は無い感じです。

最近はディジタル撮像素子の高感度画質が飛躍的に上がったことで、絞り開放で暗い場所の撮影が容易になりました。問題は明るい場所で絞り開放が行い難くなったことで、フィルムでは低感度撮影や低感度フィルムが少なくなったことからも同様と思っています。但しフィルムの場合はISO400の感度が多く流通していますから、それほどではないといった感じです。

このような時代になって、あえて85mmのポートレイト・レンズを使う意味を考えると、あまり活躍範囲が無いような感じです。しかし、絞り開放からのしっかりとした解像感は、85mm中望遠レンズの特徴で、大きくボケた背景の中から被写体が浮かび上がるように撮影できる快感は、一度体験すると病み付きになります。

これも、中判カメラでは難なく行える訳で、薄い被写界深度と格闘することになりますが、得られた結果は感動ものでまた同じ風に撮影してみようという気にさせてくれます。ポートレイト・レンズは画角だけではなくて、魅力も一杯という感じです。中古価格も中判カメラと同じ位のものが多く、数年はお小遣いを貯めなくてはいけませんが、挑戦してみてよかったと感じさせてくれます。

M42レンズで一番最後に買おうと思ったポートレイト・レンズ。明るくてしっかり写るレンズとして、画角以上の写りを提供してくれます。

それでは、今月中旬に撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 Super Takumar 85mmF1.9
撮影データ:1/640sec F2.8 ISO100
春の道を歩くと、道端にあるほとけのざの紫色の花が目に付きます。春がやってきたことを実感できる最初の花は、ほとけのざかも知れません。
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01 Standard Prime 8.5mmF1.9(PENTAX Q7)

2016-03-29 18:58:23 | ミラーレス一眼レフ
春の花は最初小さな花から始まって次第に大きな花になりますし、群れて咲く花が多くなってくると、被写界深度の深いレンズやカメラが必要になってきます。花の一部分しかピントが合わないと、何の花だったかわからない訳で、色々な種類がありますから、出来るだけ状況も併せて撮影するようにしています。

この中で持ち出してくるのが、素子サイズの小さなペンタックスQやコンパクト・ディジタルカメラで、さっと状況を撮影するためにはコンパクト・ディジタルカメラが便利ですし、レンズの特性も鑑みて印象的な写真を撮影しようとすると、ペンタックスQの出番になります。

次は何の花が咲き出すかわからない状況の中で撮影するときは、なるべくカメラの大きさは小さく、そして軽いほうが軽快に歩くことが出来ますし、歩きと観察がメインになりますので、新しい発見も出来るという按配です。こんな時に結果を出してくれるのがスタンダード・プライムな訳で、質の高い画像を得ることが出来ます。

ズーム全盛時代に単焦点レンズという感じですが、不足する部分は自身が歩き回ってフォローする必要があります。近寄って、また離れて、被写体の周りをぐるぐると歩き回って最良点を見付けます。しかし、ズーム・レンズには無い描写とぼけ味がこのレンズにはありますから、多少面倒くさくなりますがレンズに最良の雰囲気を提供するようにします。

ペンタックスQシリーズが発表された時に、最初に出てきたのがこのレンズで、その後キット・レンズとしてスタンダード・ズームが供給されました。しかし、スタンダード・プライムはキット化されずにそのまま販売されていました。開発者の意気込みが感じられるレンズで、作品撮影ならこのレンズでという感じです。

実際に撮影してみると、繊細な描写と現代流のフレアとハロが皆無の世界を愉しむことができます。流石分散レンズや非球面レンズが使われているレンズだけあって、申し分の無い画作りを愉しむことができます。癖がほとんど感じられない現代の優秀レンズですから、撮影も自ずと真剣になります。

欠点といえば、背面のLCDでピント合わせを行うことで、深みを持った被写体でピントを合わせる部分を見るのが老眼の域に達している我が身には辛く、ピント外しを盛大に行ってしまうという事があります。これで光学ファインダーがあればという感じで、出来ればEVFでも付いていればという希望があります。発色や彩度など訴える要素も少ないので、至って普通に写る代わりに、その雰囲気を誇張する脇役を探すのに一苦労するといった感じです。

きれいに写るレンズを使って撮影することは、ストレスも減って撮影本来の構図に集中できて便利です。さくさくと撮影が行える便利さは、このレンズの特徴かもしれません。

それでは、今月はじめに撮影した写真から掲載します。


PENTAX Q7 Standard Prime 8.5mmF1.9
撮影データ:1/60sec F2.8 ISO200
公園の池に松の葉と紅葉した落ち葉が、きれいなグラデーションを描きます。雪吊りの雰囲気が水面に映って初春の雰囲気を醸し出します。
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もうそろそろ・・・

