MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

頭の体操 (33) 漢字クイズ 問題/解答

2010-01-20 00:07:12 | 頭の体操 漢字クイズ

01/20      頭の体操 (33) 漢字クイズ




        『これまでのカタカナ語句には、

        カタカナ部分のみ各回ごとに載っており、

         それぞれの記事に飛ぶことも出来ます。

   「古い記事 (トップ) → 新しい記事 (奥)」 の順に並んでいます。




      『頭の体操 漢字クイズ』 カテゴリーでは、

     『問題・解答』の全文が直接ご覧になれます。 こちらは

      「新しい記事 (トップ) 古い記事 (奥)」 の順です。





 10/07 ~ 10/10 に登場した外国語の人名、地名、用語が、
カタカナ表記で (1) ~ (24) に、登場した順に並んでいます。


 また、(A) ~ (X) に並んでいるのは、それぞれを漢字で
表記
しようとしたものですが、どう読めばいいでしょうか?



(1) バー       (2) ティーム・ワーク       (3) トルコ

(4) ツー・ショット     (5) ジンギスカン     (6) キャラメル

(7) メロン   (8) ハスカップ   (9) アセロラ   (10) ミルク

(11) バター   (12) リオ・デ・ジャネイロ   (13) ポルトガル

(14) リスク  (15) レパートリー   (16) デュッセルドルフ 

(17) コル・ニドライ   (18) バイロン   (19) マンフレッド

(20) コリント   (21) チャイルド・ハロルド   (22) タッソー

(23) フォスカリ    (24) ノルド

(A)    (B) 乗奴   (C) 鯉掬   (D) 彫尖   (E) 罵他

(F) 見苦   (G) 焦俺   (H) 女論   (I) 撮請   (J) 場悪

(K) 茶霧沸   (L) 通処人   (M) 八好婦   (N) 凝煮乾

(O) 罵異論   (P) 呼鈴兎   (Q) 他巣鴎   (R) 不捺仮

(S) 鰻降江戸     (T) 礼服部位     (U) 仁義不好

(V) 泥輸売盗富  (W) 茶要兎春老  (X) 狸尾出寺屋根色




[解 き 方]


  ・ 漢字を読み、主にその音を用いて、原語での発音を表わそうと試みた
   ものです。

  ・ 音読み訓読みが混ざっています。 必要な場合は、濁点()、
   半濁点()、送り仮名を補ってください。

  ・  従来のカタカナ表記による読み方とは、必ずしも一致しない場合が
   あります。

  ・  音ではなく、単語の意味を外国語に置き換え、その発音を用いる
   こともあります。 「星 → スター」、「太陽 → サン」のようにです。
    今回は4か所あります。

  ・ 口語的俗語的にくだけた読み方をすることもあります。
   (例) 「汚 → きたねぇ」、「社長 → ボス」。
    今回は1か所あります。

  ・ 漢文もどきに、順番を入れ替えて読む場合もあります。
   (例) 「不読 → よまず、よまん、よまない」。
    今回は1か所あります。

  ・ 漢字の中には、“”、”” ともに含まれている場合もあります。 
   人名に加えて "first name" をご自分で補ってください。
   (例) 「ヨーゼフ・シュトラウス」。
    (今回はその必要はありません。)

  ・ 音や意味とは無関係で、漢字から連想しないと解けないものも!
    今回はありません。

  ・  厳密に見るといい加減なものもありますが、そこは冗談の世界。
   お見逃しくださいませ。



   解答
    ↓




(1) バー  (J) 場悪

 バ―が悪いものとは思いませんが、危険な誘惑に満ちて
いるのは事実でしょう。

 "Bar" は本来は "" を意味するだけですが、それだけに
広い内容を表わします。 ちょうど鳥の "止まり木" みたい
に客が腰掛けるので、酒場を表わすことになったようです。

 楽譜の "小節" も "bars"。 小節線は "barlines" とも言い
ます。 「6小節間」は "(for) 6 bars"、「7小節目」は "bar 7"
のように用います。

 "Measures" も小節を表わすことがありますが、これは
主に「何小節」のように使われます。 その点、"bars"
の方が便利なようですね。

 飲み過ぎて暴れると、まず "at the bar"、法廷に引き出され、
挙句の果ては "behind bars"! 「棒の向こう」、「格子の中」、
つまり "監獄" に送られてしまいます。




