Webを見ていたらピンホールカメラと言う事で、今では厚紙キットになっている訳で、Kingの浅沼商会さんから発売されていました。懐かしいという感じなのですが、今でもこのようなキットを販売されている気持に感服といった所です。
そもそもカメラという意味は暗い部屋と言う事で、大昔の石器時代から存在している外の世界を洞窟の中に写し込む方法です。この方法を小型化するとピンホールカメラになる訳で、昔の科学の実験にも付いていた教材なのですが、なるほど面白い写真が撮影できます。
キットを買ってくれば手軽に撮影が行えると言う訳なのですが、フィルムカメラとボディ・マウントキャップがあれば、結構本格的なピンホールカメラ撮影が行えます。問題はボディ・マウントキャップを手に入れる事で、ニコンさんのカメラであれば、今でもFマウントのキャップが手に入りますし、ペンタックスさんであればKマウントキャップが今でも売られています。
買ってきたマウントキャップの中心にドリルで穴をあけ、その穴をアルミホイルで覆って接着します。この時に穴の面積に対してアルミホイルの面積を十分に大きくすると、光の漏れが少なくなります。貼り終わったら穴から見えているアルミホイルの中心に、縫い針などで小さな穴をあければ準備完了と言う事になります。
ごく小さな穴ですので、F値からするとF200~F300位になります。明るい屋外で撮影するとおおよそのシャッター・スピードが5分から10分位になります。結構長い時間シャッターを開けている事になるのですが、この時にフィルムカメラのバルブ(B)モードが役に立ちます。しかし、長時間シャッターを押していると疲れますので、レリーズがあると便利です。
フィルムを使う時のヒントとして、フィルムの持つ相反則不軌の特性をよく知っておく必要があります。露光時間が長くなるほど感度が下がる問題で、余計に露光時間を増やす必要が有るのですが、フジフィルムさんのネオパンアクロスを使うと、相反則不軌の特性が良いがために、ほんの少し時間を増やすだけで良いのが有難い所です。
何しろシャッター・スピードが10分以上ですので、動いている被写体はほとんど写り込みません。そしてF値が200位は有りますので、被写界深度が極端に深くなって、至近距離から無限遠までピントが合ったパン・フォーカス撮影が行えます。
何だか今見ている景色とは一風変わった写真が撮影できますので、出来上がった写真を見てびっくりと言う事になります。このような事を書いているうちにピンホール撮影が行いたくなってきました。昔のフィルムカメラを持っていると、簡単な機材で撮影が出来ますので、暖かくなってきたら挑戦してみようと思います。
節分の日が近付いて、暖かくなってきたと言っても外はまだ冬といった所で、春の花が咲きだすまではもう少し待たなければいけません。手軽に健康ウォーキングと言う事で、晴れ間を見計らって撮影行に出掛けます。まだまだ冬の殺伐として景色なのですが、もう少しの辛抱という気持ちで歩き回る日が続きます。
それでは、今月初めに撮影した写真から掲載します。
PENTAX K-1 SMC Pentax-M 35mmF2
撮影データ:1/320sec F3.5 ISO100
今年はなかなか見に行けなかったマンサクの木ですが、行ってみるとまだ咲き始めの感じでした。早咲きのマンサクの花が咲いて半月くらいすると、黄色のマンサクも咲き始めます。