2016-03-27 08:36:53 | 季節は進む
雪が積もらなくなって、地面が見えてくるようになるとそわそわして探す草があります。何しろ枯葉の中に草が埋もれていますから、花が咲かないと判りません。あっという間に咲いて、そしてあっという間に花が散って実が付いているような草ですから、時期を逃してしまうとその春は出会えないという感じです。

その草はオウレンで、最初はなんだか面白い花が咲いている位にしか思わなかったのですが、良く調べてみると菊葉オウレンみたいで、かなり珍しい種類であることが判って来ます。しかし、道端の一見判らない場所に生えていますので、見付ける人も少なくあまり気付かれないようです。自身の心の中にしまいこんだ秘密の一角です。

時期を逃すと実だけを見ることになってしまいますから、3月に入るとそわそわしてきて今度の週末は裏山に登ろうという感じになります。しかし、週内の仕事をしている間に暖かな日が続くと、咲いて散ってしまうわけですから、ある程度の諦めを持って撮影行を計画するようにしています。オウレンを見逃しても梅があるからという具合です。

まんさくが咲いた後は、次々に春の花が咲き始めます。オウレン以外はわりと花期が長い感じで、慌てなくても撮影できるために次々と撮影を行って行きます。毎週忙しいのが春の季節で、次はこの花と目標を決め、カメラとレンズを選択して撮影に臨みます。今年の金沢は雪がほとんど積もらない状況でしたから、少し早めに花達も咲き始めているようです。

一杯咲いている花を撮影するには、ある程度被写界深度の深いカメラが必要になります。ひとつの花だけを写すのであれば、ディジタル一眼レフやフィルムカメラの出番になるのですが、背景のボケ味も加えて写すときには、ペンタックスQのような素子サイズがさらに小さなレンズを用いる方が楽に写せます。

小一時間の山登りで、新鮮な空気を吸って辺りを見回します。梅の花もちらほらと咲き出していて、道端のあおきもつぼみの穂を伸ばし始めています。そして、春の花といえばしょうじょうはかまで紫色の花穂を開いた株も見られました。3月はじめは雪が降って寒かったのですが週末は4月下旬の暖かさ、気温の乱高下が今後も続きそうですが、季節は確実に春に向かっているようです。

そして、少し早めですがオウレンの花がすでに満開になっていました。来週はもう花が散って実だけが残っているような感じで、今年も出会えたという感激に浸りながらシャッターを切っていきます。このような草だからこそ、誰にも見付けられずに長い間繁茂していられるという感じです。そして、さかきの花もついにほころんできて一緒に撮影したという感じです。

つかの間の春の撮影行、これから忙しくなりそうです。

それでは、今月はじめに撮影した写真から掲載します。


PENTAX Q7 Standard Prime 8.5mmF1.9
撮影データ:1/125sec F2.8 ISO100
今年も撮影できたオウレンの花。まだ咲き始めで、これから数日間で花が散って小さな実が出来ていきます。今年もラッキーでした。
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出張中のひとコマ

2016-03-25 18:36:58 | いろいろあります
出張となると、着替えと資料でバックが満杯になってしまい、カメラはよほど小さいものでないと持って行く気にはなりませんし、撮影したいと思ったときにバックの中からカメラをほじくり出すのも面倒くさいものです。カメラを取り出したときには撮影する気が失せていて、またカメラをバックの中にしまいこむことになります。

それでも、何回かその場所に行っていて、風景も頭の中に焼きついていて、この様な時に撮影しようと思ったときにはカメラを持っていく訳で、仕事が終わった帰りの道すがらのタイミングを見計らって撮影してくることになります。この時はシチュエーションもあらかじめ想定していますので、カメラとレンズを選んで持って行きます。

今回はまだ歩いたことが無い帰り道でしたから、カメラ自体も選びようが無く結局は目に焼き付けて帰って来ようと決めていました。何しろ帰り道はバスや電車の時間に合わせて行動しますから、道中はあせって行動していますし、カメラを取り出す余裕もありません。気が付くと昼食もまだとっていませんので、コンビニに立ち寄って軽食を買います。

これならばいつもポケットに入れているスマートフォンで、と考えて取り出します。カメラモードにして最高画質で撮影すれば、現在保有しているディジタル一眼レフと変わらない画質で撮影することが出来ます。しかし、逆光雰囲気ですと見事にフレアが起こってしまいますから、順光重視で撮影することが必要になります。

携帯の時代から高画質のカメラ機能が備わっているものが多く、出張中のカメラ撮影時は結構役に立ちます。帰ってきてからはパソコンにスマートフォンをつないで、必要な撮影データをコピーするだけで、トリミングや鑑賞が行えます。スマートフォンが普及することによってカメラが余り売れなくなってきたのでは、と感じさせてくれます。