(2) ティーム・ワーク  (K) 茶霧沸

 茶摘み。 一列に並んで作業する写真を見たことがありますが、
内容は個人作業のようです。 今はすべて機械化されているとか。

 「高めの血圧には緑茶がいい」と聞き、摂取に努める私でした…。




(3) トルコ  (I) 撮請

 博物館、美術館などで、よく見かける "撮影禁止" の表示。
主にフラッシュの紫外線で、陳列品が劣化するからです。

 誰でも、「カチャッ」、「パチリ」! 不意に写真を撮られる
のは不愉快。 事前に許可を請うのは礼儀です。

 "May I take your picture ?"




(4) ツー・ショット  (L) 通処人

 その反対に、「どうぞ、いくらでも撮ってください!」という
方もおられますね?

 いいなー。 幸せ、一杯で…。 仲良しカップルでした。
どうぞ、末永くお幸せに!




(5) ジンギスカン  (U) 仁義不好

 "礼儀" ではなく、こちらは "仁義" です。 「手前、生国
(しょうごく) と発しましたるは…」は、そのほんの一部で、口上
をすべて覚えようとすると大変です。

 そう言えば、今年は寅さん年でしたね。




(6) キャラメル  (A)

 宴会で飲み過ぎて、他人に絡んではいけません。
お酒はほどほどに。

 自信がない向きは、甘党に徹しましょう。 はい、
"ラメル・シロップ"。

 そこで謎々です。 実在した "絡弟自家宴" とは
誰のことでしょうか?

 答はこのページの末尾にあります。




(7) メロン  (H) 女論

 私の学生時代には、"女性問題研究会" というサークルが
ありました。 「女性である」ということが、「何か特殊なことだ」
という響きを伴ってしまいます。 これは女性にとって、あまり
嬉しいことではないでしょう。 今でもあるのでしょうか?

 「女性問題が絶えない」と言うと、素行のこと…。 こちらは
男性にとって嬉しい話ではありません。

 なんだかんだ言いながら、女性を話題にしてしまい、本当に
すみません。 われわれ男性にとっては、やはり憧れの的、
魅力的な存在だからなのです…。




(8) ハスカップ  (M) 八好婦

 …と言っているそばから、今度は女性の悪口でしょうか。
"八方美人" ?

 いいえ! どこから眺めても好感度抜群の女性のことです!

 そういう私は、口八丁手八丁? いや、それは "腕も立つ"
人のことです。 と言うことは…。

 どうやら、四方から石が飛んできそうですね。 最後は
"四面楚歌" でした…。




(9) アセロラ  (G) 焦俺

 「ふるさとを "もて追われた" 皆さんのご挨拶からどうぞ!」
どこかの人気番組の司会者のセリフです。

 いえ、"石打ちの刑" というのもありますから、この程度
ならまだマシかもしれません。

 室内楽をやっていて、音を外したとき…。 まさにこの
心境です。




(10) ミルク  (F) 見苦

 そんなとき、すればするほど見苦しいのが "言い訳" です。

 よく、「実力が発揮できなかった」という発言、解説を
見かけます。

 でも、「まさにそれが実力だ」と言われたことがあります。
要するに、「どんな状況でも発揮できる」 "最低線" を実力
というのだそうです。 厳しい指摘ですね…。




(11) バター  (E) 罵他

 「それが自分の実力だ」と認め、謙虚であるに越したことは
ありません。 周りからもいじめられる…?

