03/22 私の音楽仲間 (374) ~ 私の室内楽仲間たち (347)
みんなで弾いても怖い
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みんなで弾いても怖い
Mozart の最後の弦楽四重奏曲、『プロシャ王』四重奏曲
第3番 K590 は、チェロ パートが難しいことで有名です。
低音楽器としての音楽的センスだけではなく、チェロと
は思えないほどの高音で、ソロを弾くよう要求されます。
また時には、ViolinⅠと対等に張り合う機動性も無ければ
なりません。
ですから、同じようなパッセジを4人で順番に受け渡す
ことなど当り前。 かと思うとユニゾンも頻繁に現われる
という、両極端な曲です。
このユニゾン (unisono) という言葉。 "uni" があること
からもお解りのとおり、"同じ音" の意味です。 英語にも
なっている音楽用語で、厳密には "同じ高さの音" のこと
ですが、"オクターヴ" を含むこともあります。
この曲は、第Ⅰ楽章の出だしからして、4人がユニゾン。
3小節間の主題を歌い始めます。
調はヘ長調、4/4拍子で、"Allegro moderato" と指示
されています。
[譜例 ①]
"ソロ" は独奏ですから、もちろん目立ちます。 ところが、
みんなで一緒に一つの音を弾く "ユニゾン" も、簡単では
ありません。 一人でも音が狂えば、全体の響きは、たち
どころに濁ってしまいますから。 特に、指幅の広いチェロ
にとっては大変です。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」…なる、とんでもない
ジョークもあります。 しかし、「仲間のみんなの目が怖い」
…こともあるようですね。 チェロさんばかりではありません。
[演奏例の音源]は、第Ⅰ楽章の展開部の中ほどから、
再現部に入って15小節ほど進んだところまでです。
再現部のこの箇所では、冒頭とまったく同じ音符、強弱、
アーティキュレーションが書かれています。
演奏は[譜例 ②]の5小節前からスタートしますが、やがて
[譜例 ①]の音楽が聞かれることになります。
Violin の私、Sa.さん、Viola の M.さん、チェロの Si.さん
にとっては、色々な意味で "怖い" 音符の連続です。
[譜例 ②]
(この間に7小節あります。)
[譜例 ①]
[音源サイト]