帰り道は兵庫県の真ん中で、酒米で有名な山田錦のふるさとです。今の時期稲は植わっていませんが、広大な田んぼに春が来ると、また田植えが始まって景色が変わると思うと一枚撮っておこうとスマートフォンを取り出します。わずか一分ほどの間ですが、一枚撮影して満足し、また帰路を急ぎます。

何とか帰りの電車に間に合って金沢駅に到着すると、電車の方向幕が動いて回送電車の表示になります。乗り慣れているサンダーバードも色々な種類や使われ方があって、見ていても飽きないものです。その中で、今では使われないであろうスーパー雷鳥信越サンダーバードの表示を見つけましたが、残念ながら撮り逃しました。今では金沢-富山間は第3セクター化されていますので、使われることは無いと思いますが、おそらく一番長い列車名と思われ、少し悔しかった感じです。

出張中のひとコマはスマートフォンで、これも面白い使い方だと思います。

それでは、今月はじめに撮影した写真から掲載します。


docomo F-05F 4.8mm(35mm換算26mm)
撮影データ:1/2222sec F2 ISO38
山田錦の生産地は段々畑が多く、今は冬枯れの雰囲気ですが、秋には金の稲穂がきらめきます。
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SMC Takumar 24mmF3.5

2016-03-23 18:52:50 | タクマー・レンズ
20mmレンズと28mmレンズの間に挟まれて、画角的にも存在感の薄いレンズです。普通に広角撮影となれば28mmで、超広角撮影を破綻無く行いたければタクマー20mmF4.5があります。一眼レフ・カメラで撮影を行うときには、標準-望遠-広角の順でレンズを決めていますから、出番がなおさら少なくなってきます。また、広角レンズの画角が活かせそうな風景も少ない訳で、広角レンズは被写体の大きさによって焦点距離を決める、広角マクロ撮影を主に行っています。

APS-Cサイズのディジタル一眼レフ・カメラでは、画角換算焦点距離も36mmとなりますので、準広角で広角マクロ撮影が行える、貴重なレンズになります。タクマーの広角レンズは、歪曲収差が丁寧に取り除かれている印象で、まっすぐな被写体はほぼまっすぐに写りますし、APS-Cサイズの撮像素子であれば、中心部分の素直なところを使いますので、なおさらきれいに写ります。

画像周辺のコマ収差が丁寧に補正してあるところもうれしく、画面周辺でも点がはっきりと点となって写ります。35mmや28mmレンズでは後ボケのきれいさがあるのですが、24mmレンズからは、深い被写界深度もあいまってきれいなボケ味を得ることが難しくなります。絞り開放では少し画像が甘くなりますので、少し絞って解像感を出すのですが、背景に複雑な模様を持ってくると背景のほうがにぎやかになりすぎて、主題が強調されないことになってしまいます。

無理に広角マクロを狙わないで、広々とした風景をダイナミックに撮影するほうが満足できます。マクロ撮影を行うときには、背景を空にするか、それともかなり離れている地面や壁などにすると、背景がにぎやかになりませんので満足できる仕上がりになります。20mm超広角レンズになると、逆にパン・フォーカスで隅々までピントの合った、ダイナミックな写真を狙いますから、ここら辺が苦労するところだと思います。

しかし、その苦労をして得たい描写がSMCタクマー24mmF3.5にある感じです。それは質感描写で、精細感があって少しコントラストが高めの感じで描写されますから、SMCタクマー120mmF2.8よりも満足できる質感の再現が出来ます。落ち着いた雰囲気の質感描写は120mmですが、明るさやコントラストの付いたはっきりとした雰囲気の質感描写は24mmのレンズが合いそうです。

しかし、その雰囲気を得ようとすると、そこは広角レンズで思い切り被写体に近づく必要があります。最短撮影距離は30cm程ですが、カメラの厚みやレンズの長さを差し引くと、おおよそレンズの先から15cm位までに近寄ることになります。近くの枝や突起物がレンズ前玉に傷をつけないように、慎重に近寄って構図を決めます。

晴れの日の週末は、近くの神社と公園に撮影行に行きました。梅はまだでしたが、早春の花は少しずつ咲き始めているようです。日の光が強くなってきていますから、葉裏に透ける光もまぶしく透明感があって、気持ちのよいものです。

それでは、今月はじめに撮影した写真から掲載します。


PENTAX K-5 SMC Takumar 24mmF3.5
撮影データ:1/400sec F7 ISO100
3月に入って、まんさくの花が満開になってきました。背景ボケがうるさくなりますので、空を多く入れています。
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