 でも、アンサンブルとなれば話は別です。 仲間の失敗や
欠点を "かばう" (cover) するのが、 "team work" です。

 ましてや、自分の正当性を主張して他人をけなすのは、
やはり避けたいところです。 "厳しい師" として接するなら、
まだしも…。

 "本音と建前" の違いは、音楽演奏の世界にもあります。




(12) リオ・デ・ジャネイロ  (X) 狸尾出寺屋根色

 ♪ すずめがね お屋根でちょんちょん かくれんぼ
  どんなに上手に かくれても 茶の帽子が 見えてるよ
  だんだんだァれが めっかった ♪

 これは、童謡『かわいいかくれんぼの一節ですね。

 一番は "ひよこ"、二番が "すずめ"、三番が "こいぬ" です
が、近年になって新たに四番が発見されました。

 ♪ タヌキがね おで ポンポコ かくれんぼ
  どんなに上手に かくれても 大きな * * が 見えてるよ
  だんだんだァれが めっかった ♪

 「や~ね~。」

 もちろん大きな尻のことですよ。




(13) ポルトガル  (D) 彫尖

 タヌキが隠れていたのは、お寺の屋根の上にしつらえられた
刻の陰でした。 ったものというと、ひょっとして、金の鯱鉾
(しゃちほこ)
でもあるのでしょうか?

 それにしては、どうも楽しそうに動き回っていますが…。

 高い屋根の上…! 怖いですねえ、恐ろしいですねえ。」




(14) リスク  (C) 鯉掬

 一体何をしてるのかと思ったら、"金魚い" ならぬ、
"掬い" で釣り上げた大物のコイを、お城の天守閣の
つもりで飾ろうとしています。 あっ! よろけてる!

 ただでさえ危険なのに、お寺で生臭モノは厳禁。 和尚
さんに見つかったらどうするの? それに、腹鼓 (つづみ)
練習は? サボってると怒られるよ?

 いずれにせよリスクを伴う、タヌキさんの戯れでした。




(15) レパートリー  (T) 礼服部位

 "服部さん" は、大変由緒ある苗字ですね。 「古代の役職、
職業の "機織部 (はたおりべ・はとりべ)" に因む」とあります。

 数ある名字・苗字の中には、氏名が地名になったり、元々
あった "部" の字がとれてしまったものもあります。

 いくつか挙げてみると、農業関係では、田部、田辺、田名部
さん。 動物関係では、犬養 (いぬかい) 部が、犬養、犬飼さんに
なりました。 同様に鳥飼、鵜飼、猪飼さんなどがあります。

 ほかにも、磯部、磯辺さん。 矢部、矢作さん。 海部 (かいふ)
さん。 刑部 (おさかべ) さん。 蘇我部 (そがべ)、曽我部、宗我部
さん。 土師部 (はせべ)、土師、長谷部さんなどがあります。

 渡部 (わたりべ) が渡部 (わたべ、わたなべ)、渡辺、渡 (わたり) さん
になったというのは、私も知りませんでした。 「渡し船を業と
した」からだそうです。

 でも、矢部、矢作さんと "矢切の渡し" は無関係でした…。
"" なんて方も実在しないかもしれません。

     興味のある方は → 名字・苗字

 さらに私の愚かな疑問…。 熊谷さんは熊飼さんなの?
熊田さん、猫田さんは? 猫多さんってあるの?

 実在する熊巳 (くまみ) さん、馬詰 (まづめ) さん、魚落 (うおおち)
さん、鮎川 (あゆかわ) さん、虎谷 (とらたに) さんって?

 ご存知の方はどうかご教示ください。




(16) デュッセルドルフ  (V) 泥輸売盗富

 これが職業なら、あまり褒められたものでは…。

 「重い荷物を開けてみたら、中身は石だった。」 「葡萄酒
かと思ったら水だった。」 …などなど、『看板に偽りあり』は、
いつの世でも絶えません。 残念ながら。

 "毒入りギョーザ" の国では、『羊頭狗肉』とも言うようです…。

 まるチャン、ごめんね。




(17) コル・ニドライ  (N) 凝煮乾

 昔は乾物 (かんぶつ) さんと呼ばれるお店が、ごく一般的に
見られました。 今は "スーパー" 内の一コーナーでしょうか。

 佃 (つくだ) 島に由来する佃煮や寿司は、共に江戸に発祥した
保存食ですね。




(18) バイロン  (O) 罵異論

 "罵他" も "罵異論" も、頭ごなしではいけません。 何でも
相手の言い分を一応聞いてみる必要があります。




(19) マンフレッド  (S) 鰻降江戸

 「蛙や小魚、小動物などが、夏の空から突如降って来た!」
そんなニュースを聞いたことがあります。 竜巻? 異常気象?
原因は不明だそうです。

 だから、ウナギが降っても不思議じゃありません…。




(20) コリント  (P) 呼鈴兎

 「忙しい、忙しい!」 こうつぶやきながら、懐中時計を睨んで
走るウサギ
だっていました。

 だから、呼鈴を持ったウナギ、違った、ウサギがいても不思議
ではありません。




(21) チャイルド・ハロルド  (W) 茶要兎春老

 子供だとばかり思っていたウサギも、やがて境を迎えます。
付き合う仲間も、"飲み友だち" から "飲み友だち" へ。
の陽を浴びながら。

 だから、湯呑み茶碗を持ったウサギがいても不思議ではあり
ません。




(22) タッソー  (Q) 他巣鴎

 鳥にもずるいのが居て、人(?) のに卵をうみつけ、
育てさせるのがいます。

 だから、そんなカモメがいても不思議ではありません。

 もっとも、巣の主が一枚上手 (うわて) だと大変なことに
なります。 雛のための食糧にされかねません。

 卵焼き? まさか…。

 「いいカモめが!」…なんて言われたりして。




(23) フォスカリ  (R) 不捺仮

 不正取引、詐欺…。 印鑑を捺す際は慎重さが必要です。

 特に実印の場合には。 「紛れもなく本人が、自発的な
意志で捺した」とみなされてしまうのが、通常だからです。
法的に不利な立場に置かれ、取り返しのつかないことにも
なりかねません。

 契約書、相続関係の書類…。 事前に内容を確認する
べきなのは、言うまでもありません。




(24) ノルド  (B) 乗奴

 キセル (無賃乗車) の代名詞として挙げられるよう
になってしまった、薩摩の上忠則。 "タダのり" と
名付けられたばかりに…。

 さて、謎々です。 もし彼が今日存命なら、鉄道
上り線と下り線では、無意識に選ぶのはどちら
でしょうか?

 答はこのページの末尾にあります。

 ご本人の名誉のために書き添えると、元来の
名は平忠則。 平家物語にも登場する、文武の
達人です。




 謎々の答です。



(6) 実在した "絡弟自家宴" とは誰のことでしょうか?

 "Calamity Jane" です。

 一頃は、台風にも女性名を付ける慣習がありました。
"ジェーン台風"、"キャサリン台風"、"キティ台風"…。
不公平なので、今は男性名と交互に付けています。

 でも通算したら、やはり女性側が不利ですよね…。

 それに、"エル・ニーニョ" だけかと思ったら、わざわざ
"ラ・ニ―ニャ" まであります。




(24) もし薩摩の上忠則が今日の鉄道に乗るとすれば、上り線と下り
では、どちらを無意識に選ぶでしょうか?


 下り線です。

 平忠則と言えば "都落ち" だから。 「石もて追われた」
かどうかはわかりませんが。

 『平家物語』の第七巻には『忠度都落 (みやこおち)』、また
第九巻には『忠度最期』という段があります。



 古典をたずねて』には、以下の記述があります。

   「さざなみや 志賀の都は あれにしを
          むかしながらの 山ざくらかな」

という忠度の歌を、俊成は「読み人知らず」として千載集に
入集させたのである。

 この忠度は一の谷の戦いで、西の陣の大将軍であったが、
部下の兵が逃げまどうなかで、岡部の六野太 (ろくやた) なる
人物と一騎打をし優位に立つが、六野太の童 (わらわ)
後方から刀で忠度の右腕を落す。忠度は今はこれまでと
思い「しばしのけ、十念となえん」(しばらくどいておれ、念仏を
十遍唱えよう)
と念仏を唱え、六野太により首を討たれる。

 六野太はこの公達 (きんだち) が誰かを知らなかったが、
(えびら)(矢を入れて携帯する容器) に結びつけられた文を
見ると「旅宿花」 (りょじゅくのはな) と題して

   「ゆきくれて 木のしたかげを やどとせば
          花やこよひの 主ならまし」  忠度
   (旅の途中で白が暮れて桜の木の下影に宿るならば、
   桜の花が今夜の主となり、もてなしてくれるだろう、忠度)


という一首があり薩摩守忠度と知る。 文武にすぐれた
忠度の死を惜しみ、敵も味方も涙で袖を濡らさぬ者は
いなかったのである。




 お疲れさまでした。